子供のころコッソリと友人の後ろに回り込み「膝カックン」を仕掛けて、驚かせたことはないだろうか?

 

この様な行為をされた場合、予測不能なために、刺激が固有受容器に入って脳に達して筋に膝折れ予防を命令する前にバランスを崩してしまう。

 

つまり、この様な外力に対応するためには、ある程度の『予測性』が重要である。

 

痛みに関する予測性も同様で、痛みに対するリスクを脳で十分に吟味し、「自分にとってリスキーだと思うもの」に対しては、積極的に動かず、筋緊張を高めて過剰に防御するよう戦略を立てる。

 

また、脳は情動に対して敏感で、少しでも怖いと思っていると非常に強い制限が簡単に出てしまう。

 

例えば骨折が生じると、骨を過剰に治癒しようとする。

 

あるいは出血した際も、その部位を過剰に治そうとする。

 

中枢神経の感作も同様で、一度起こってしまうと、過剰に起こってしまっているので、「感作を取って良い」と脳が思ってくれる段階までなかなかいかない。

 

これが、「患部が治癒しているのにも関わらず『まだ損傷する恐れがある』と脳が解釈し、なかなか痛みや筋緊張がとれないことにつながってしまう。

 

この様な意味において「患部のみならず脳に対する根気強いアプローチ」も重要となってくる。