この記事では、リハビリ(理学療法・運動療法)のリスク管理として重要な『リハビリテーションの安全管理・中止基準』に関しては複数のガイドラインを記載しておく。

 

リハビリテーションの『安全管理・中止基準ガイドライン』は数多く存在する。

 

リハビリ(理学療法・作業療法)のリスク管理のためには安全管理・注意基準を十分に理解いておくことは大切だ。

 

でもって、リハビリテーションの安全管理・中止基準は数多く存在するのだが、その中でも特に以下が有名である。

 

リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

 ※日本リハビリテーション医学会が作成した基準

 

アンダーソン(Anderson)・土肥の基準

 

 

ただし、上記以外にも循環器・呼吸器・糖尿病などに対する詳細なリスク管理が望まれる場合もあり、これらの点も補足として後述しておく。

 

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リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン

 

リハビリ(理学療法・作業療法)の対象者は、身体に何らかの障害を持っている場合が一般的であり、つまりは「臨床現場でかかわっていく患者は何らかのリスクを有している」と言える。

 

でもって、リスクを有した状態で運動療法などのリハビリを行うと、全身状態の悪化、場合によっては人命にかかわる事態に陥ることも有り得る。

 

なので、これらのリスク管理のために(安全で適切なリハビリテーションを実施するために)日本リハビリテーション医学会によって『リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン』が策定されている。

 

 

具体的なガイドラインの項目は以下の通り(日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会(編):リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 医歯薬出版、2006より)

 

1.積極的なリハビリテーションを実施しない場合

 

2.途中でリハビリテーションを中止する場合

 

3.一旦リハビリテーションを中止し、回復を待って再開

 

4.その他注意が必要な場合

 

 

上記の項目は、いずれにしてもバイタルサインの正確な測定が重要となる。

 

なので、この記事と合わせてバイタルサインの詳細についても是非確認しておいてほしい。

 

バイタルサイン(vital signs)の基準値をザックリ理解!

 

 

1.積極的なリハビリテーションを実施しない場合

 

  • 安静時脈拍40/分以下または120/分以上
  • 安静時収縮期血圧70mmHg以下または200mmHg以上
  • 安静時拡張期血圧120mmHg以上
  • 労作性狭心症の方
  • 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
  • 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
  • 著しい不整脈がある場合
  • 安静時胸痛がある場合
  • リハビリテーション実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
  • 座位でめまい、冷や汗、嘔気などがある場合
  • 安静時体温38度以上
  • 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下

 

 

2.途中でリハビリテーションを中止する場合

 

  • 中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などが出現した場合。
  • 脈拍が140/分を超えた場合。
  • 運動時収縮期血圧が40mmHg以上、または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合。
  • 頻呼吸(30回/分以上)、息切れが出現した場合
  • 運動により不整脈が増加した場合
  • 徐脈が出現した場合
  • 意識状態の悪化

 

 

3.いったんリハビリテーションを中止し、回復を待って再開

 

  • 頻脈数が運動前の30%を超えた場合。ただし、2分間の安静で10%以下に戻らないときは以後のリハビリテーションを中止するか、またはきわめて軽労作のものに切り替える。
  • 脈拍が120/分を超えた場合
  • 1分間10回以上の期外収縮が出現した場合
  • 軽い動悸、息切れが出現した場合

 

 

4.その他注意が必要な場合

 

  • 血尿の出現
  • 喀痰量が増加している場合
  • 体重が増加している場合
  • 倦怠感がある場合
  • 食欲不振時・空腹時
  • 下肢の浮腫が増加している場合

 

 

ダーソン(Anderson)・土肥の基準

 

アンダーソン(Anderson)の基準』は高齢者や心疾患を合併する対象者の運動療法を実施する際のリスク管理の基準であり、その概要は以下の通り。

(以下が運動療法を中止する項目として挙げられている。)

 

  • 安静時脈拍が100を超える
  • 運動中の息切れ、めまい、胸部痛、チアノーゼの出現
  • 運動時、脈拍数が135~140を超える、または不整脈の出現
  • 運動後、2分間の休息で脈拍数が運動前のプラス10拍以下に戻らない場合に戻らない場合

 

でもって、現在はもう少し詳細な基準として『ダーソン(Anderson)・土肥の基準』という変法が用いられることが多い。

 

「ダーソン(Anderson)の基準・土肥変法」における、運動実施のための基準は以下の通り

(土肥豊:Medicinal3:1068,1976)

 

Ⅰ.訓練を行わないほうが良い場合

Ⅱ.途中で訓練を中止する場合

Ⅲ.訓練を一時中止し、回復を待ってから再開する場合

 

 

Ⅰ.訓練を行わないほうが良い場合(アンダーソン・土肥の基準)

 

  • 安静時脈拍数120/分以上
  • 拡張期血圧120mmHg以上
  • 収縮期血圧200mmHg以上
  • 労作狭心症を現在有するもの
  • 新鮮心筋梗塞1カ月以内のもの
  • うっ血性心不全の所見の明らかなもの
  • 心房細動以外の著しい不整脈
  • 訓練前すでに動悸、息切れのあるもの

 

 

Ⅱ.途中で訓練を中止する場合(アンダーソン・土肥の基準)

 

  • 訓練中、中等度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛などが出現した場合
  • 訓練中、脈拍数140/分を超えた場合
  • 訓練中、1分間10個以上の期外収縮が出現するか、または頻脈性不整脈(心房細動、上室性または心室性頻脈など)あるいは徐脈が出現した場合
  • 訓練中収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇した場合

 

 

Ⅲ.次の場合は訓練を一時中止し、回復を待って再開(アンダーソン・土肥の基準)

 

  • 脈拍数が運動前の3 0 % を超えた場合。ただし、2分間の安静で10%以下にもどらぬ場合は、以後の訓練は中止するか、またはきわめて軽労作のものにきりかえる
  • 脈拍数が120/分を超えた場合
  • 軽い動悸、息切れを訴えた場合

 

 

その他のリスク管理・中止基準など

 

その他のリスク管理・中止基準として、以下を補足として記載していく。

 

・循環器疾患におけるリスク管理

・呼吸器疾患におけるリスク管理

・生活習慣病に対する運動療法の適応と禁忌

・脳卒中急性期におけるリスク管理

 

 

循環器疾患におけるリスク管理

 

まずは、心臓ポンプ機能の障害として基本的な情報である病態と治療の内容を把握する必要がある。

 

これに心臓予備能としての運動耐容能などの情報を加味し、リスクの層別化を図る。

 

次に、リハビリテーションを開始できるか否かを判断するための心機能評価として、以下などを確認する。

 

  • 全身への酸素供給が保たれているのか
  • 肺うっ血と末梢循環不全の有無体重や尿量の増減など

 

 

循環器疾患におけるリスク管理として、例えば『心不全の運動療法の禁忌』は以下になる。

 

~心不全の運動療法の禁忌~

~『循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年版)』より引用~

 

Ⅰ.

絶対禁忌

1)過去1週間以内における心不全の自覚症状(呼吸困難、易疲労性など)の増悪

2)不安定狭心症または閾値の低い(平地ゆっくり歩行{2METs}で誘発される)心筋虚血

3)手術適応のある重傷弁膜症、特に大動脈弁狭心症

4)重症の左室流出路狭窄(閉塞性肥大型心筋症)

5)未治療の運動誘発性重症不整脈(心室細動・持続性心室頻拍)

6)活動性の心筋炎

7)急性全身性疾患または発熱

8)運動療法が禁忌となるその他の疾患(中等度以上の大動脈瘤、重傷高血圧、血栓性静脈炎、2週間以内の閉塞症、重篤な他臓器障害など)

Ⅱ.

相対禁忌

1)NYHA心機能分類 Ⅳ度または静注強心薬投与中の心不全

2)過去1週間以内に体重が2kg以上増加した心不全

3)運動により収縮期血圧が低下する例

4)中等症の左室流出路狭窄

5)運動誘発性の中等症不整脈(非持続性心室頻拍、頻脈性心房細動など)

6)高度房室ブロック

7)運動による自覚症状の悪化(疲労・めまい・発汗多量・呼吸困難)

Ⅲ.

禁忌とならないもの

1)高齢

2)左室駆出率低下

3)補助人工心臓(LVAS)装着中の心不全

4)埋め込み型徐細動機(ICD)装着例

 

※NYHA心機能分類に関しては以下を参照

⇒『NYHA心機能分類(にーはしんきのうぶんるい)とは?

 

※METsとは代謝当量のことで、具体的には以下を参照

⇒『METs(メッツ)とは? 代謝当量を把握して運動処方やリスク管理に活用しよう

 

 

また、リハビリ(理学療法・作業療法)を実施するにあたって、どこまで活用できるかは微妙だが、循環器疾患に対して以下の様にリスク階層化を図ったうえでリハビリ(運動)プログラムを立案するという考え方もある。

~『高橋哲也:運動療法日本心臓リハビリテーション学会(編).心臓リハビリテーション必携,日本心臓リハビリテーション学会.225,2011』より引用~

 

リスク 低リスク 中等度リスク 高リスク
階層化の指標

このリストにある全ての特徴を満たすときに低リスクとする。

 

・狭心症やその他の明らかな症状(運動中及び運動後に生じる 息切れ、めまい、ふらつき)がない。

 

・運動負荷試験中及び負荷後の正常な循環動態(負荷に伴う 適切な新朴・血圧反応)が保たれている。

・運動耐容能>7METs

 

 

<運動負荷試験以外の所見>

 

・安静時左室駆出率>50%

・合併症のない心筋梗塞や再灌流療法

・安静時に重篤な心室性不整脈がない。

・うっ血性心不全が無い。

・イベント後や処置後の心筋虚血を示す兆候および症状が無い。

・抑うつ症状がない。

以下の項目のいずれかを満たす場合、中等度リスクとする。

 

・強い強度(>7METs)においてのみ狭心症かほかの明らかな症状(息切れ、めまい、ふらつき)が出現する。

 

・運動負荷試験中や負荷後にみられる、軽度から中等度の無症候性虚血(2mm以上のST低下)の出現。

 

・運動耐容能>5METs

 

 

<運動負荷試験以外の所見>

 

・安静時左室駆出率40~49%。

以下の項目のいずれかを満たす場合、高リスクとする。

 

・運動中や運動後に心室性期外収縮の出現

 

・5METs未満の運動や運動後に狭心症状や他の明らかな症状(息切れ、めまい、ふらつき)が出現する。

 

・運動負荷試験中や運動負荷後にみられる高度の無症候性虚血(2mm以上のST低下)の出現。

 

・運動時の異常血行動態(負荷強度の上昇にもかかわらず心拍数が増加せず、収縮期血圧も上昇しないか低下する)。あるいは回復期にみられる異常な血行動態(著しい運動後低血圧)。

 

 

<運動負荷試験以外の所見>

 

・安静時左室駆出率<40%

・心停止や突然死の病歴

・安静時の重力心室性不整脈

・合併症のある心筋梗塞または再灌流療法

・うっ血性心不全の存在

・イベント後や処置後の虚血症状や徴候

・抑うつ症状

 

※METsとは代謝当量のことで、具体的には以下を参照

⇒『METs(メッツ)とは? 代謝当量を把握して運動処方やリスク管理に活用しよう

 

運動負荷試験に関しては、以下を参照。

運動負荷試験とは:

 

運動中や運動後の心・循環器系や呼吸器系の状態の変化、運動能(持久力)などを評価する検査。

 

心電図、血圧、酸素摂取量の測定が指標とされる。

 

試験には「ベルトコンベア上を歩くトレッドミル試験」、「自転車エルゴメーター試験」、「段の上り下りを繰り返すマスター2段階試験」などがある。

 

その他、平地で6分または12分間で歩ける距離を測地する試験もある。

 

トレッドミル試験は主に虚血性心疾患の診断、重症度や予後の推定、虚血性心疾患における治療効果の判定、潜在心疾患のスクリーニング、心筋梗塞などのリハビリテーションに用いられる。

 

その他、糖尿病、高血圧症など生活習慣病の運動処方における運動強度の基準を個別に設定する際に用いられる。

 

平地における6分間または12分間で歩ける距離を推定する試験は呼吸障害の治療効果の判定、呼吸リハビリテーションに用いられる。

理学療法学事典より~

 

運動負荷試験の目的:

 

運動負荷試験の目的は、運動負荷試験による心電図異常やその他の臨床症状を運動により誘発し、安静時に発見できない異常を発見することである。

 

もう1つの目的は運動耐容能を把握し、日常生活やレクリエーションなどの生活指導と適切な運動処方を行うためである。

 

リハビリテーション医学 第4版 (東洋療法学校協会編教科書)より~

 

 

運動負荷試験に関しては、以下にまとめ一覧を作成したので、こちらも参考にしてみてほしい。

 

運動耐容能とは?!(運動耐用能じゃないよ) 運動負荷試験のまとめ一覧

 

 

心臓関連の記事は以下になる。合わせて観覧すると理解が深まるかもしれない。

 

医療・介護の基礎知識でもある『心臓(heart)』について、ザックリ解説するよ

 

心不全とは?症状・原因・治療法をイラスト付きで解説(+リハビリのリスク管理)

 

 

呼吸器疾患におけるリスク管理

 

 

呼吸器疾患におけるリスク管理として、「呼吸リハビリテーションの患者選択基準・患者評価」は以下の通り。

(引用:日本呼吸管理学会/日本呼吸器学会 呼吸リハビリテーションに 関するステートメント)

 

 

~呼吸リハビリテーションの患者選択の基準~

 

患者選択の基準は以下の通り

 

  • 症状のある慢性呼吸器疾患
  • 標準的治療により病態が安定している
  • 呼吸器疾患による機能的制限がある
  • 呼吸リハビリテーションの施行を妨げる因子や不安定な合併症がない
  • 患者自身に積極的な意志があることを確認すること(インフォームド・コンセントによる)
  • 年齢制限や肺機能の数値による基準は定めない

 

呼吸リハビリテーションを実施するあたっての患者評価

 

呼吸リハビリテーションを行うにあたっては、以下の評価を行う。

 

A 必須の評価 問診および身体所見・スパイロメトリー・心電図・胸部エックス線写真・呼吸困難感(安静時、労作時)・経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)
B 行うことが望ましい評価

パルスオキシメーターを使った時間内歩行テスト

6分間歩行テストなど)

C 可能であれば行う評価 QOL評価(一般的・特異的)・運動負荷試験・肺気量分画・呼吸筋力・動脈血ガス分析・心理的評価 

 

※酸素投与中の患者では酸素ボンベの残量チェック・決められた流量かどうか確認を忘れてはならない。

 

※運動中も低酸素に注意し、経皮的酸素飽和度や自覚的運動強度を『ボルグスケール』を用いてモニタリングする。

 

※チアノーゼの有無や理学的所見を観察することも重要である。

 

 

呼吸器関連の記事は以下になる。合わせて観覧すると理解が深まるかもしれない。

 

医療・介護の基礎知識でもある『肺(lung)』について、ザックリ解説するよ

 

 

生活習慣病に対する運動療法の適応と禁忌

 

 

生活習慣病に対する運動療法の適応と禁忌は以下になる。

~『循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年版)』より引用~

 

疾患 適応 条件付適応 禁忌
高血圧 140-159/90-94mmHg

・160-179/95-99mmHg

または治療中または禁忌の値でない男性40歳・女性50歳以上はできるだけ運動負荷試験を行う。

・運動負荷試験ができない場合はウォーキング程度の処方とする。

・180/100mmHg以上

・胸部X線写真でCTR55%以上

・心電図で重傷不整脈、虚血性変化が認められるもの(運動負荷試験で安全性が確認された場合は除く)

・眼底でⅡb以上の高血圧性変化がある尿蛋白100mg/dl以上

糖尿病 空腹時血糖110-139mg/dl

・空腹時血糖140-249mg/dl

または治療中かつ禁忌の値でない男性40歳・女性50歳以上はできるだけ運動負荷試験を行う。

・運動負荷試験ができない場合はウォーキング程度の処方とする。

・空腹時血糖250mg/dl以上。

・尿ケトン体(+)

・糖尿病性網膜症(+)

脂質異常症 ーーー

・TC:250mg/dl以上またはTG:300mg/dl、または治療中男性40歳・女性50歳以上はできるだけ運動負荷試験を行う。

・運動負荷試験ができない場合はウォーキング程度の処方とする。

ーーー
肥満

BMI:24.0-29.9

・BMI:24.0-29.9かつ下肢の関節障害整形外科的検査と運動制限。 ・BMI:30以上

※TC:総コレステロール、TG:中性脂肪、BMI:Body Mass Index

 

 

糖尿病におけるリスク管理について

 

糖尿病患者のリスク管理は、以下の2つに大別できる。

 

  • 血糖値の変動
  • 糖尿病の合併症に対する管理

 

 

血糖の変動①:高血糖

コントロール不良な糖尿病患者では筋での糖利用が不良となり高血糖になる場合もあるため注意が必要である。

 

 

血糖の変動②:低血糖

低血糖は運動中に生じることがあるので注意が必要である。

 

食事の量・摂取時間・服薬状況と種類を把握し患者別に、低血糖症状の出方を把握しておくとよい。

 

一般に血糖値が70mg/dl以下になると発汗・手指振戦・顔面蒼白・脱力感などの交感神経症状が出現する。

さらに50mg/dl以下になると生あくび・目のかすみ・頭痛30mg/dl以下になるとけいれん発作や昏睡に陥る。

※ただし、高齢者や神経障害が進行した患者では、無自覚性低血糖に注意する。

 

 

糖尿病の合併症に対する管理:

・多発性神経障害があれば、足部の皮膚の状態やケア、転倒に注意が必要。

・腎機能が低下すると薬剤の体内蓄積が起こり、過剰な薬理作用がみられやすくなる。

 

 

余談になるが、生活習慣病は『健康寿命』とも密接に関連しており、生活習慣病の予防は重要となってくる。

そんな『健康寿命』に関して興味がある方は(余談ではあるが)以下の記事も観覧してみてほしい。

 

大切なのは健康寿命への着目だ!

 

 

脳卒中急性期におけるリスク管理

 

脳卒中急性期におけるリスク管理としては以下が参考になる。

~参考:原寛美:脳血管障害急性期のリハビリテーション.診断と治療90(suppl):90,2002~

 

一般原則:

 

意識障害が軽度(『ジャパンコーマスケール』にて10以下)であり、入院後24時間神経症状の増悪がなく、運動禁忌の心疾患のない場合には、離床開始とする。

 

脳梗塞:

 

入院2日までにMRI/MRAを用いて、病巣と病型の診断を行う

 

アテローム血栓性脳梗塞:

MRI/MRAにて主幹動脈の閉塞ないし狭窄が確認された場合、内頚動脈系は24時間、椎骨動脈系は72時間、神経症状の変動を観察して離床を開始する。

 

ラクナ梗塞:

診断日より離床開始する。

 

心原性脳梗塞:

左房内血栓の有無、心機能を心エコーにてチェックし、左房内血栓と心不全の徴候がなければ離床開始とする。

経過中に出血性梗塞の発現に注意する。

 

 

脳出血:

 

発症から24時間はCTにて血腫の増大と水頭症の発現をチェックし、それがみられなければ離床開始する。

 

脳出血手術例:

術前でも意識障害が軽度(『ジャパンコーマスケール』にて10以下)であれば離床開始する。

手術翌日から離床開始する。

 

 

離床開始ができない場合

 

ベッド上にて拘縮予防のためのROMエクササイズと健側筋力トレーニングは最低限実施する。

 

 

血圧管理

 

離床時の収縮期血圧上限を、脳梗塞では200~220mmHg、脳出血では160mmHgと設定し、離床開始後の血圧変動に応じて個別に上限を設定する。

 

関連記事⇒『高血圧に注意せよ!血圧の基準値・測定ポイントを解説

 

多くの例では離床に伴い血圧の上昇を認めるため、収縮期血圧上限を脳梗塞で200~220mmHg、脳出血では160mmHgと設定し、離床開始後の血圧変動に応じて個別に上限を設定します。

 

一方、脳梗塞の非主幹動脈閉塞群20%が血圧低下、主幹動脈閉塞群では26%が血圧低下するため注意が必要です。

 

~『ここで差がつく“背景疾患別”理学療法Q&A 』より引用~

 

 

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