本記事では、マリガンコンセプトの中でも、臨床で比較的優先して試す価値が高い症状・疾患・部位について整理する。
対象は以下などである。
- 外側上顆痛
- 慢性足関節不安定性
- 頸原性頭痛
- 頸原性めまい
- 肩関節周囲炎
- 股OA
- 膝OA
- 非特異的頸部痛
- 腰痛
- 坐骨神経痛
マリガンコンセプトは、徒手療法単独で疾患を治す技術というより、
疼痛や可動域制限を一時的に修飾し、その後の運動療法・荷重練習・セルフエクササイズへ接続するための臨床ツールとして捉えると、文献とも整合しやすい。
💡 ポイント
マリガンコンセプトを試す優先度が高いのは、外側上顆痛、慢性足関節不安定性に伴う荷重位背屈制限、頸原性頭痛である。
これらは、pain-free grip strength、weight-bearing lunge test、Flexion Rotation Testなど、介入前後の再評価指標が明確である。
目次
はじめに
マリガンコンセプトは、理学療法・徒手療法の臨床で用いられることが多いアプローチである。
代表的な手技には以下などがある。
- 末梢関節に対するMWM (Mobilization With Movement)
- 脊柱に対するSNAG (Sustained Natural Apophyseal Glide)
- 腰下肢症状に対するSMWLM、BLR、TSLR
MWMは、セラピストが持続的な副運動を加えながら、患者自身の能動運動を組み合わせる手技として説明される。
近年の膝OA研究でも、MWMは「持続的な副運動と患者の同時能動運動を組み合わせる介入」として定義されている。
ただし、マリガンコンセプトは、どの疾患にも同じように効く万能手技ではない。
文献を整理すると、比較的エビデンスが強い領域と、まだ限定的な領域がある。
🔑 研究のポイント
マリガンコンセプトの効果を考える際は、「疾患名」だけで判断するのではなく、介入前後で評価できるcomparable signが明確かどうかが重要である。
その場で疼痛、可動域、機能動作が変化するかを確認し、反応がある症例に対して運動療法へ接続することが実践的である。
結論
臨床的な優先順位でいうと、まず試す価値が高いのは以下の3つである。
- 外側上顆痛/テニス肘
- 慢性足関節不安定性・慢性反復捻挫に伴う荷重位背屈制限
- 頸原性頭痛
この3つは、比較的文献が揃っており、かつ臨床上も介入前後の再評価指標が明確である。
テニス肘ではpain-free grip strength、
足関節ではweight-bearing lunge test、
頸原性頭痛ではFlexion Rotation Testなどを用いることで、
マリガン手技に対する即時反応を判定しやすい。
✅ 実践的なOK例
1〜2セットのMWMまたはSNAGを行い、PFGS、WBLT、FRT、NRS、機能動作が明確に改善するかを確認する。
反応があれば、その改善した状態を使って運動療法、荷重練習、セルフMWMへ移行する。
エビデンスと臨床優先度の一覧
以下の表は、厳密なGRADE分類ではなく、文献の質・臨床での再評価しやすさ・適応の明確さを踏まえた実用上の優先度である。
| 臨床優先度 | 症状・疾患 | 主なアプローチ | 試すべき患者像 | 文献上のポイント | 再評価指標 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 外側上顆痛/テニス肘 | Elbow MWM、lateral glide、把持動作・手関節伸展運動との併用 | 把持痛、抵抗性手関節伸展痛、PFGS低下がある症例 | CPGで局所肘関節mobilization/manipulationが疼痛軽減・PFGS改善目的で推奨されている。 | Pain-free grip strength、PRTEE、抵抗性手関節伸展痛 |
| A− | 慢性足関節不安定性/慢性反復捻挫+背屈制限 | Weight-bearing talocrural MWM、self-MWM | WBLT低下、荷重時の前方詰まり感、慢性反復捻挫 | 荷重位MWMは荷重位背屈ROMの即時改善に有益である。ただし長期効果は十分に検証されていない。 | Weight-bearing lunge test、片脚スクワット、階段降段 |
| A−〜B+ | 頸原性頭痛 | Headache SNAG、C1–C2 rotation SNAG、self-SNAG | FRT陽性、上位頸椎回旋制限、頸部運動で頭痛が誘発される症例 | SNAGは疼痛、FRT、機能症状を改善する可能性がある。 | Flexion Rotation Test、頭痛頻度、頭痛強度、NDI、HIT-6など |
| B | 頸原性めまい | Cervical SNAG、self-SNAG、上位頸椎モビライゼーション | 前庭性・中枢性・血管性を鑑別後、頸部運動とめまいが関連する症例 | RCTでは有益性が示されているが、SR/MAでは確実性はlow〜very lowである。 | DHI、めまい頻度、頸椎ROM、頸部運動時の症状 |
| B | 肩関節周囲炎/adhesive capsulitis | Glenohumeral MWM、HBB MWM、外旋・屈曲・外転方向のMWM | 外旋・屈曲・外転・HBB制限が明確な凍結肩様症例 | 慢性adhesive capsulitisでは介入直後の疼痛・障害・ROM改善が報告されている。 | 外旋ROM、屈曲ROM、外転ROM、HBB、SPADI |
| B−〜B | 股OA/股関節痛 | ベルト使用のhip MWM、屈曲・内旋方向のMWM | 股屈曲・内旋制限、歩行時痛、立ち上がり痛がある症例 | 単回hip MWMで疼痛、股屈曲ROM、身体機能の即時改善が報告されている。 | NRS、股屈曲・内旋ROM、TUG、sit-to-stand |
| B− | 膝OA | Tibiofemoral MWM、patellofemoral MWM、疼痛の少ない荷重課題 | 痛みで運動療法に入りにくいKL grade 2–3程度の膝OA | MWM+等尺性トレーニングで短期改善が報告されているが、長期効果は未確立である。 | VAS、NRS、WOMAC、膝伸展筋力、立ち上がり・階段 |
| C〜B− | 坐骨神経痛・腰下肢痛 | SMWLM、BLR、TSLR | 下肢症状があり、SLR・神経動態・腰椎運動で再評価できる症例 | 疼痛・機能・柔軟性改善の可能性はあるが、既存研究の質に限界がある。 | SLR、NRS、ODI、下肢症状、歩行 |
| C | 非特異的頸部痛 | SNAG、NAG、self-SNAG | 慢性例で運動療法との併用を考える症例 | 有益な可能性はあるが、エビデンス確実性はvery lowである。 | NDI、NRS、CROM、疼痛誘発動作 |
| C | 腰痛全般 | Lumbar SNAG、SMWLM、BLRなど | comparable signが明確で、即時変化が確認できる症例 | 疼痛・障害・ROM改善の可能性はあるが、エビデンスは不十分である。 | NRS、ODI、腰椎ROM、SLR、機能動作 |
外側上顆痛/テニス肘
最も優先して試しやすい領域である
テニス肘、つまり外側上顆痛は、マリガンコンセプトを臨床で試す対象として相性が良い。
理由は、pain-free grip strengthという明確な再評価指標があるためである。
把持時痛や握力低下がある症例では、肘関節へのMWMを行いながら把持・手関節伸展・日常動作を再評価することで、即時効果を判定しやすい。
JOSPT/APTA系の外側肘痛CPGでは、局所肘関節のモビライゼーション/マニピュレーションを、疼痛軽減とpain-free grip strength改善目的で使うことが推奨されている。
また、BissetらのBMJ掲載RCTでは、肘関節のmanipulationと運動療法を含む理学療法群が、短期ではwait-and-seeより優位であり、中長期ではステロイド注射より良好な結果を示している。
臨床での使い方
| 介入前 | Pain-free grip strength、PRTEE、抵抗性手関節伸展痛、把持動作 |
|---|---|
| 介入 | Elbow MWM、lateral glide、必要に応じてテーピング・セルフMWM |
| 介入後 | PFGSが上がるか、把持痛が下がるか、抵抗性手関節伸展痛が軽減するか |
| その後 | 手関節伸筋群の段階的負荷、握る・持つ・引く動作への再教育 |
ポイントは、MWMで痛みを下げた後に、運動療法へつなげることである。
MWMだけで完結させるより、疼痛修飾を使って運動負荷の許容量を広げるほうが現実的である。
足関節内反捻挫後遺症
狙うなら荷重位背屈制限である
足関節では、マリガンコンセプトを試す対象を広げすぎないことが重要である。
修整後の結論としては、急性足関節捻挫全般にMWMが強く推奨されるというより、
慢性足関節不安定性/慢性反復捻挫で、荷重位背屈制限がある症例に絞るのが妥当である。
Weerasekaraらの2020年SR/MAでは、慢性反復足関節捻挫に対する荷重位MWMが、荷重位背屈ROMの即時改善に有益であると報告されている。
ただし、長期効果は十分に検証されていない。
また、2025年のSR/MAでは、MWMは足関節捻挫患者の疼痛、ROM、WBLTを改善したと報告されているが、GRADE評価では全体の確実性がlowまたはvery lowとされている。
⚠️ 注意点
「足関節捻挫ならMWM」と一般化しすぎないことが重要である。 文献上、特に狙いやすいのは、慢性足関節不安定性または慢性反復捻挫に伴う荷重位背屈制限である。
臨床での使い方
| 介入前 | Weight-bearing lunge test、背屈左右差、片脚スクワット、階段降段 |
|---|---|
| 介入 | Weight-bearing talocrural MWM、必要に応じてself-MWM |
| 介入後 | WBLT改善、前方詰まり感軽減、降段・しゃがみ込みの改善 |
| その後 | 腓骨筋群、足部内在筋、バランス、片脚荷重、ジャンプ・カッティング練習 |
特に臨床で狙いやすいのは、「しゃがむと足首前方が詰まる」「階段降段で足関節前方が痛い」「背屈が出ず、膝が前に出ない」というタイプである。
このような症例では、WBLTを使って即時変化を確認し、改善があればセルフMWMと荷重練習へつなげるとよい。
頸原性頭痛
FRT陽性なら優先度が高い
頸部領域では、非特異的頸部痛よりも、頸原性頭痛のほうがマリガンコンセプトの適応を絞りやすい。
Cardosoらの2022年SRでは、SNAGが頸原性頭痛患者の疼痛、Flexion Rotation Test、機能症状を改善したと報告されている。
さらに、Satputeらの2024年RCTでは、Mulligan manual therapy+運動療法が、運動単独よりも頭痛頻度、頭痛強度、頭痛持続時間、頭痛関連障害、上位頸椎回旋可動域を改善した。
効果は26週時点でも残存していたと報告されている。
臨床での使い方
| 介入前 | Flexion Rotation Test、頭痛頻度、頭痛強度、頸部運動による症状誘発 |
|---|---|
| 介入 | Headache SNAG、C1–C2 rotation SNAG、self-SNAG |
| 介入後 | FRT改善、頭痛誘発動作の軽減、上位頸椎回旋改善 |
| その後 | 深頸屈筋、肩甲帯、胸椎、姿勢・生活動作への介入 |
頸原性頭痛では、FRTが陽性で、上位頸椎回旋制限が明確な症例ほど、マリガンコンセプトを試す価値が高いと考えられる。
頸原性めまい
有望だが鑑別が最重要である
頸原性めまいに対するSNAGやself-SNAGは、一定の根拠がある。
ReidらのRCTでは、慢性頸原性めまい患者に対して、SNAG+self-SNAG群とPJM群がプラセボ群よりも、12か月時点でめまい頻度、DHI、GPEを改善した。
SNAG群では頸椎ROMの改善も報告され、有害事象は認められなかった。
ただし、2025年のSR/MAでは、上位頸椎への徒手療法はめまいの影響・強度を改善する可能性があるものの、エビデンスの確実性はlow〜very lowとされている。
したがって、頸原性めまいは試す価値がある領域である一方、鑑別済みであることが前提である。
介入前に確認したいこと
- BPPVなどの前庭性めまい
- 中枢性めまい
- 頸部血管病変
- 薬剤性めまい
- 起立性低血圧
- 神経症状
- 突然発症の激しい頭痛・めまい
頸部・頭痛・めまいに対する徒手療法では、IFOMPT Cervical Frameworkが、頸部血管病変の可能性を臨床推論の中で評価するための枠組みとして提示されている。
⚠️ 注意点
頸原性めまいは除外診断的な側面が強い。 頸部に関連して症状が出るように見えても、前庭性・中枢性・血管性・薬剤性などを確認せずに徒手療法へ進むべきではない。
肩関節周囲炎/adhesive capsulitis
肩全般ではなく凍結肩に絞る
肩に対するMWMは、臨床的には使いやすい一方で、疾患を広げすぎるとエビデンスが弱くなる。
現時点では、肩関節周囲炎/adhesive capsulitisに限定すると比較的有望である。
慢性肩痛に対するSR/MAでは、慢性adhesive capsulitisにおいて、MWMは他のモビライゼーションよりも介入直後の疼痛、障害、外旋ROM、屈曲ROMを改善したと報告されている。
一方、2〜10週フォローアップのデータは限られており、慢性SAPSではMWMの効果を支持・否定するには不十分とされている。
臨床での使い方
| 介入前 | 外旋、屈曲、外転、HBB、SPADI、夜間痛 |
|---|---|
| 介入 | Glenohumeral MWM、HBB MWM、外旋・屈曲方向のMWM |
| 介入後 | ROMの即時改善、HBB改善、疼痛軽減 |
| その後 | 可動域練習、肩甲胸郭運動、疼痛許容内での筋力・機能練習 |
肩では、どの方向で痛く、どの方向で制限されているかを明確にしたうえで、外旋・HBB・屈曲などのcomparable signを再評価することが重要である。
股OA/股関節痛
即時効果を見るには有用である
股関節では、股OAや股関節痛に対するhip MWMの即時効果が報告されている。
BeselgaらのRCTでは、股OA患者に対する単回hip MWMで、疼痛、股関節屈曲ROM、身体機能が即時的に改善した。 ただし、長期効果については今後の研究が必要である。
また、末梢関節ROMに関するSR/MAでは、肩関節周囲炎と股関節痛ではMWMによるROM改善が比較的一貫して示されている。
臨床での使い方
| 介入前 | 股屈曲、内旋、TUG、sit-to-stand、歩行時痛 |
|---|---|
| 介入 | ベルト使用のhip MWM、屈曲・内旋方向のMWM |
| 介入後 | 屈曲・内旋ROM、立ち上がり、歩行時痛の変化 |
| その後 | 股関節周囲筋トレーニング、歩行、階段、片脚荷重練習 |
股関節では、股屈曲・内旋制限があり、立ち上がりや歩行に反映されている症例が狙い目である。
膝OA
運動療法に入るための補助介入として使う
膝OAに対するMWMは、エビデンス最上位ではないが、使い方を限定すれば臨床的価値がある。
2026年のRCTでは、Kellgren–Lawrence grade 2–3の膝OA患者に対して、MWM+等尺性トレーニング群が等尺性トレーニング単独群よりも、6週間で疼痛、膝伸展筋力、WOMACの改善が速く大きかったと報告されている。
ただし、膝OAに対してMWM単独で長期効果が確立しているわけではない。
むしろ、疼痛を下げてスクワット、立ち上がり、階段、歩行練習に入りやすくする補助介入と考えるのが妥当である。
臨床での使い方
| 介入前 | NRS、VAS、WOMAC、膝伸展筋力、立ち上がり、階段 |
|---|---|
| 介入 | Tibiofemoral MWM、patellofemoral MWM、疼痛の少ない荷重課題 |
| 介入後 | 立ち上がり痛、スクワット痛、歩行痛の変化 |
| その後 | 大腿四頭筋、股関節、足部、歩行・階段練習 |
膝OAでは、MWMを主役にするより、運動療法の入口を作る手段として使うほうが適切である。
非特異的頸部痛・腰痛・坐骨神経痛
文献的には上位群より慎重に扱う
非特異的頸部痛や腰痛でも、SNAG、NAG、SMWLM、BLR、TSLRなどが臨床で反応することはある。
ただし、エビデンスの確実性という点では、外側上顆痛、足関節背屈制限、頸原性頭痛ほど上位には置きにくい。
非特異的頸部痛に関する2025年SR/MAでは、Mulligan techniqueは慢性または混合性頸部痛で有益な可能性があるものの、エビデンス確実性はvery lowとされている。
腰痛に関する2018年SRでは、Mulligan techniqueが疼痛・障害・ROMを改善する可能性は示されたが、20研究中12研究が高リスクバイアスであり、結論としてはエビデンス不十分とされている。
一方、坐骨神経痛に関する2025年SR/MAでは、SMWLMが疼痛・機能改善、BLRが柔軟性改善に有益な可能性を示している。
ただし、研究数や既存文献の質には限界がある。
🔑 補足
非特異的頸部痛、腰痛、坐骨神経痛に対するマリガンコンセプトは、文献的に第一選択というより、comparable signが明確で即時変化が出る症例に対して試す位置づけである。
臨床での実践アルゴリズム
マリガンコンセプトを臨床で使う際は、疾患名だけで判断するよりも、以下の流れで考えると安全である。
- レッドフラッグ、禁忌、鑑別を確認する。
- コンパラブル・サインを決める。
- MWMまたはSNAG中に痛みが軽減するか確認する。
- 1〜2セット後に即時再評価する。
- 明確な改善があれば、運動療法・荷重練習・セルフMWMへつなげる。
- 変化が乏しければ、手技の方向・部位を再検討するか、別アプローチへ切り替える。
マリガンコンセプトは、症状修飾によって運動療法へ接続する技術として使うと、文献とも臨床とも整合しやすい。
末梢関節MWM全体に関するSR/MAでは、短期的な疼痛・障害改善は示される一方、長期効果のデータは不足し、研究間の異質性も課題とされている。
✅ 臨床活用のコツ
最初から長期効果を期待するのではなく、まずは即時効果を確認する。
痛みや可動域が変化したら、その変化を利用して運動療法、荷重練習、セルフエクササイズへつなげることが重要である。
まとめ
マリガンコンセプトを文献ベースで優先順位づけすると、以下のようになる。
第1優先
- 外側上顆痛/テニス肘
- 慢性足関節不安定性・慢性反復捻挫に伴う荷重位背屈制限
- 頸原性頭痛
これらは、エビデンスが比較的揃っており、PFGS、WBLT、FRTなどの再評価指標が明確である。
第2優先
- 頸原性めまい
- 肩関節周囲炎/adhesive capsulitis
- 股OA/股関節痛
- 膝OA
これらは十分試す価値があるが、適応を絞る必要がある。
頸原性めまいは鑑別済み症例、肩は凍結肩、股OAは即時効果、膝OAは運動療法への導入補助として使うのが現実的である。
第3優先
- 非特異的頸部痛
- 腰痛全般
- 坐骨神経痛・腰下肢痛
これらは、臨床的に反応する症例はあるものの、エビデンスの確実性は上位群より低いため、comparable signを明確にして即時変化を確認しながら使うのがよい。
💡 核心メッセージ
マリガンコンセプトは、疾患名だけで使う手技ではない。
「痛みが減るか」「可動域が変わるか」「機能動作が改善するか」を即時再評価し、反応がある患者に対して運動療法へ接続することが重要である。
個人的に、よく使用する部位・症状
個人的に、よく使用する部位・症状は以下である。
頚部・腰部の運動時痛(特に頚部)
疼痛が生じる動作で、実際に疼痛を再現させ、それがSNAGSで即時的に消失するかを確認する。
(刺激により改善・変化なしのいずれであっても)上記で得られた反応は臨床推論の参考になる。
また、悩んでいた症状が即時的に改善されることで患者からの信頼感が得られ、その後に別のアプローチやアドバイスをする際も耳を傾けてもらいやすくなる。
試験的治療における声掛けポイント
NGな声掛け
- 私が刺激を加えておくので、その状態で先ほどの動作(疼痛誘発動作)をして下さい。この刺激によって症状が改善されるか教えて下さい。
- 私が関節の動きを誘導するような刺激を加えておくので、その状態で先ほどの動作(疼痛誘発動作)をして下さい。
※上記は、刺激が改善の可能性を示唆させてしまうため、患者が空気を読んでしまう可能性がある。あるいはプラセボ効果が生じてしまう可能性がある。
OKな声掛け
- 私が刺激を加えておくので、その状態で先ほどの動作(疼痛誘発動作)をして下さい。この刺激によって、「痛みが強くなったか」・「良くなったか」・「変化がなかったか」を教えて下さい。
参考文献
以下に、本記事で紹介した文献を列挙する。
文献名をクリックすると、実際の文献または文献ページに移動できる。
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