ウサギにワクシニアウィルスを摂取させて炎症を起こし、それに対する生体防御反応として産生された物質を抽出精製した『ワクシニアウィルス接種家兎炎症皮膚抽出液』と呼ばれる成分(商品名はノイロトロピン)がある。

 

※以下はワクシニアウィルス接種家ウサギ炎症皮膚抽出液をノイロトロピンとして記載
この成分は、動物実験で下降性疼痛抑制経路の活性化が認められており、人間にも鎮痛効果をもたらす。

 

※ただし、鎮痛薬に関しては珍しく、詳細な機序は未だに不明である。

 

ノイロトロピンの特徴は『急性痛にはさほど効果はないものの、慢性痛には比較的効果が高い』という点である。

 

そのため、『帯状疱疹後神経痛』・『複合性局所疼痛症候群(CRPS)』・『線維筋痛症』など難治性の慢性痛を呈する場合に適応されることがある。

 

上記の疼痛に適応される薬剤には副作用が強いものも多く存在するが、ノイロトロピンは副作用が少ないことも特徴の一つであり、副作用が強い薬剤を使用する前にまずはノイロトロピンを使用して効果を検証する医師もいる。

 

※線維性筋痛症に対する推奨度はB

 

※帯状疱疹後神経痛に対しては、アメリカの食品医薬局(FDA)でも効果のある薬剤の一つに推奨されている。

 

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