この記事では、閉塞性換気障害と拘束性換気障害について記載していく。

 

換気とは?

 

肺の機能の主なものは、呼吸によってガス交換(酸素を取り入れ炭酸ガスを排出する)を行うことである。

 

このガス交換は「換気」「拡散」「肺循環」の3つからなり肺内への気体の吸入と呼出を換気という。

 

 

換気障害とは

 

換気障害は、以下の2つに分類される。

 

・閉塞性換気障害

・拘束性換気障害

 

 

換気障害によって肺胞に入る空気が不足するために(肺胞低換気)し、ガス交換が障害される。

 

その結果、動脈血酸素分圧(PaO2)は低下し、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は増加する。

 

以下は、拘束性換気障害・閉塞性換気障害(+混合性換気障害)を%肺活量と1秒率から示した図になる。

 

 

上記の図は、換気障害はを「正常」「閉塞性」「拘束性」「混合性」を分かり易く示している。

「混合性」の例としては「進行した肺気腫」「慢性気管支炎」などが該当する。

 

 

閉塞性換気障害

 

閉塞性換気障害とは、気道特に肺内部の気管支に狭窄~閉塞が生じ、換気(特に呼気)が困難になった病態指す。

 

閉塞性換気障害をきたす代表的な疾患としては以下などがある。

 

・気管支喘息

・慢性気管支炎

・肺気腫

 

 

ただし、一概に『閉塞性換気障害』といっても気道閉塞の機序が異なり、例えば以下な感じ。

 

気管支喘息:

気管支平滑筋の収縮により気道閉塞が起こる。

喘息症状の主体となる閉塞は太い気管支で起こる(気管支平滑筋は比較的太い気管支に
発達するため)。

 

慢性気管支炎の閉塞:

粘液分泌過多によって起こる。

末梢の細気管支レベルで閉塞することが多い(分泌腺や杯細胞は比較的太い気管支に存在するため、これより末梢の細気管支レベルで閉塞することが多い)。

 

肺気腫における閉塞:

肺胞構造の破壊によって起こる。

正常な肺胞はシャボン玉のように表面張力により縮まろうとしており、これが隣接する呼吸細気管支の内腔を広げる力となっている。

しかし、肺胞が破壊される(=肺気腫)と表面張力が効かなくなり、呼吸細気管支が圧閉されてしまうことで起こる

 

 

閉塞性換気障害の特徴

 

閉塞性換気障害に共通している特徴は以下になる。

 

・呼吸機能検査において、1秒率が低下(70%以下)し、%肺活量が正常(80%以上)であるものを指す。

 

・息を吸うことはできるが、吐き出しにくい状態。

 

ちなみに、気管支喘息は『閉塞性換気障害』ではあるが『慢性閉塞性肺疾患(COPD)』ではない。

 

気管支喘息もCOPDも閉塞性換気障害なため、『COPDの中に気管支喘息も含まれる』と誤解されやすいのだが、以下の点で異なる。

 

  気管支喘息 COPD
発症年齢・病歴の特徴 ・すべての年齢
・一部喘息の家族歴・アトピー歴
・中年以降
・長い喫煙か受動喫煙歴
呼吸症状の特徴 ・夜間、早朝の呼吸困難
・安静にしていても症状が出現する。
・慢性の咳
・労作時呼吸困難(安静にしていたら症状が出にくい)
・これらの症状は緩徐に進行する(進行性)
身体所見 ・発作時の喘鳴を聴取 ・筋肉萎縮、樽状胸郭、口すぼめ呼吸、肺肝境界低位、呼吸時間の延長
気流制限の可逆性 ・B刺激吸入剤、ステロイド吸入剤、内服で顕著な改善 ・気管支拡張剤で非可逆的あるいはごく軽度改善

 

閉塞性換気障害は治療(リハビリ)によって進行予防・改善の可能性がある疾患でもある。

 

 

拘束性換気障害

 

拘束性換気障害とは、肺実質、胸膜、胸壁などの疾患(肺線維症や胸部拡張不全、肺炎など)により肺の拡張が障害された状態を指す。

 

拘束性換気障害は以下も特徴と言える。

 

・%肺活量(肺活量の標準肺活量に対する比率)が80%未満のものをさす。

 

 

 

肺活量(VC)とは:

最大吸気後にゆっくりと最大呼気させたときの空気の量(思いっきり吸いこんでゆっくり全てを吐き出したときの量)を示す。

標準肺活量は、性別、年齢、身長によって算出される。

 

努力性肺活量(FVC)とは:

最大の努力で早く呼気したとき(思いっきり吸い込んで一気にどれだけ吐き出せるか)の空気(FVC)の量。

健常人は VC = FVC であるが、閉塞性換気障害があると VC > FVC となる。

 

 

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