この記事では、家族介護者の負担を評価する指標である『Zarit介護負担尺度の日本語版』について短縮版も含めて記載していく。

 

Zaritらによる『介護負担』の定義

 

Zaritらは『介護負担』という概念を始めて定義したと言われいる。

 

そんなZaritらによる『介護負担』の定義は以下の通り。

 

『親族を介護した結果、介護者が情緒的、身体的健康、社会生活および経済状態に関して被った被害の程度』

 

Zaritらは、この定義に基づ き以下などを総括し、介護負担として測定することが可能な尺度として 『Zaritの介護負担尺度(ZBI)』を作成した。

 

  • 身体的負担
  • 心理的負担
  • 経済的困難

 

『Zaritの介護負担尺度』は欧米で最も頻 用されている介 護負担尺度の1つである。

 

 

Zarit介護負担尺度の日本語版

 

Zarit介護負担尺度では、家族介助者に対して以下のような声掛けをし、質問に回答してもらう。

 

『各質問について、あなたの気持ちに最も当てはまると思う番号を○で囲んでください』

 

それぞれの質問に対して「思わない」(0点)~「いつも思う」(4点)の5段階評価で採点する。

点数が多いほど介護負担感が大きいことを示す。

 

質問項目

思わない

たまに思う

時々思う

よく思う

いつも思う

①対象者は、必要以上に世話を求めてくると思いますか。

②介護のために自分の時間が十分にとれないと思いますか。

③介護のほかに、家事や仕事などもこなしていかなければならず「ストレスだな」と思うことがありますか。

④対象者の行動に対し、困ってしまうと思うことがありますか。

⑤対象者のそばにいると腹がたつことがありますか。

⑥介護があるので家族や友人と付き合いづらくなっていると思いますか。

⑦対象者が将来どうなるのか不安になることがありますか。

⑧対象者があなたに頼っていると思いますか。

⑨対象者のそばにいると、気が休まらないと思いますか。

⑩介護のために、体調を崩したと思ったことがありますか。

⑪介護があるので自分のプライバシーを保つことができないと思いますか。

⑫介護があるので自分の社会参加の機会が減ったと思うことがありますか。

⑬対象者が家にいるので、友達を自宅に呼びたくても呼べないと思ったことがありますか。

⑭対象者は「あなただけが頼り」というふうにみえますか。

⑮今の暮らしを考えれば、介護にかける金銭的な余裕はないと思うことがありますか。

⑯介護にこれ以上の時間はさけないと思うことがありますか。

⑰介護が始まって以来、自分の思い通りの生活ができなくなったと思うことがありますか。

⑱介護を誰かに任せてしまいたいと思うことがありますか。

⑲対象者に対して、どうしていいかわからないと思うことがありますか。

⑳自分は今以上にもっと頑張って介護するべきだと思うことがありますか。

㉑本当は自分はもっとうまく介護できるのになあと思うことがありますか。

㉒全体を通してみると、介護をするということはどれくらい自分の負担になっていると思いますか。

全く負担ではない

多少

 

世間並

 

かなり

 

非常に大きい

 

 

Zarit介護負担尺度 短縮版(J-ZBI_8)

 

Zarit介護負担尺度の質問数が22問なのに対して、

 

Zarit介護負担尺度短縮版(J-ZBI_8)の質問数は8問なため簡便に評価できる。

 

合計点は0~32点となり、点数が多いほど介護負担感が大きいことを示す。

 

質問項目

思わない

たまに思う

時々思う

よく思う

いつも思う

①対象者の行動に対し、困ってしまうと思うことがありますか

②対象者のそばにいると腹が立つことがありますか

③対象者のそばにいると、気が休まらないと思いますか

④介護を誰かに任せてしまいたいと思うことがありますか

⑤対象者に対して、どうしていいかわからないと思うことがありますか

⑥介護があるので、家族や友人と付き合いづらくなっていると思いますか

⑦介護があるので、自分の社会参加の機会が減ったと思うことがありますか

⑧対象者が家にいるので、友達を自宅に呼びたくても呼べないと思ったことがありますか

 

 

いちいちテストしなくても活用できる

 

この介護負担尺度を紹介したのは、これを介護者にテストしてみてほしいという訳ではない。

 

でもって、とりあえず上記の質問項目をじっくりと眺めてみてほしい。

 

すると、私たち医療・介護従事者であれば、介護者がどの程度の点数になるのか何となく察知できるのでは無いだろうか(もちろんスタッフのバイアスがかかるため、厳密にテストすることを否定はしないが)。

 

そして、察知できた解釈を元に、可能な限り家族へのサポートが出来るよう工夫してみてほしい。

 

 

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