この記事ではFIM(機能的自立度評価表)の排泄コントール(2項目l)に関する採点基準を解説していく。

 

FIMにおける排泄コントロール(sphincter control)の項目について

 

FIMにおける排泄コントロール2項目は以下の通り。

・排尿管理

・排便管理

 

※排泄コントロール2項目は、FIMにおける「運動13項目」に含まれる。

 

※でもって、「認知5項目」と合わせてFIM点数を算出する。
ではでは、順に記載していく。

 

 

排尿管理(bladder management)の採点基準

 

FIMにおける排尿管理の評価範囲

 

排尿の項目では、排尿をしてもよい状況で、タイミングよく括約筋を緩めるというところを採点する。

 

つまり、排尿管理で評価するのは「括約筋を緩めることができるか」のみである。

 

排尿の前後における「衣服の上げ下げ」・「排尿後会陰部を清潔にする」などは「トイレ動作」の項目で採点する事項となる。

 

※トイレ動作に関しては以下を参照

⇒『FIM(食事/整容/清拭/更衣上半身・下半身/トイレ動作)の採点基準

 

 

FIMにおける排尿管理の採点基準

 

評価は「失敗する頻度」と「介助量」の両方を採点し、低い方の点数をつける。

 

①失敗の頻度による採点:

「失敗の頻度」は「失禁の頻度」と誤解されやすいがそうではない。

 

※失禁とは、尿が意図せずに出てしまう事をさす。

※ここで評価すべき「失敗」とは、衣服やベッドを汚してしまい介助者に負担がかかる場合を指す(自身で処理できているなら失敗と呼ばない)。

 

例えば「リハビリパンツの中に排尿してしまった(失禁)」としても、「汚れたリハビリパンツの処理を自身で実施出来ている場合には『(失禁はしたけれど)失敗はしていない』と判断する。

 

上記を踏まえた上で、「失敗の頻度」の採点基準は以下となる。

 

7・6点⇒失敗がない

5点⇒失敗が1ヶ月に1回未満

4点⇒失敗が週に1回未満

3点⇒失敗が1日に1回未満 3点

2点⇒毎日失敗する

 

②介助量による採点:

介助による採点が必要なケースは「基本的には自尿で排泄するが、定期的に介助者の導尿が必要」といった『自尿と介助された排尿が混じっている場合』となる。

※誤解しやすいが、ズボンの上げ下げや陰部を拭く際の介助を採点している訳ではない(前述したとおり、これらはトイレ動作の項目で採点する)

 

上記を踏まえた上で、「介助量」の採点基準は以下となる。

 

7点⇒介助なし   ※6点は存在しない

5点⇒介助が週1回以下

4点⇒介助が週2~6回 (つまり、介助が1日1回未満)

※ただし、後述する様に毎日介助が必要でも4点なケースがある。

 

 

毎日介助が必要な場合は、1日の尿失敗の回数に対して「自身で処理する頻度」と「介助を行う頻度」の割合で採点する。

具体的には以下の通り。

 

4点⇒自分でする頻度が、介助されるより多い

3点⇒自分でする頻度と介助される頻度が同じぐらい

2点⇒介助する頻度のほうが多い

1点⇒毎回介助が必要な場合は1点

 

 

繰り返しになるが、上記の「失敗の頻度」「介助量」を評価し、点数の低い方を採用する

 

7点に関して:

⇒失敗なく、準備も含め自力でタイミングよく排尿することができる

 

6点に関して:

⇒時間がかかる。

⇒投薬している(尿失禁を抑える薬、排尿力を強める薬の使用など)

⇒補助具を使用している

※補助具としては集尿器などが該当(ただし、自分で処理できていなければ「後片付けが必要」なので5点となる。

 

5点に関して:

⇒監視、準備が必要

※集尿器の準備や後片付けが必要な場合などが該当

 

1~4点に関して:

⇒介助が必要

 

 

排尿管理の採点例

 

オムツ使用の場合(尿パッドなども同様)は以下のように採点する

 

オムツ内に排尿し、失敗はなく、自力でオムツを交換している ⇒6点(オムツを補助具として考える)

 

※前述した採点基準に6点は存在しなかったが、オムツを補助具として考えた場合は(7点ではなく)6点になるとの意見もあるということ。

 

2~3日に1回失敗し、介助者がオムツを交換などが必要となる → 3点(1日1回未満の失敗)

 

オムツ内に排尿し、オムツを交換するよう介助者に頼む → 2点

 

おむつを替えてもらうことを頼めない → 1点

 

病院や施設では、尿意が無い患者に対して「定期的なトイレ誘導」をする場合がある。

 

この場合は、「排尿管理を介助者に依存してしまっている状態」なため、仮に「定期的なトイレ誘導によって失敗無く排泄が出来た」としても1点となる。

 

※これは「尿意が無い人」の定期的なトイレ誘導の話。

 

※(尿意はあるが)自らトイレへ行く能力のない人に対するトイレ誘導は異なる。さらに言えば、トイレへ行く能力が有るか無いかは「移動」の項目における評価となる。

 

 

排便管理(bowel management)の採点基準

 

FIMにおける排便管理の評価範囲

 

排便の項目では、排便をしてもよい状況で、タイミングよく括約筋を緩めるというところを採点する。

 

つまり、排便管理で評価するのは「括約筋を緩めることができるか」のみである。

 

排便の前後における「衣服の上げ下げ」・「排便後に肛門周囲を清潔にする」などは「トイレ動作」の項目で採点する事項となる。

 

※トイレ動作に関しては以下を参照

⇒『FIM(食事/整容/清拭/更衣上半身・下半身/トイレ動作)の採点基準

 

 

FIMにおける排便管理の採点基準

 

評価は「失敗する頻度」と「介助量」の両方を採点し、低い方の点数をつける。

 

①失敗の頻度による採点:

「失敗の頻度」は「失禁の頻度」と誤解されやすいがそうではない。

 

※失禁とは、便が意図せずに出てしまう事をさす。

 

※ここで評価すべき「失敗」とは、衣服やベッドを汚してしまい介助者に負担がかかる場合を指す(自身で処理できているなら失敗と呼ばない)。

 

例えば「リハビリパンツの中に排便してしまった(失禁)」としても、「汚れたリハビリパンツの処理を自身で実施出来ている場合には『(失禁はしたけれど)失敗はしていない』と判断する。

 

上記を踏まえた上で、「失敗の頻度」の採点基準は以下となる。

 

7・6点⇒失敗がない

5点⇒失敗が1ヶ月に1回未満

4点⇒失敗が週に1回未満

3点⇒失敗が1日に1回未満 3点

2点⇒毎日失敗する

 

排便が無い場合は、72時間を目安に排便があった日の中で平均的な状況で考える。

 

72時間以内に排便が無い場合は未評価扱いとし、後述する「排便時の介助量」で評価する。

 

②介助量による採点:

介助量による採点では、『排尿管理』と異なり、「座薬を使用しているケース」と「摘便をしているケース」によって採点基準がある。

 

座薬を使用している場合:

7点⇒座薬使用頻度が月2回以下(座薬挿入の介助は不要)

6点⇒座薬使用頻度が週1回程度(座薬挿入の介助は不要)

※本来、座薬を使用している時点で(介助は不要であっても)「薬物を使用している」ので6点のはずだが、使用頻度が月2回以下なら特別ルールが適応されて7点(自立)と採点される。

 

5点⇒座薬使用頻度が月2回以下(座薬挿入の介助が必要)

4点⇒座薬挿入頻度が隔日または毎日(座薬挿入の介助が必要)

 

※座薬を挿入するだけの介助なら3点以下には下がらない。

※次に記載する「摘便の必要性があるケース」では3点以下になることもある。

 

 

摘便・腹圧介助の場合:

※摘便・腹圧介助が必要な場合は、「自力排便の頻度」と「介助で行う頻度」の割合で採点する。

4点⇒自力で排便できる頻度の方が多い
3点⇒自力・介助の頻度が同じくらい
2点⇒介助する方が多い
1点⇒毎回、介助が必要

 

繰り返しになるが、上記の「失敗の頻度」「介助量」を評価し、点数の低い方を採用する

 

例えば、「摘便によって介助が必要な頻度が3日に1度(失敗の頻度)」であっても、「排便時に毎回摘便が必(介助量)」なのであれば「排便に関する課題を全く行っていない」と判断し1点 となる。

 

 

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この記事と合わせて観覧すると理解が深まると思う。

 

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