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マッケンジー法(体操)を認定セラピストの理学療法士が解説!

 

このページではマッケンジー法(体操)の概要・特徴・効果・誤解などを大まかに解説しています。

特に、マッケンジー法に関する(ネガティブな)誤解はいたる所で散見されるため、このページで正しいマッケンジー法の概要を理解していただければ幸いです。

 

マッケンジー法(The McKenzie Method of Mechanical Diagnosis and Therapy)

このカテゴリーでは2011年~2012年にかけてブログに掲載していた内容を、そのままHPへ移動させるといった方法で作成しています。なので、他のカテゴリーと若干異なる表現方法になっているかもしれませんがご了承ください。

2012年に国際マッケンジー協会認定セラピスト(Credentialed MDT)試験に合格しているので、正確な情報を記載できているとは思いますが、マッケンジー法を学ばれている方で修正が必要な箇所を発見された方がいれば、是非ご連絡ください。

 

 

~ロビンマッケンジーの経歴~

1931年:ニュージーランド・オークランド生まれ
1953年:ワイララパ大学とニュージーランド理学療法大学を卒業後、1953年にウェリントンで脊椎を専門にした理学療法クリニックを開業。
1960年代:マッケンジー法を開発
1982年:マッケンジー協会が理学療法士と医師により設立。
「理学療法と健康福祉への優れた貢献」として米国理学療法士協会の終身名誉会員
1983年:国際脊椎学会会員
1984年:米国腰椎学会研究会員
1987年:ニュージーランド徒手療法協会終身名誉会員
1990年:イギリス理学療法士協会名誉評議員
2000年:ニュージーランド功労賞を受賞
2004年:理学療法士向けの専門誌『アドバンス』で、米国理学療法士協会所属の理学療法士320名に行われた「整形外科理学療法で最も影響を受けた理学療法士や医師は誰ですか?」という問いで最も多かった答えは「ロビン・マッケンジー」であった。

自分で治せる! 腰痛改善マニュアルより引用)

 

 

HOME学派分類理学療法<マッケンジー法

 

マッケンジー法の特徴

 

セルフエクササイズや教育中心の治療法であることが特徴で、 これは下記の2つが主な理由です。

  • セラピストへの依存を助長せず、主体性を引き出すため
  • 再発した際も痛みを自己管理できるようにするため

 

実際にセラピストの徒手療法だけの治療より、対象者も積極的に治療へ関わったほうが成績が良いという研究報告が多くあります。

もちろんマッケンジー法においても徒手的介入は実施しますが、それは『クライアント一人では取りきれない痛みがある場合に、痛みを自己管理するためのアシストとして用いる』という位置づけです。

 

 

そして、マッケンジー法では適切なエクササイズ指導や教育をするために、クライアントを下記の4つのSyndromeに分類します。

 

この分類に用いる主な評価が『問診』と『力学的負荷テスト』です。

 

 

これらに 正しく分類するということが重要で、その分類ができれば自ずと治療方針は決まるため、評価のために非常に多くの時間を割きます。

 

 

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マッケンジー法についての誤解

日本においてマッケンジー法は誤った情報で伝えられていることが多々あります。そのため、下記に誤解されやすい項目を記載することで誤解を解いていこうと思います。

 

  • 誤解その①『マッケンジー法は伸展運動を用いたアプローチである』

    マッケンジーさんがマッケンジー法を発展させていく出発点になったのは、腰椎伸展位が腰痛に最も悪い肢位だと言われた時代に、
    『治療を3週間つづけても一向に良くならなかった腰痛患者さんを腰椎伸展位なままベッドに放置してしまった結果、腰痛が劇的に改善してしまった』
    という有名なエピソードからです。

     

    つまり、腰痛に対する腰椎伸展位であったり、腰椎伸展運動であったりの有用性を実感したことがこのコンセプトの始まりであったため、その当初は伸展エクササイズ=マッケンジー法であったのかもしれません(実際のところ分かりませんが)。

     

    しかし、現在のマッケンジー法では、伸展のみではなく様々な方向に力学的負荷を加えて、その中で反応が良い負荷をエクササイズとして採用するという方針をとっています。

    ※確かに、ディレンジメントシンドロームにおいては(評価をしてみると)後方ディレンジメントな人の割合が多く伸展エクササイズを採用するケースが多いと説いているのは事実ですが、エクササイズはあくまで評価によって決定します。

     

    つまり、例えば屈曲の力学的負荷により好反応を示すのであれば屈曲エクササイズを採用するというわけです。
    なので、日本でたまに言われている様な『ウィリアムスの腰痛体操が腰椎屈曲運動によるアプローチで、マッケンジー体操が腰椎伸展運動によるアプローチである』といった分類のしかたは誤りであるといえます。

     

    このような誤解は世界でも起こっているらしく、以下のように誤った解釈でマッケンジー法を否定している文献も存在しているようです。

    1. 腰痛患者を伸展運動をしてもらう群と屈曲運動をしてもらう群にランダムに分けて、どちらの運動をした群が良くなったかを調べた結果、伸展運動は屈曲運動と大差が無かったことから、マッケンジー法は効果が無いと結論づけてある文献
    2. 腰痛患者に伸展エクササイズを行わせて悪化したためマッケンジーが主張は誤りであると結論付けられた文献

     

    ですが、これらは上記からも分かるように、マッケンジー法=伸展エクササイズという誤った解釈での研究であるといえます。また、「2」は伸展運動が適切かどうかの評価をせずに、腰痛患者をひとくくりに伸展エクササイズをした結果であり、これらの患者の中には本来であれば屈曲運動であったり、側方グライドを用いた運動であったりが適切だった可能性もあります。




  • 誤解その② マッケンジー法は腰部に対するアプローチである

    「誤解その①」で記載したように腰痛への治療からマッケンジー法は出発したわけですが、現在は腰部に対するコンセプトを応用して頚椎・胸椎・四肢に対してのコンセプトも存在します。

    脊柱の場合は、どれも腰椎と同様にディレンジメント・ディスファンクション・ポスチャル・アザーの4つに分類していきますが、四肢の場合はディスファンクションを更にArticular dysfunction とContractile dysfunctionに分類していきます。

    ・・・以上。

    短いコメントですみません・・・・。




  • 誤解その③ マッケンジー法は椎間板の機能異常に対するアプローチである

    カパンジー機能解剖学 』という本には、脊椎の動きにより髄核が反対に動くということ(例えば、伸展で髄核は前方へ動き、屈曲で後方へ動くなど)が、絵も交えながら分かりやすく書かれています。
    このような髄核の動きを『椎間板理論』と呼ぶことがあり、実験でもこの様な髄核の動きが確認されたようです。

    この理論からいくと、長時間椅子に座っての活動が多い人の中には安楽ということで腰部を後彎させたいわゆる不良姿勢を呈する人も多く、その様な人たちは髄核が長時間後方へ圧迫されるということになるのかもしれません。そして、その様な習慣が続くことで髄核によって椎間板後方線維輪や他の組織へ加わるストレスから疼痛が起こる可能性もあります。

    そして、腰椎の伸展運動によって腰痛が改善する理由も上記の様な椎間板理論で説明すると理解しやすい一面があるため、一般書籍には『椎間板(内の髄核)』の変位を矯正するといったニュアンスで説明されているものもあります。
    ※不良姿勢(腰部の後彎)で髄核が後方へ移動するならば、腰椎伸展(腰部の前彎)で髄核は前方向へ移動する(矯正される)という発想

    そうなってくると『椎間板理論に基づいたアプローチ』ということで『椎間板の機能異常に対するアプローチ』とも言えます。

     

    ですが一方で、その後に椎間板理論が全ての人に当てはまる訳ではないということも証明されています。

    確かに、例えば髄核が後方突出している状態での伸展を考えてみると、後方へ変位している髄核がさらに後方へ追いやられてしまうという可能性は想像に難くないと思います(この辺りは『脊柱の組み合わせ運動がバイオメカニカルなモデルで考えたら○○ということになる』とは言われているものの実際には無からずしも当てはまらず、文献によって意見が一致しないのと同じということになります)。
    そして、その場合は痛みなどの症状がさらに悪化するかもしれません。

     
    また、『椎間板理論は全ての人に当てはまらない』という理由から、腰椎の伸展で腰痛が改善される理由を椎間板云々ではなく筋・筋膜を短縮位にすることによるストレイン・カウンターストレイン様な効果によるものだという意見や、ゲートコントロールが作動することによる効果だという意見や、単純に線維輪後方に生じた傷口を塞ぐ方向への動きだからといった意見など様々あります。

     

    ではマッケンジー法ではエクササイズによる改善の起序をどう考えているかというと、『筋骨格系の問題(特に脊柱原性の問題)においては原因組織を特定するのは多くの場合困難である』との考えから、『原因組織を特定する診断方法ではなく痛みのパターンによって診断を下し、そのパターンを基に治療方法を決定する』という考えを持っています。

    つまり、エクササイズは椎間板であったり、椎間関節であったり、筋・筋膜であったりといった特定の特定の組織にアプローチをしているわけではなく、

    『患者から返ってきた反応』を観察して、良い反応が起こった力学的負荷を採用しているだけだという事になります。

    これらの事を要約すると(何度か重複する文章を繰り返すことになりますが)・・・・・・・

     

    マッケンジー法においては『構造的腰痛において椎間板(特に髄核)の変異が多くの場合疼痛を起こす主な原因となっている』と考えているため便宜上椎間板理論もイメージしながら反応が良さそうな運動を指示していきますが、あくまでも反応重視であり、その理論を当てはめるようなことはしません。つまり『良い反応があればそれを治療に用い、どの組織に問題があったのかなどまで考えない。Centralisationが起こったとしても椎間板に問題があったとは断言しない(Centralisationが起こる際は椎間板に問題があるケースが多いという文献はあるとのことだが)』というスタンスをとっています。

     

     

    また、マッケンジー法に対する批判の中で言われている以下のような主張は誤解ということになります。

    1. 伸展運動で髄核が前方へ移動すると強調しているが、実際は必ずしも髄核が前方に移動する訳ではない事が証明されたから誤りだ
    2. マッケンジーは伸展運動による改善が髄核の変位矯正によるものだと言っているが本当は○○の組織に功反応を与えていることが改善の理由だと思われるため誤りだ

    ※「1」に関しては、髄核を動かすことを目的にアプローチしているわけではない(改善された理由は髄核によるものかもしれないが、そうでないかもしれないというスタンス)
    ※「2」に関しては、そもそも椎間板(内の髄核)やその他の特定の組織にアプローチしているわけではなく単純に反応を重要視しているだけ

     

     

最後に、今まで説明してきた『マッケンジー法は椎間板の機能異常に対するアプローチである』というのはマッケンジー法の分類におけるDerangement syndromeについての誤解ですが、実際にはこれ以外にもシンドロームが存在しており、これらもクライアントからの反応で分類・アプローチしていくことになります。

⇒詳しくは『ポスチャル・ディスファンクション・ディレンジメントシンドローム

 

 

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覚えておくと活用できるマッケンジー用語集

マッケンジー法には、独自の専門用語が用いられることがあり、マッケンジー法を用いない人には馴染みがないものもあります。

 

独自の言い回しをする学派に対しては、「理学療法士としての共通言語を用いていないため、知識を共有できない」などといった他学派からの批判もありますが、

 

一方で、共通言語が存在せず、だからといって専門用語を独自に作っていないと、話が冗長になってしまうといった側面もあります。

 

こここでは、マッケンジー法を知らなくても使えそうな専門用語を以下に紹介していこうと思います。

 

DP

 

ERP・PDM

 

パラドックスムーブメント

 

フォースオルタナティブ・フォースプログレッション

 

トラフィックライトガイド

 

 

 

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マッケンジー法の関連記事

マッケンジー法の関連記事をリンク先のブログにて記載しています。

 

以下は、マッケンジー法について「症状・疾患」と絡めながら従来の理学療法に取り入れるといった形で多少言及しています。

一般的な理学療法も交えながら解説しているので、「何となく」どんなものか理解していただけるのではと思います。

 

以下は、仙腸関節検査とマッケンジー法の腰部検査を絡めた内容も含めた記事となります。

興味がある方は観覧してみて下さい。

 

マッケンジー法に関するおすすめ書籍は以下になります。

海外でもベストセラーとなった書籍の訳本で、一般書籍ではあるもののマッケンジー法がどういう物かをザックリと理解できますし、患者さんへのアドバイス・治療にも使える一冊だと思います。

アマゾンでも好評価なので、ぜひ手にっとってみて下さい。

 

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