この記事では、AKA-博田法における『定義』を含めた特徴について解説していく。

 

AKA-博田法の定義

 

AKA-博田法は以下になる。

 

「関節運動額に基づき、関節神経学(articular neurology)を考慮して、関節の遊び、関節面の滑り、回転、回線等の関節包内運動の異常を治癒する方法、および関節面の滑りを誘導する方法」

 

治療対象としては関節機能異常、無菌性関節炎などの関節原性の痛み、関節拘縮などが挙げられる。

その他、神経筋再教育や筋力増強にも使われる。

関連記事⇒『AKA-博田法にはどんな治療技術があるのか

 

ちなみにAKA-Hの中での関節機能障害とは「関節包内の器質的病変の有無に関わらず関節面に運動障害をきたした状態」を指し、この関節機能障害の中でも「器質的病変の認められない正常関節において、関節面の動きという機能のみに異常をきたした状態」を関節機能異常と呼んでいる。

 

でもって、この記事では上記治療対象の中で「痛み」に対するアプローチについて考えて記載している。

 

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関節包内運動の正常化による疼痛改善

 

痛みに対しては、関節包内副運動(accessory movement)を改善させる手技(副運動技術)を用いてAKA-博田法ではアプローチしていく。

 

これは「副運動技術を用いて関節機能異常などを正常化させること」が目的であり、その結果として「疼痛の改善」などの様々な現象が起こるといった考え方になる。

 

重複するが、『関節副運動技術=除痛目的の技術』ではなく、『関節副運動技術=関節機能異常を正常化させる技術』であり、関節機能異常が改善された結果の一つとして関節可動域の正常化・不定愁訴の改善なども含めて「疼痛の改善も起こる」というのが正しい解釈となる。

 

ちなみに、関節包内副運動とは随意運動に抵抗が加わったときに生じる関節面の運動(副運動Ⅰ型)であったり、筋が完全にリラックスした状態で他動的に動かされたときに生じる関節面の運動(副運Ⅱ型)であったりのことを言う。

関連記事⇒『関節副運動を補足します

 

 

関節副運動技術は「弱」・「中」・「強」を使い分ける

 

副運動技術では弱・中・強の3つを使い分ける。

 

これらは力の強弱ではなく動かす距離を指しており、関節包や靭帯のたわみを無くす距離まで動かすのを「中」として、「弱」は「中」の1/2の距離、「強」は「中」の限界を越えて伸張する強さのことを表現している。

 

動かす力は弱・中・強ともに非常に弱い力で、その力をどの位持続させるかの違いである。

※教本には弱は0.5秒、強は1~2秒程度力を持続させると書いてあります。

 

大げさに表現すれば「弱」はチョンッっと動かす程度、「強」はギューッ(弱い力ですが)と持続的に動かすといった感じでしょうか。

 

やられている方としては、「強」であったとしても伸ばされているというより手を体に当てられている感じだったり、「弱」に関してはペタペタと体に触れられている感じだったりします。これらの力加減は何度も練習する必要があり、初めのうちは頭では分かっているつもりでも力が強すぎて指導員に修正されてしまうと思います。

 

まぁ、言語化はしてみたものの、結局のところ技術講習を受けなければ理解は出来ない類なので、興味がある方は是非講習会に参加してみてほしい。