今回は、マッケンジー法を学んでいる人へ、マッケンジー法に関するQ&Aをシェアしようと思う。

 

マッケンジー法独自な言い回し(専門用語)も出てくるし、マッケンジー法を学んでいない人には何ら参考にならない記事なので、そういう人はスルーしてほしい。

 

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Q&A① 頸椎急性斜頸のマッケンジー法

 

Q:

腰椎ディレンジメントにおける急性側弯では反対側シフトが多いとのことだが、頚椎の急性斜頸も反対側シフトが多いということで良いのか?

 

また、頚椎反対側シフトの場合は椎間板理論から考えて痛みのある側へ側屈することが第一選択となる場合が多いのか?(実際は決めつけずに評価してみなければ分からないとしても教科書的にはどうなのか?)

 

 

A:

頸椎の急性斜頸も反対側斜頸が多い。

トライするファーストチョイスの方向は、痛みのある側となる。

 

 

Q&A② 頸部痛の関連因子

 

Q:

「頸部痛と関連があるとされる因子」として「女性」「50歳までの加齢」というキーワードが出てくるが、これらが関連する因子である理由として仮説された意見としてはどんなものがあるのか?

 

女性に関しては、頭部を支持する筋力的な問題であったり、関節包・靭帯といった非収縮組織がホルモン的なもので男性より緩いといった説なのか?

 

50歳までの加齢に関しては、50歳までは椎間板内の水分が豊富で椎間板の問題が起こりやすいが、50歳を過ぎたくらいからは退行変性によって椎間板の水分も少なくなっていて、椎間板以外の組織の問題な比率のほうが高まるからといった説で良いか?

 

 

A:
50歳までの加齢という事実の理由を理論的に説明する仮説は、その通り。

加齢とともに椎間板内の水分含有率が低下するのが影響していると考えられる。

女性という事実の理由はよくわかっていない。

遺伝子の問題なのか、ホルモンバランスの問題なのか、その他の問題なのかよくわっていない。

 

 

Q&A③ マッケンジー法の頸椎反復運動テスト

 

Q:

頚椎反復運動テストにおける「背臥位での反復運動テストで良い反応が得られた運動方向があっても、抗重力位になって効果が無ければ良い反応とはみなさない(DPとはみなさない)」との解釈に関して、

例えば座位での頸部痛がベースラインであるとして、背臥位でのRETでdecrease-betterという反応が出たとしてそれを評価用紙に記載した場合、一見すると背臥位での「RETという運動方向」はDP(つまりは青信号)と読み手は解釈すると思われる。

 

しかし、その後再び座位でベースラインな頸部痛に変化が無かったとなると、「背臥位でのRETだけみると青信号のようではあるが実は黄色信号?である」ということを読み手に伝えるために、メカニカルな反応の欄に「座位に戻ると変化なし」という記載をするという事なのか?

 

そして、この「メカニカルな反応の欄に記載が有るか無いか」で背臥位RETでのdecrease-betterという反応が青信号なのか黄色信号なのかを読み手が判断すると解釈して良いのか?

 

また、確かにベースラインである痛みに変化が無ければ意味が無いという解釈は良く分かるのだが、背臥位でのRETで一定の好反応が出るのであれば、それはDPとして捉えてあとはその情報を参考にforce progressionなりforce alternativeなりに進んでいけば良いと思うのだが、どうなのか?

 

腰椎のELTでは、腹臥位でのエクササイズでありながら、「良い反応が得られても立位に戻った際に痛みが出ていたら良い反応とはみなさない」といった説明は無かったように記憶しているが、腰椎の場合も同様な解釈が当てはまるのか?

 

 

A:

非荷重下でのエクササイズの効果は、あくまでも最終的には荷重下で判定する。
それは腰椎でも頸椎でも同じ。

非荷重下の状態では、痛みが改善していても、荷重下に戻ると元に戻ってしまうのであれば、それは、「not better」と表記する。

Not betterであれば、force progression、force alternatives、そのまま続けるのいずれかを選択する。

Not betterは、全く効果がないという意味よりも、良さそうだがもう一息という感じの解釈。

 

 

Q&A④ 反復運動テストの記載方法

 

Q:

反復運動テストのA-B(abolish-better)の記載方法について。

 

①運動前の症状が、運動中消失するも、運動後は範囲が狭くなった状態ではあっても残存している状態

②運動前の症状が、運動中消失して、 運動後も消失した状態が持続している状態

 

①②のどちらもA-Bだと思われるが、記載方法として前者を表現する場合は、運動後の欄にbetterだけでなく(大腿の痛みは消えたが)「臀部には痛み残存」といった文言を付け加えることで表現すれば良いのか?

 

 

A:

①は、decrease-betterと表記する必要がある。

運動前よりもよくなってはいるものの全く消失したわけではないので。

確かに運動中は消失したのかもしれないが、abolish-betterと書くわけにはいかない。

また、abolish-not betterとも書けない。

Abolish-betterと書いて文言を付け加えるという案よりも、decrease-betterのほうが表記的にシンプルだし、運動後の症状は軽減しているがまだ残ってはいるというのを表現できれば良い。

また、①の場合、放散していた痛みが、運動中は消失するも、運動後には腰部に限局した状態として残存している状態というのは、ablish-centralisedつまり一言でcentralisedという記載でOK。

 

 

Q&A⑤ マッケンジーにおけるリスク管理法の臨床応用

 

Q:

マッケンジー法のメカニカル負荷に対する反応の解釈を、マッケンジー法を用いた臨床場面でも応用できないかと考えている。

例えば高齢者で廃用症候群を有している等に少しでも筋力をつけてもらいADL向上に繋げようといった場合など。

 

その様な際は筋力トレーニングをする訳だが、例えば背臥位で両膝を立てた状態からのお尻上げ(ブリッジ)をしようとした場合、腰の痛みを訴える患者もいる。

そういった場合に今までであれば「痛いなら別の方法で筋トレをしよう」や「この位の痛がり方なら多分大丈夫だろうから我慢してもらおう」といった具合に感覚的な判断をしていた。

 

しかし、そういった場合でもproduce-nwやincrease-better(お尻上げ1回目は痛みが出現したり増悪したりするが、
反復で10回続けているとその痛みは消失したり元に戻ったりする)であったりのマッケンジーの「メカニカルな刺激に対する反応の解釈」を当てはめながら痛み以外に対するアプローチの際の安全性の基準としても参考になると思うのだが、
この様な解釈でリスク管理にマッケンジーコンセプトを用いることは可能か?

 

 

A:

その解釈でOK。

 

 

Q&A⑥ 持続的な痛み・間欠的な痛みの解釈

 

Q:

評価用紙の問診欄の「症状が持続的か間欠的か」について、「1日中痛みが出ていれば持続的であり、1日の中で痛い時間帯もあれば痛くない時間帯もあるのは間欠的である」とのこどだが、、「一日中痛い日もあれば、痛い時間帯もあれば痛くない時間帯もあるといった日もある」と表現された場合は、どちらに該当するのか。

 

 

A:

「間欠的な痛み」に該当する。

 

 

Q&A⑦ 腰部Derangementに対する回旋アプローチ

 

Q:

ある文献に、患者が良くなった運動方向として屈曲・伸展の他に「回旋」が載っていた(また、その文献における回旋がDerangementの中では一番反応が良い運動方向であったとのことであった)。

 

一方で、現在のマッケンジー協会は、まずは矢状面からアプローチして、側方負荷が必要と判断された場合であってもどちらかというと「側屈」や「側屈を組み合わせた運動」を推奨していると感じる(頸椎の場合は回旋と側屈は組み合わせ運動という事もあって、前額面上のアプローチとしては回旋と側屈は同程度に重要視されているが)。

 

また、評価用紙の反復運動テストの項目にもサイドグライドのテストしか載っていない(治療テクニックとして腰椎伸展位での回旋モビライゼーション・側方要素を加味した屈曲原則としての腰椎回旋位モビライゼーションなどは掲載されているが)。

 

そこで質問なのだが、実際の臨床で腰椎回旋に対して着目したり、評価の結果DPが回旋であることは多いのか?

 

それとも、昔は回旋DPが多いと言われていたが、エンドレンジまでしっかり攻めて評価してみた結果、現在は矢状面の運動(特に伸展)がDPの場合が多く、回旋DPというものはあまり存在しないという結論に達したという歴史的なものがあったりするのか?

 

 

A:

マッケンジー法では、評価で使用される手技と治療で使用される手技は同じである。

評価表には掲載されていない手技でも必要であれば、評価(検査)で使用する。

そもそも側方負荷は、矢状面での負荷を見極めてから採用されるのが、例外(腰椎であれば、側方負荷が必要な側方シフト)を除いては原則であるが、腰椎の回旋手技を試すこともあり得る。

もちろん、矢状面でしっかりend rangeまで攻めきることで側方負荷を試す必要性がないというケースもある。

 

いずれにしても回旋がDPはあり得る結果であり、ひとりひとりのDPの有無とその方向を整形外科的診断名はどうであれ丁寧に診てゆくのが我々として要求される。

 

今回、脊柱管狭窄症という診断名では同じでありながら、derangementとotherに分けられた、derangementでも様々なDPのタイプがあったというのは極めて貴重な研究成果だったと思われる。

 

 

Q&A⑧ 膝関節のマッケンジー法

 

Q:

膝のderangementに対するエクササイズとしても同様に「矢状面だけでは反応がいまいち」という方に対して、肘と同様に側方への負荷を加えながらの矢状面上のエクササイズを行うという方法もマッケンジー法で採用されているのか?(もちろん、力学的負荷を加えての評価方法の総称がマッケンジー法であるという考えから、この方法も間違ってはいないとは思うが、実際に肘と同様に正式な方法・あるいは良く使用されている方法であったりするのか?)。

 

A:

ある。

側方負荷を加えて伸展や屈曲を行うやり方では、他につま先を外に向けて、あるいはつま先を内に向けて伸展や屈曲を行うというやり方もある。

マッケンジー法は考え方であり、必要であれば様々な工夫を凝らした手技を創作してかまわない。

 

 

おわりに

 

この内容は、コース受講中に疑問に思ったことを質問した内容である。

 

コースを受講したのは昔なので、必ずしも現在における解釈は異なるかもしれないので、正確な解釈は必ず協会に確認してほしい。

 

マッケンジー法を今後も学んでいくにあたって、少しでも貢献できれば幸いである。

 

以下にマッケンジー法の概要をまとめているので、そちらも参考にしていただき理解を深めて頂ければと思う。

 

マッケンジー法とは?認定セラピストの理学療法士がザックリと解説!