この記事では、「開業出来ない」と「開業しない」は違う と題して、理学療法士・作業療法士が開業を意識した知識・技術を習得することの意義を考えてみようと思う。

 

整体院開業のメリット・デメリット

 

理学療法士・作業療法士の中で、整体師として整体院を開業しようとしている人達が増えている。

 

あるいは、開業に興味がわいている人達も増えている。

 

一方でネット上では、開業に関するメリットばかりが強調され、あまりデメリット(というか、そんなに魅力的か?と懐疑的な意見)が少ない印象を受ける。

 

※なので以下の様な偏った記事も書いたりしてみた。

⇒『理学療法士・作業療法士の開業権は将来も無理!メリットも無し!

個人的には、開業にデメリットがあるとまでは言わないが、メリットがあるとも思わない。

 

全てにおいて良し悪しがあり、全てにおいてメリットばかりを説く人は信用できないし、デメリットばかりを説く人も信用出来ないうスタンスだ。

 

ただし、「開業」にメリットは感じていないが、「開業するのに必要な知識や技術」は持っておいて損は無いと思う。

 

 

将来は、あたなの考えが変わるかもしれない

 

「開業」に関して現時点ではメリットを感じないが、将来の医療・介護業界で働くことのデメリットが大きくなるほど、相対的に開業のメリットが浮き彫りになってくるかもしれない。

 

すると現時点では開業に興味がなくとも、将来は考えが変わってくるかもしれない。

 

従って、そうなった際のリスクヘッジとして「開業するのに必要な知識や技術」は持っておいて損は無いということになる。

 

※当然のことながら、リスクヘッジの方法は「開業」のみならず無数に存在し、それらの中で「開業」を選択する可能性如何では、これらの知識・技術はゴミにしかならない場合も当然ある。

 

※しかし、ここでは「開業」にフォーカスを当てているので、開業がリスクヘッジの一つとなり得る体で話を進めていく。

 

昨今の医療業界・介護業界は非常に不透明になってきている。

 

いや、不透明と言うよりかは、診療報酬・介護報酬が削られるのは必然な方向へ向いているため、(理学療法士・作業療法士にとっては)不透明よりもネガティブな方向に着実に向かっていると言えるのかもしれない。

 

ただし、経済学用語では「不透明な状況」を「リスクがある」と表現するが、「ネガティブであったとしても予測できる状況」というのは「リスクがない」と表現する。

 

※20階建てのビルから飛び降りることは「(経済学的には)リスクがない」と表現する。なぜなら、「(飛び降りたら必ず死ぬと)予測可能な状況」だからだ。

 

つまり、経済学的に言えば、私たち理学療法士・作業療法士の将来性は「リスクは無い」と表現することが出来る。

 

そして、リスクがない状況に対しては対策を打つことが可能となる。

 

前述した20階建てのビルから飛び降りるという例であれば、確実に死ぬと分かっているので飛び降りなければ良いだけである。

 

私たち理学療法士・作業療法士も同様であり、様々な対策を打つことが可能であり、どの様な対策を打つか、あるいはどれくらいの数の対策を程すかは人によって異なる。
そして、様々考えられる選択肢の一つに「整体師としての開業」があることは不思議ではない。

 

「整体師としての開業」に関しては理学療法士・作業療法士の将来を予測した結果として、すぐにでも開業をしたほうが良いと考える人もいるだろうし、すぐに開業というアクションを起こさない人もいるだろう。

 

そして、前者は後者を「重い腰が上がらない人」「結局は、出遅れてしまう人」と揶揄することもある。

 

確かに、一つの方向性として今後、理学療法士・作業療法士で開業をする人達がされに増えるとするならば、今以上に整体業界は飽和状態・混沌とした状態となり、いくら差別化を図ったとしても「差別化を図っている人たちだらけ」で、結局は差別化に繋がっていない状態になっている可能性は高い。

 

何が言いたいかと言うと、その様な状態にならないうちに、さっさと開業をしておくことは、飽和状態・混沌とした状態となった際にも優位性を保てる可能性があると言える(まぁ、それまでに廃業していなければの話だが)。

 

そういう意味では「出遅れてしまう人」という表現は、ある意味的を得ているのかもしれない。

 

ただし、この表現は「今すぐにでも開業をしたい」と思っているにもかかわらず、ズルズルと先延ばしにして決断できない人にこそ該当する表現と言える。

 

一方で、「今現在は全く開業する予定はないが、将来のオプションとして開業という選択肢も視野に入れておく」という人には(当然のことながら)該当しない。

 

将来のオプションとして開業という選択肢を視野に入れている理学療法士・作業療法士は、恐らく整形外科領域であったり慢性的な症状を対象とする介護分野であたりに従事している人が多いのではないだろうか?

 

※最近では脳卒中専門の整体院を開業する人々も存在はしているが

 

そして、彼らが「開業に必要な知識や技術」を持っておくという事は、開業する事態に陥った時に初めて役立つ「掛け捨てな保険」ではなく、今働いていうる職場でも十分役立つ内容が多いと言える。

 

 

開業に必要な知識・技術は、職場でも活かせる

 

私たちに馴染みのある自動車保険や(一部の)生命保険などの「一般的な保険」は掛け捨て(期間内に病気や事故が起こらなければ、何のメリットもない)も存在する。

 

では、「整体院の開業に必要な知識や技術」は、開業する事態に陥った際でなければ機能しないのだろうか?

 

答えはNoである。

 

将来のオプションとして開業という選択肢を視野に入れている理学療法士・作業療法士は、恐らく整形外科領域であったり慢性的な症状にを対象とする介護分野であたりに従事している人が多い可能性があることを前述した。

 

そして、彼らが開業に必要な要素、特に「技術的な要素」を学ぶことは臨床にも直結することが多い。

 

開業をしている柔道整復師・あん摩マッサージ師・整体師などは、筋骨格系の問題を有している人(あるいは不定愁訴を有している人)を対象にしている人が多く、それらに対するアプローチには参考になる点も多い。

 

また、開業に必要な技術には、理学療法士の学ぶものに比べて即自的効果を優先させたものが多く、即自的な効果を引き出すことはクライアントの信頼を得るためにも重要と言える。

 

※まぁ、即自的効果至上主義で、単なるパフォーマンス・手品レベルなものもあるが
そして、それらを学んで必要に応じて臨床に取り入れることはポジティブな結果に繋がることも多い。

 

毛嫌いせずに、柔軟に開業をしている人達の技術も習得していくことは、「将来の保険」という意味だけでなく、自身の臨床にも活かせる一石二鳥な場合が多いのではないだろうか?

 

 

開業に必要な「知識」も活かせる

 

開業に必要な「技術」ほどではないかもしれないが、「知識」も職場で活かせる可能性はある。

 

例えば、開業においてマーケティング能力は重要となってくる。

 

極端な話、いくら技術があっても、マーケティングによる集客能力が乏しければ、廃業してしまったり、十分な収益を上げることは出来ない。

 

そして、これら集客に必要なノウハウは、ある程度自分たちでも集客を行わなければならない訪問リハビリや通所サービス(デイケア・デイサービス)でも活かされる。

 

ホームページ・チラシにおける表現方法、いかに自分たちが実施している内容を正当にアピールするかと言った様々なノウハウは、これらの分野で活かすことが可能と言える。

 

 

「開業出来ない」と「開業しない」は違う

 

ここまで、理学療法士・作業療法士の将来は「予測できる」という意味で「リクスは無い」と表現してきた。

 

将来のために準備しておいても良い対策の一つとして、(人によっては)「開業に対する知識や技術の習得」もアリなのではないかと表現してきた。

 

開業に対する知識や技術は、将来に開業するかどうかに関わらず学んでおいて損は無いものが多い。

 

「将来も自分は開業をする気はないから」と決めつけずに、開業の知識・技術にも興味を示してみるのも一考かも知れない。

 

「開業出来ない」と「開業しない」は、意味合いが大きく違うのだ。