原始時代に自分の脅威となる存在と対峙した際、闘争・逃走反応のきわめて重要な原理は、資源を将来に備えるのではなく、当座の要求のために投入することだ。

 

「今すぐ動け!理由は後で!」というわけだ。

 

アドレナリンがどっと分泌されると、体の集中力が高まり、心拍数と血圧が上がり、気管支が広がってより多くの酸素を筋肉に送れるようになる。

 

アドレナリンは筋紡錘に結合するので、筋肉の静止張力が上昇し、瞬時に動ける状態になる。

 

皮膚の血管は収縮し、傷つけられても出血しにくくなる。

 

合わせてエンドルフィンが分泌され、痛みを感じにくくなる。

 

このシナリオでは、食べたり生殖したりという生物として不可欠な行為もあとまわしにされる(=消化器系は遮断される・膀胱を収縮する筋肉はグルコースを無駄遣いしないよう弛緩する。唾液も止まる。)