この記事では、『感覚』『知覚』『認知』という用語に関して、理学療法の分野で一般的に使用されている解釈を中心に記載していく。

 

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感覚

 

感覚(sensory)とは、外の環境または身体内に起こった刺激によって生体内の受容器が興奮し、脳の関連領野に情報が伝達され、それが意識にのぼった体験のこと。

 

通常、意識にのぼった程度であり、それがどのような性質で何であるかの情報処理プロセスは含んでいない。

 

 

知覚

 

知覚(perception)とは、感覚を介して刺激の性質を把握する働きのことであり、感覚を意味づけること。

 

例えば、触覚・圧覚受容器の興奮によって脳に伝達された情報に基づき、その物体が硬いか柔らかいかといった性質を弁別する機能のこと。

 

 

認知

 

認知(cognition)とは、いくつかの感覚を統合した後、知覚されたものが「何であるか」あるいは「どこにあるか」を判断することを指す。認知するためには、感覚・知覚のみならず、記憶・言語・判断といった機能の付与および統合が必要である。

 

「豆腐に指が接触した時」を例にあげると、何か物体に接触したという意識は感覚であり、それが「柔らかい」あるいは「湿っている」という自覚的な体験は知覚である。

 

そして、脳内に蓄積されている過去の記憶や言語から、それが豆腐であり食べることができる物体であると認知できる。

 

※一方で、心理学・認知行動療法に用いられる『認知』とは、上記に示した意味とは若干異なる側面をもっている。
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