タグ:疼痛の記事一覧

リハビリ(理学療法・作業療法)の素材集

理学療法・作業療法士・リハビリテーションに関する様々な素材を情報発信していきます

タグ:疼痛

  • 評価 - リハビリ評価ツール

    この記事では、リハビリ(理学療法・作業療法)で用いられる『痛み評価テスト』として有名な以下の4つの疼痛スケールを紹介したのちに、個人的な活用法を記載していく。~引用画像:全てペインリハビリテーション~・視覚的アナログスケール(VAS:visualanaloguescale)・数値評価スケール(NRS:numericalratingscale)・語句評価スケール(VRS:verbalratingscaleあるいはVDS:verbaldescriptionscale)・facepainratingscale(facescale)これらの評価は、いずれも痛みの強度を尺度化・数値化することを目的として...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、『アロディニア』という用語について解説していく。痛覚過敏とアロディニア痛覚過敏(hyperalgesia)とは以下を指す。『どんなに軽微な侵害刺激に対しても、感作が生じているために本来の刺激以上に強い痛みが生じてしまう状態』これに対して、アロディニア(allodynia)とは以下を指す。『皮膚に触覚刺激、軽い圧刺激など、普通痛みを起こさないような非侵害刺激が加わっただけでも痛みを生じてしまう状態』画像引用:ペインリハビリテーションこの画像は、痛覚過敏が侵害刺激で「ものすごく痛いと感じる」のに対して、アロディニアが非侵害刺激ですら「すごく痛いと感じる」というのが分かり易い。 例えば...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    組織損傷が生じると、多くの場合は患部を中心に痛みが発生するが、時として患部から離れた遠隔部に痛みが発生することがある。そして、痛みの原因となる部位と異なる部位に生じる痛みを関連痛(referredpain)と呼ぶ。関連痛は内臓のみならず、関節や軟部組織由来で起こる事も知られている(仙腸関節の関連痛なんかは理学療法士の間では有名かもしれない)。この記事では、そんな「運動器における関連痛」に関しても言及していく。スポンサーリンク内臓の関連痛関連痛は「内臓に問題が生じた際に起こる」ということで有名である。例えば、心臓に問題がある(狭心症や心不全など)なら左肩~左腕に関連痛が生じたり、胆嚢なら右肩に関...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、リハビリ(理学療法)を実施ておく上で整理しておきたい『急性痛』と『慢性痛』の基本的な知識を、違いも含めて記載していく。痛みとは?そもそも痛みとは何だろう?国際疼痛学会は、痛みの定義を以下の様に記載している。『実質的または潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはこのような損傷を表わす言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験である。』Anunpleasantsensoryandemotionalexperienceassociatedwithactualorpotentialtissuedamage,ordescribedintermsofsuchdamageこの定義での重要なポイント...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、理学療法士・作業療法士の治療対象となりやすい「慢性疼痛」という用語について考えていく。急性痛と慢性痛という分類痛みには様々な分類方法があり、例えば以下の通り。①痛みを症状で分ける分類:アロディニア痛覚過敏自発痛灼熱痛・・・・・・・・・・・など②痛みの原因による分類:侵害受容性疼痛神経因性疼痛心因性疼痛そんな中で、以前より「急性痛」・「慢性痛」という分類が存在する。ただし、急性痛・慢性痛に関しては、どれくらい痛みが続いているかという「期間」で決められていることが多いものの、「期間」について統一した見解は存在しない。※国際疼痛学会は6か月以上持続するあるいは繰り返し発生する痛みを慢性...

  • 症状 - 痛みについて - 鎮痛薬

    普段は「中枢神経感作」という用語を使っているが、「中枢感作」や「中枢性感作」という用語のほうが認知されているようなので、この記事では「中枢感作」という表現を用いてながら理学・作業療法士が知っておくべき疼痛の基礎知識を述べていく。スポンサーリンク脊髄後角は一次・二次侵害受容ニューロンがシナプスする変電所痛み刺激は一次侵害受容ニューロンを伝って、脊髄後角における二次侵害受容ニューロンとシナプスすることで、脳へ痛み情報を送ることになる。この一次侵害受容ニューロンと二次侵害受容ニューロンのシナプスでは、化学物質による伝達で痛み信号のバトンが渡されることのなるのだが、その際の神経伝達物質として使われてい...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、脊柱の痛み(腰痛や頸部痛など)に対する神経ブロック療法(ブロック注射)について解説していく。神経ブロック療法(ブロック注射)とは?神経ブロックは、外科手術で用いられている麻酔を応用した治療法である。神経ブロックによって、痛みを伝える神経をブロック、すなわち遮断することで鎮痛を図ることが可能となる。※痛みを大脳に伝達する神経の働きを麻酔薬によって一時的に遮断することで、患者は痛みを感じなくなる。神経ブロックで得られる即自的効果は一時的であり、つまりは『麻酔が効いている時間だけしか効果が無い』ということになる。ただし、定期的に繰り返し行うことで、麻酔が効いていない時間帯の痛みも徐々に...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、軸索反射について解説していく。軸索反射は、痛みに関与していると同時に、鍼灸や徒手療法にも関与しているので、是非参考にしてみてほしい。スポンサーリンク軸索反射の発生機序以下が軸索反射の機序となる。軸索反射の機序①求心性伝導痛み刺激により侵害受容器から発生した求心性インパルスは、一次侵害受容ニューロンの脊髄側末端部にまで到達する。そして、そこでグルタミン酸・サブスタンスP(SP)・カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)といった神経伝達物質を放出する。※この様に末梢側から中枢側方向への伝導を『求心性伝導』と呼ぶ。軸索反射の機序②逆行性伝導一次侵害受容ニューロンの末梢側(自由神経終末...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    この記事では、疼痛と密接に関与しており、尚且つ徒手療法の作用機序としても用いられることもある「神経性炎症」について記載していく。神経性炎症とは神経性炎症とは、一次侵害受容ニューロン(主にC線維)における逆行性伝導(軸索反射・後根反射)によって放出される神経ペプチドによって起こる炎症性症状を含めた様々な作用のことを指す。神経ペプチドには様々な種類が存在するが、一次侵害受容ニューロンの末梢側末端部・脊髄側末端部の両端において疼痛に関与する神経ペプチドとしては『サブスタンスP(SP)』『カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)』などがある。※神経ペプチドには、SPやCGRPといった疼痛に関与する物...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    一般的に情動と言う表現は、「歓喜・不安・苦悶・悲観・驚愕・激怒・恐怖」というような急激に起こされる一過性の強い感情の動きに以下の様な要素が伴った状態を指すことが多い。・顕著な表情・声・行動・自律神経系(発汗・心悸亢進・血圧上昇・呼吸数の増加・ひん尿・下痢などの主として交感神経系の興奮)や内分泌系を通して現れる生理的変動一方で、情動を「動物全般」ではなく「人間」にフォーカスをして考えた場合、「広く動物に共通した喜び、悲しみ、怒り、怖れ、嫌悪感のような本能的な欲求に関わる感情」と、「慈しみや憎しみ、尊敬や軽蔑など人間に独特な感情」や、「その感情によって生じる身体や表情の変化、行動の変化を含むもの」...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    IASP(InternationalAssociationfortheStudyofPain)は『国際疼痛学会』と訳される。国際疼痛学会は、痛みのメカニズム解明とその治療の可能性を探る学際的な学会で、基礎研究者・医者・心理学者・歯科医・看護師・理学療法士・薬剤師など、痛みに関心を持つ他分野の専門家が参加する国際学会である。学会では様々な分野での報告が行われ、その中には「痛みの神経因性要素」に関する報告も多く含まれる。※神経因性疼痛に関しては、末梢組織に損傷があったとしても、可塑的変化が末梢組織の神経終末、DRG、脊髄内だけでなく、間脳や大脳皮質など神経系全体に及び、その結果、注意や認知などの高...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    リンク先サイトに『痛みの基礎知識』を追加しました。以下の様なキーワードが盛り込まれた作りになっています。・痛みにおける一般的な経路・侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛という分類・末梢神経感作・中枢神経感作・脳の機能的・可塑的変化一週間後より、徐々に補足の追加記事をこのブログにボツボツと投稿して、内容を補完していこうと思っています。痛みの基礎知識は、平易な表現を心がけようと思えば思うほど、逆に読みにくくなりそうだったので、他のカテゴリーに比べて専門用語が多く、とっつきにくいかも知れません。そのため、『痛みの基礎知識(の「一般的な痛みの伝導経路の詳細」)』を、もう少しかみ砕いて紹介している...

  • 未分類

    自分の体に合った枕を選ぶことは頭痛・頸部痛・肩こりを含めた様々な症状に有効だ。どんなに素晴らしいリハビリを行っても、これらの環境が不適切では改善されない可能性が高く重要な知識だと思う。ただし、既製の枕は自分に合っていないことも多くオーダーメイドが理想となる。今回は、そんなオーダーメイドな枕の作り方が、「スゴ腕外来」というTV番組で放送されていたため記載していく。スポンサーリンク整形外科枕を紹介してくれる医師紹介してくれたのは山田朱織医師で、16号整形外科に勤務している傍ら、『山田朱織枕研究所』も運営している。16号整形外科では枕外来を行っており、予約は2か月待ちなほど流行っているらしい。また、...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    不安とは恐れだが、それでは恐れとは何だろう。神経学的に説明すれば、恐れとは危険の記憶である。不安障害になると、脳は常に恐ろしかった時の記憶を再生しようとする。すべては扁桃体が警報を響かせた時に始まるが、通常のストレス反応と違って、不安障害の場合は警報解除信号が適切に作動しない。なにも問題はないとか、問題が片付いたからもうリラックスして良いなどと、認知の処理装置が教えてくれないのだ。体と精神の緊張がもたらす感覚入力によって心があまりにもざわついているので、状況を正しく把握できなくなる。こうした認識のずれが起きるのは、ひとつには前頭前野が扁桃体をしっかりコントロールしていないためだ。全般性不安障害...

  • 症状 - 痛みについて - 認知行動療法

    恐怖が永遠に記憶に刻まれるのであれば、そもそも不安を消すことなどできるのだろうか。答えは、恐怖消去と呼ばれる神経プロセスにある。私たちは物と恐怖の記憶を消すことはできないが、新しい記憶を作り出し、それを強化することで、元の記憶を脇へ追いやることができる。脳は、恐怖の記憶と並行する回路を築くことで、不安を感じそうな状況でも、無害な代替案を示せるようになる。そうやって恐れる必要がないことを学んでいくのだ。不安の種となっていたものと、それへの典型的な反応とが切り離され、正しい解釈の回路につなぎ直される。そうすることで、例えばクモを見ると恐怖を感じ、心臓がドキドキする、といった連鎖を弱めることができる...

  • 症状 - 痛みについて - 認知行動療法

    慢性疼痛にみられる不幸な特徴は、体調が良い時に運動や活動を過剰にしてしまう人がいるということである。体力の限界まで活動を続け、その結果、疲労や痛みが再燃し、長期の休養期間を要することとなる。再燃が収まると、人はいくぶんかは良くなっていると感じ、疼痛によって失った時間を埋めようと再び無理をする傾向がある。そうすることによって次の再燃の可能性が高まる。この典型的な過活動と不活動の循環が有害であるのは、自然経過が長期間にわたる不活動の方向へ向かうためである。ペース配分は、過活動と不活動の過剰な波をなだらかにさせ、疼痛再燃のない管理状態を維持できる活動レベルを発見させる手助けとなる。ペース配分の基本的...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    子供のころコッソリと友人の後ろに回り込み「膝カックン」を仕掛けて、驚かせたことはないだろうか?この様な行為をされた場合、予測不能なために、刺激が固有受容器に入って脳に達して筋に膝折れ予防を命令する前にバランスを崩してしまう。つまり、この様な外力に対応するためには、ある程度の『予測性』が重要である。痛みに関する予測性も同様で、痛みに対するリスクを脳で十分に吟味し、「自分にとってリスキーだと思うもの」に対しては、積極的に動かず、筋緊張を高めて過剰に防御するよう戦略を立てる。また、脳は情動に対して敏感で、少しでも怖いと思っていると非常に強い制限が簡単に出てしまう。例えば骨折が生じると、骨を過剰に治癒...

  • 症状 - 痛みについて - 鎮痛薬

    この記事は、神経ブロック療法について解説している。神経ブロック療法とは神経ブロックとは、神経の興奮の伝導の遮断を意味する。神経ブロック療法は、手術のための局所麻酔から発展した治療法だが、外科手術のようにメスで切ることはなく、中枢神経系を抑制せずに痛みを緩和することのできる治療法であり、下記のように定義されている。『脳脊髄神経や脳脊髄神経節または交感神経節、およびそれらが形成する神経叢に向かってブロック針を刺入し、直接またはその近傍に局所麻酔薬または神経破壊薬を注入して、神経の伝達機構を一時的または永久的に遮断する方法』スポンサーリンク局所麻酔薬による神経ブロック療法局所麻酔による神経ブロック療...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    オペラント条件付けに基づいた考えでは、継続的に報酬が与えられれば、その行動はより喚起されるだろうし、もし好ましくない結果やマイナスの結果が与えられれば、その行動は繰り返されなくなる。行動は強化因子に影響され、強化因子には正のものも、負のものもあり得る。例えば、正の強化因子としては「おいしい食事」「お金」「敬意や称賛が」などが、負の強化因子としては「まずい食事」「何らかの罰」などがあげられる。行動はオペラント条件づけでは、回避の様な恐怖反応は、不安の軽減につながることから強化される。回避行動が繰り返され、結果として不安が繰り返し軽減されると、その行動は学習され確立されていく。この様な恐怖反応は、...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    この記事では、「痛み行動」における悪循環に密接に関与している「痛みの恐怖-回避思考モデル」について記載している。痛みの恐怖-回避思考モデル組織損傷は「痛み体験(painexperience)」に繋がるが、その体験によって不安が生じなければ、痛みと「対峙(confronation)」することができ、「回復(recovery)」につながる。しかし、「組織損傷による痛み体験」が「ネガティブな情動(negativeaffectivity)」や「不要な病気の情報(threateningillnessinformation)」によって破滅的思考(catastrophising)」につながることがあり、これ...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    痛みとは、身体の組織損傷による不快な感覚的・情動的な経験である。他の刺激は繰り返せば慣れが生じる。しかし、痛みだけは、反復によって、むしろ増幅される。したがって、痛みを経験した者は、痛みの予感を恐れる。記憶が痛みを倍化させるのだ。~『ドラマ:無痛~診える眼~第6話』先天性無痛症の犯人が殺人を犯す直前に呟いた言葉より~関連記事⇒『痛みは生きていくうえで必須なものである』

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    私たちにの身体には(良くも悪くも)「可塑性」が備わっている。この記事では、そんな「可塑性」「可塑的変化」について、疼痛にフォーカスを当てて記載している。可塑性とは可塑性という言葉はもともと物理学の用語で、外から力が加わって生じた変形が、その力がなくなっても元の形に戻らない性質のことである。例えばゴムのボールを押して離すと、すぐ元の丸い形に戻る。これはゴムのボールが「弾性」を持っているからである。一方、粘土の塊では押したところが凹んで、その形が残ったまま元に戻らなくなる。「可塑性」とはこの様な性質のことであり、脳における記憶も可塑性のなせる業と言える。関連記事⇒『長期増強・長期抑制と、依存性の因...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    1969年、ノルウェーのテリエ・レモは、『長期増強』と呼ばれる現象を発見して注目を集めた。長期増強とはシナプスにおいて、「神経伝達物質を放出する側の神経」を刺激すると、「神経伝達物質を受け取る側の神経」に刺激が伝わる。そして、放出側の刺激を何百回も繰り返していると、だんだんと受け取る側(の受容体)の反応が大きくなるという現象が起こる。しかも、一度大きくなった反応は、その後も持続することになる。つまり、たった2つの神経が、情報を「記憶」してしまうと言い換えることもできる。この現象は『長期増強』と呼ばれ、反対に抑制性の刺激についても『長期抑制』という同じような現象が認められている。これらは脳の限ら...

  • 症状 - 痛みについて - 疼痛・鎮痛

    古くから、情動は痛みの知覚に対して変調させることが臨床上指摘されてきた。例えば、崖から転落して数十か所の複雑骨折をしたが、まずは身の安全を優先するために、中脳水道周囲灰白質の活動を高め、痛みを知覚させないように痛みの伝達システムを構築しなおしたと考えられる事例が報告されている。これは、その時々の状況、そしてそれからもたらされる情動反応によって痛みの感受性は変化することが示唆されている。なお、先の事例はレスキュー隊を発見した瞬間に、全身からの激痛を感じたという。逆にいえば、中脳水道周囲灰白質の機能が低下すれば、痛みが容易に増強してしまう。これをコントロールしているのが前頭前野と考えられており、そ...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    扁桃体と前頭前野の結びつきには個人差がある。この事実からうかがえるのは、不安に強い人は前頭前野の抑制中枢を活性化し、抑制のメッセージを迅速かつ効率的に扁桃体に送ることで、不安反応をうまく沈めているとい可能性だ。結びつきが強ければ、前頭前野から扁桃体へとメッセージは瞬時に送られ、パニック反応を速やかに抑えられる。一方、不安に弱い人は、扁桃体を含めたパニックに関わる中枢がもともと反応しやすい。加えて前頭前野の働きが弱いため、不安のコントロールがうまく行きにくい。そのうえ、恐怖の中枢と抑制の中枢の結びつきが弱いため、不安を鎮めるのが人に比べてさらに困難になってしまう。恐怖を感じにくい人は、生まれつき...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    感情のコントロールを人がどれだけ上手く行えるか調べる、次のような実験がある。脳のスキャナーに横になった被験者に、爆発で重傷を負った人の体や切断されて血まみれになった腕など、衝撃的な映像を見せる。その際、画面に「注目」という文字が現れた時は、被験者はその場面に感情移入するように努め、画面に「再評価」という文字が現れた時は逆に、その場面から受ける感情が少しでもネガティブなもので無くなるよう、自分の感情をコントロールしなくてはならない。たとえば、「あの切断された腕は本物のようにみえるけれど、実はプラスチックで出来た偽物だ」と自分で自分に語りかけてみるのだ。これらの作業をしている時の脳の様子をスキャン...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    恐怖の回路の解剖学的理解からも、病的なレベルの不安を治療する新しい方法が考えられる。それは、扁桃体や恐怖そのものに焦点を合わせるのではなく、扁桃体を鎮める役割を持つ大脳皮質の中枢に働きかける方法である。感情をコントロールする中枢を強化すれば、恐怖心をコントロールしたり、不安を恒常的に弱めたりすることも可能となるのではないだろうか。この考えをもとに、感情をコントロールする能力を高めるための、多くの薬理学的療法や認知療法が考案されてきた。恐怖の標準的な消去プロセスとは、脳内に新しい記憶を効果的に打ち立てることで行われる。そして、このプロセスで恐怖心が抑制されるのは前頭前野の『内側前頭前野(+眼窩野...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    慢性痛を訴える患者の一定割合は抑うつ傾向を有していると言われている。これは、慢性痛により行動の制限や、社会への参加が著しく制約されていることが一因とされている。痛みが長期化することによる抑うつや不安感は、痛みに有効に対処できず、痛みが治まらないために生活が制限されているという思いが長引くために引き起こされていると考えられている。また、不安と回避の悪循環が痛みを慢性化させる「恐怖-逃避モデル」という説がある。人は痛みを感じると、何らかの深刻な障害の徴候と感じ、多かれ少なかれ不安を抱く。そして、不安に対しては、対峙するか逃避するかという2つの対処法がある。対峙すると適切な対応ができ不安は減衰する。...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    慢性痛をもつ患者は、しばしばうつ的である(Brown1990.Kerns&Haythornthwaite1988.Rudyetal1988)。Mersky(1999)は、痛みを持つ患者におけるうつ病の罹患率はおよそ10から30%であると指摘した。この指摘も含めて、痛みを有する患者における実際のうつ病の発生率は様々であり、10%から100%までの範囲でその報告がある(Browwn1990.Magni1987,Rudyetal1988,Turketal1987)。これに対して、一般人口におけるうつ病の発生率は9%から14%であるとされている(Turketal1987)。調査で観察されるこれらの相違...

  • 症状 - 痛みについて - 痛みと認知・情動

    ワシントン大学の心理学者であるウィルバート・フォーダイス(WilbertBillEvansFordyce)は、客観的に観察される慢性痛患者の痛みに伴う行動を『痛み行動(painbehavior)』と名付け、慢性痛の治療対象として着目した。痛み行動の基礎となるオペラント条件付け私たちは、ある行動をとることで「やらなかった時よりも、やった時のほうがメリットがある」ということを体験すると、その行動の頻度が増える。例えば自分が仕事を頑張った際に、上司に褒めてもらったり、特別ボーナスが出たりすると、「仕事を頑張る」といった行動につながる。あるいは、自分のブログを「分かりやすい」「参考になった」などと褒め...