この記事は、高齢者の転倒予防に重要な『バランス評価テスト』をまとめた記事である。

 

バランス評価テストに関しては、基準値(カットオフ値)まで記載してあるが、大雑把な基準値のみ知りたい方は、この記事の最後に一覧を掲載しているので、それを観覧して頂きたいと思う。

 

また、記事の中盤には転倒予防・バランス改善のリハビリ(理学療法・作業療法)ヒントとなりそうなものもリンクしている。

 

記事の後半では転倒してしまう因子を「外的因子」と「内的因子」に分けて記載しているので、ぜひ自分の中で整理してみてほしい。

 

特に「外的因子」に関しては、ザックリと理解しておくことが訪問リハビリでは必須となる。

 

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リハビリ(理学療法・作業療法)に重要な転倒予防テストまとめ

 

ファンクショナルリーチテスト(バランス機能の評価)

 

片脚立位保持テスト(バランス機能の評価)

 

タイムアップ&ゴーテスト:TUGテスト(バランス機能の評価)

 

10メートル歩行テスト(歩行能力の評価)

 

5回立ち座りテスト(筋パワーの評価)
+ステッピングテスト(俊敏性の低下)

 

 

日常生活と関連のある14項目の検査から構成から構成される『BBS(Berg Balance Scale)』に関しては、以下を参照。

 

BBS(Berg Balance Scale)を動画でサクッと理解する!

 

実施には20分程度の時間を要するが、総得点が高く、小さな変化も検出できるため、総合的なバランス評価バッテリーとして多くの研究で利用されているため、是非一度観覧してみてもらいたい。

 

ちなみにBBSのカットオフ値は「45点」であり、45点未満であれば「室内での転倒危険性あり」と判断される。

 

 

バランス改善で転倒を予防しよう!

 

ここに記載した内的・外的転倒危険因子は、以下の様な因果関係を持っている。

 

転倒による要介護状態への移行

~画像引用:転倒予防理学療法~

 

 

 

そして、以下の様に適切なリハビリ(理学療法・作業療法)を実施することで、転倒・骨折を予防していくことが重要となる。

 

転倒による介護状態への移行②

~画像引用:転倒予防理学療法~

 

 

転倒予防・バランス改善のためのリハビリ(理学・作業療法)ヒント記事まとめ

 

転倒予防・バランス能力改善のための運動療法は数多く存在するが、その一例(っというかヒント)を以下に示す。

 

まずは、バランス練習を段階的に行っていくうえで参考になりそうな記事としては以下がおススメ。

 

インナーマッスル(コアマッスル)の段階的トレーニングを解説

 

 

以下のタンデム肢位・タンデム歩行なんかも簡単に出来るトレーニングで応用もし易い。

 

タンデム肢位・タンデム歩行をリハビリ(理学療法)に活用

 

 

転倒・転倒予防を含めた高齢者のリハビリ(理学療法)関しては、「ロコモティブシンドローム」「サルコペニア」「フレイル」といったキーワードが最近注目を集めており、それらを解説した記事としては以下も参考にしてみてもらいたい。

 

ロコモティブシンドロームを予防と改善も含めて解説!

 

サルコペニアとフレイル(+違い)

 

 

ちなみに、握力はサルコペニアの診断基準の一つとして採用されており、理学療法士・作業療法士の皆さんもクライアントの握力を測定したりする頻度は多いのではないだろうか?

 

でもって「私の握力は強いの?弱いの?」などと聞かれることが結構あると思う。
そんな際は以下の記事を参考に、年齢に合った平均値を教えてあげてほしい。

 

握力測定の方法と平均値(年齢別)を紹介

 

 

転倒予防(転倒リスク)のカットオフ値まとめ

 

前述してた転倒予防の指標となるバランステストのカットオフ値を一覧にしたものである。

 

こちらからでも、気になるテストにジャンプすることができる。

 

ここに記載されいるテストは、そのままリハビリ(理学療法、作業療法)として活用できる要素も持っているので、そういった意味でもてテストを理解しておくことは意義がある(経験年数に関係なくリハビリに応用でき、なおかつ凡庸性の高いトレーニングとなり得る)。

 

テスト カットオフ値
膝伸展筋力 1.2Nm・kg
FRテスト 15cm未満
片脚立位保持テスト(開眼) 5秒以下
TUGテスト 13.5秒以上
歩行速度 毎秒1m未満(横断歩道が渡りきれない)
5回立ち座りテスト 14秒以上
立位ステッピングテスト 17秒以上

 

 

転倒の危険因子

 

念のため、転倒の危険因子も列挙しておく。

 

転倒の危険因子は以下の2つに分類される

⇒身体的な転倒危険要因(内的因子)

⇒環境的な転倒危険要因(外的因子)

 

 

身体的な転倒危険要因

 

基本的属性 年齢80歳以上、女性
身体機能 筋力低下、バランス能力低下、歩行能力の障害、
視力障害、排尿・排便障害
医学的問題 脳卒中後遺症、パーキンソン症候群、関節疾患、
起立性低血圧、高血圧、不整脈
認知・心理機能

認知障害、抑うつや不安、転倒恐怖

関連記事:

⇒『薬の知識ー高齢者に関わる際に押さえておこう

薬剤 睡眠薬・鎮痛薬・抗不安薬・抗うつ薬・降圧薬・
薬剤の数・薬剤感受性の変化
転倒の既往  

 

 

ちなみに、転倒の内的危険因子の相対的危険比は以下の通り。

 

危険因子 オッズ比 範囲
筋力低下 4.4 1.5~10.3
転倒歴 3.0 1.7~7.0
歩行能力低下 2.9 1.3~5.6t
バランス機能低下 2.9 1.6~5.4
補助具の仕様 2.6 1.2~4.6
視力障害 2.5 1.6~3.5
関節障害 2.4 1.9~2.9
起居動作能力低下 2.3 1.5~3.1
抑うつ 2.2 1.7~2.5
認知障害 1.8 1.0~2.3
年齢(80歳以上) 1.7 1.1~2.5

 

※米国老年学会によって、転倒の危険因子に関する16の先行研究の結果から各因子の店頭に対するオッズ比をまとめたもの。

 

文献)American Geriatrics Society, British Geriatrics Society, and American Academy of Orthopaedic Surgeons Pane on Falls Prevention. Guideline for the prevention of falls in older persons. J Am Geriatr Soc 49(5):664-672.2004

 

 

環境的な転倒危険要因

 

段差 敷居、戸口の踏み段
床の状況 カーペットの端・めくれ・ほころび、
滑りやすい床、床面のでこぼこ
照明 暗い照明、急速な照明変化
履物・衣類 不適切な履物(スリッパ・サンダルなど)、
足が引っ掛かりやすい衣服
障害物 電気のコード、通り道の障害物
ベッドルーム ベッドの不適切な高さ、
ベッド周囲の家具の不適切な配置
手すりの不備  

 

これら環境的な転倒危険要因は、訪問リハビリなどで即自的に問題解決可能な要素でもあるので、しっかり覚えておく必要がある。

 

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高齢者のバランス評価の上級者向け記事

 

脳卒中を起こしたことのある高齢者は、脳卒中の数週間~1年後から失神のように見えるてんかん発作を繰り返すようになることがある。

 

あるいは、自律神経の障害や貧血や立ちくらみなど血圧低下による失神は高齢者では珍しくない。

 

たとえ失神自体が問題なくとも、めまいや失神は高齢者の転倒・骨折の原因となるため、出来るだけ予防や対処に努める必要がある。

 

ここでは、そんな「転倒リスクを高める要素」である『意識障害』『失神』に関する記事である。

 

堅苦しい記事なので、この記事はすっ飛ばして後述する「永久保存版!バランストレーニング」のほうが参考になると思うが念のため紹介しておく。

 

ジャパンコーマスケール-意識障害の意味・評価法・原因を考える

 

失神とは(意識障害シリーズ)―症状・原因・問診のコツを完全網羅!

 

 

関連記事

 

以下の記事は、転倒予防に重要なバランスについての包括的な記事となる。

 

バランスについて網羅した作りになっているので、バランスのリハビリ(理学療法)に興味がある方は、是非一度観覧してみてほしい。

 

永久保存版!バランス運動(トレーニング)の総まとめ