この記事では、大腿四頭筋のCKCトレーニングでもある『スクワット』について記載していく。

 

目次

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スクワットで動員される筋群

 

冒頭で「大腿四頭筋のCKCトレーニング」と記載したが、CKCなので実際には以下の様々な筋群が動員される。

 

  • 大腿四頭筋
  • 大殿筋
  • 腸腰筋
  • ハムストリングス
  • 下腿三頭筋

・・・・・・・・・・・・・などなど

 

下肢の伸筋群を(大腿四頭筋以外の筋も含めて)効率よくトレーニングしたいのであればスクワットは「日常生活に反映させやすい機能的なトレーニング」ということになる。

そして上記のスクワットで動員される筋群を見ればわかるように、大腿四頭筋群の拮抗筋であるハムストリングスも含めて非常に多くの筋群が賦活されているのが分かる。

 

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スクワットの方法

 

リハビリ(理学療法)で活用される一般的なスクワットの方法は以下となる。

 

  • 足を肩幅程度に開いた状態での立位で、足先を30°程外側へ向ける。

 

  • お尻を後方に突き出すように膝をゆっくりと曲げていく。
    膝が足先より前に出ないように注意する。

 

  • 膝屈曲角度が90°位になるまでゆっくりと屈曲していく。
    膝屈曲角度90°というのはあくまで目安。バランス不良であったり、膝痛を誘発てしまう場合などは、もっと浅い角度(痛みが出現しない角度)である必要があるし、逆に負荷を強めたければもっと深く屈曲しても構わない。

 

以下は、コナミスポーツが提供しているスクワット動画になる。

 

 

つま先を若干外に向けるかどうかには議論がある。

 

若年者であり、スポーツなどのパフォーマンスを上げるためにスクワットを用いるのであれば、つま先を正面に向けておく方法が一般的となる。

 

これにより大腿四頭筋が万遍なく鍛えられ、膝が左右にぶれないためにも股関節内外転筋群も活動性が高くなる(バーベルを担ぐともっと鍛えられる)。

 

※ただし、つま先を正面に向けてのスクワットはニーインを起こしやすいので「膝屈伸時に膝もつま先と同様に正面を向いているか(内を向いていないか)には注意を払う。

⇒『Knee-inって何だ?

 

一方で高齢者のリハビリでは、やや膝を外側に向けた状態で実施する方法が一般的であり、理由は以下の様に言われている。

 

『加齢とともに(痛みの有無にかかわらず)関節に構造的変化が生じており、つま先を正面に向けると運動連鎖によって下肢関節がCPPに近くなる(つまり膝の屈伸が、非常に窮屈に感じる)』

 

※もちろん、「CPPに近い状態での膝屈伸」ということで関節に轢音が聞こえたり、痛みを誘発したるすることもある。

 

※逆説的な表現として、スクワット時に膝痛を訴える高齢者に対して、つま先を外側へ向けると即自的に運動時痛が消失することはよくある。

 

運動連鎖に関してはこちらも参照⇒『運動連鎖の魅力と限界

 

当然のことながら、つま先を正面に向けてのスクワットが何ら問題のない高齢者であれば、その方が様々な筋活動が高まりやすいので、悪い話ではない。

 

 

お尻を後方へ突き出すようにスクワット

 

上手なスクワットは、「椅子に座る要領で膝を屈曲する」というイメージである。

 

※これがイメージできると、適度に殿部が後方へ突き出される。

 

また、高齢者であればスクワットの代わりとして「椅子からの立ち座り練習」でも良い。

 

※目的が「椅子から楽に立ち上がること」であれば、実際にその動作を反復することの方が「機能的」と言える場合もある。

関連記事⇒『筋トレで重要な過負荷の原則と特異性の原則とは?

 

※もちろん、立ち上がれない原因が「筋力」だけである場合の話となる

 

 

膝の屈曲角度がスクワットに与える影響

 

スクワットでは、関節の屈曲角度を深くするほど大腿四頭筋の筋活動は高くなる。

 

従って、30°の屈曲角度より、60°の屈曲角度の方が筋力トレーニングとしては有効となる。

 

ただし、前述したように高齢者は膝に構造的変化が起こっている場合も少なくなく、膝への負担も考えた場合に、「その人にとってホドホドな屈曲角度(浅すぎず、深すぎず)というのが大切となる。

 

あるいは、高齢者であれば前方の支持物を把持することでバランスを崩れて転倒してしまうことを予防することも出来る。

 

以下の動画は、スロートレーニングとして前方の椅子を把持してのスクワットとなる。

 

 

※ちなみに、この動画では極端につま先を外側へ向けている(ここまで外側へ向けるのは、あまり一般的ではない)

 

 

※リハビリ室では肋木や平行棒などを把持してのスクワットなどが例となる(椅子を把持してのスクワットは、バランスを崩した際に、軽いので支持物として機能しない場合もある)。

 

※把持する理由はあくまで「バランスを崩さないため」なため、軽く握る程度にとどめる

 

※支持物を引っ張る力を利用するなど、支持物に依存するとトレーニング効果が減ってしまう。

 

スロートレーニングについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてほしい。

 

高齢者にもオススメなスロートレーニングとは?

 

 

スクワットにおける筋活動を日常生活でも考慮

 

スクワットの屈曲角度が筋活動に与える影響を日常生活でも考慮することは重要となる。

 

すなわち、(もしも低い椅子で生活しているのであれば)高い椅子に環境を変更するだけで(立ち上がりに必要な筋活動が少なくて済むので)問題解決が図れたりする。

 

以下のイラストは極論だが、例えば非常に低い椅子(ソファーなど)を利用している場合には、問題解決手段として、まずは普通の椅子で活動をしてもらう。

 

「低いソファーで介助されながら立ち上がる」より「普通の椅子から一人で立ち上がる」ほうが運動機能の改善につながる。

 

※まずは、この様に問題解決をしたうえで、リハビリ(理学療法)によって(必要ならば)低い座面からの立ち上がりに必要な能力を獲得していくという考えも一つの発想としてアリだという事。

立ち上がり努力量の差

 

以下は、立ち上がりを楽にするために椅子へクッションなどを敷いて座面を高くしたイラスト。

 

前述した「高齢者はスクワットの代わりに椅子からの立ち座りの反復練習にしても良い」と前述したが、その際にもこの考えは役に立つ。

 

つまりは、座面を座布団か何かで補高して難易度を低くした状態で反復練習し、動作の改善に応じて座面を元に戻していくという方法で筋力トレーニングを行うことも出来る。

 

※この記事では「スクワットによる大腿四頭筋の筋トレ」にフォーカスしているので言及は控えるが、そもそも「立ち上がり動作」を考えた場合は、「筋力以外の要素(タイミング・重心移動・スピードなどなど)」のほうが重要であったりもする。

 

※そして、「まずは難易度の低い状態からリハビリ(理学療法)する」ということは、「妙な代償動作を起こさず、きれいに立ち上がる方法」を身につける上でも重要となる。

 

※もちろんセルフエフィカシーの向上にもつながる。

ちょっと『スクワット』から話が脱線したので元に戻し、次は足圧中心の位置がスクワットに与える影響を記載していく。

 

※ここから先は高齢者は全く関係なくなるので、高齢者のリハビリ(理学療法)としてスクワットの知識が欲しかった人は閉じてもらっても構わない。

 

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足圧中心の位置がスクワットに与える影響

 

スクワットをする際に、足圧中心が前方にあるか後方にあるかで、筋活動も異なってくる。

 

※足圧中心に関してはこちらを参照⇒『足圧中心(COP)とは?

 

以下のイラストで示すように、足圧中心位置を前方(前方荷重)および後方(後方荷重)にしてスクワット動作を行った時の下肢筋の筋活動としては以下の様な結果が出ている。

 

  • 大腿四頭筋は後方荷重位でスクワットをおこなう事によって筋活動は増加する。
  • 下腿三頭筋は前方荷重位でスクワットを行うことによって筋活動は増加する。
  • ハムストリングスでは前方・後方荷重によって筋活動は変化しない。

スクワットの変化

そのため「大腿四頭筋だけにフォーカスを当ててスクワットをするのであれば後方荷重な方が良い」という事になる。

 

以下の動画では、膝が「つま先」ではなく「足関節」より前方にいかない(足圧中心が前方に行かない)よう意識したスクワットになる。

 

※このほうが後方荷重なため大腿四頭筋の活動性は高まる。

 

 

また、「後方荷重の最終形態」が『空気椅子』になる。

大腿四頭筋 空気椅子

※ただし、等尺性収縮であり、機能的ではないという欠点もある。

関連記事⇒『過負荷の原則と特異性の原則

 

※単に大腿四頭筋のボリュームを増やしたいだけなら良いかもしれない。

 

空気椅子は「高齢者のリハビリ」として考えた場合は半分冗談な内容ではあるが、後方重心の例としては分かりやすいのではないだろうか。

 

話が脱線したが、これらの理由から「つま先よりも膝が前方にこないよう意識したうえでのスクワット」がポイントとなる。

 

※ちなみに「つま先に重心を乗せた(あるいは爪先立ちでの)スクワット」を体験してみてほしい。下腿三頭筋の活動は高まる可能性はあり得るが、大腿四頭筋の活動はどうだろうか?

 

 

スクワットまとめ

 

スクワットを以下の4パターンに分けて整理しておく。

 

ここまで、スクワットについてゴチャゴチャと記載してきたが、実際にリハビリでスクワットを指導する際は、この4つ(+αの補足)を理解しておけば大丈夫だと思う(多分)。

 

①膝関節屈曲30°

②膝関節屈曲60°

③前方荷重

④後方荷重

 

 

大腿四頭筋の筋活動は屈曲角度が深いほうが高まるため、①よりも②のほうが筋トレになるということを意味する。

 

ただし、高齢者では膝への負担を考慮して②より①が選択される場合もある。

 

また、大腿四頭筋の筋活動は重心が後方であるほど高まるため、③よりも④のほうが筋トレになることを意味する(前方重心では下腿三頭筋の筋活動は逆に高まる)。

 

後方重心でのスクワットをするための一つのポイントは「爪先よりも膝が前方へいかないように注意すること」である。

 

また、後方重心は大腿四頭筋の筋活動を高める反面、後方へ不安定となるため、高齢者の場合は膝を深く屈曲せず「チョコチョコ」と膝を屈伸させることによるスクワットになりがちである。

 

臀部を後方へ引いて体幹前傾させておくほうが安定するため、②の「膝をある程度屈曲できている、後方重心(膝が爪先より前へ出ていない)なスクワット」が理想であり、

 

難易度を下げるのであれば、①の「臀部を後方へ引いて体幹前傾+膝屈曲角度は浅い+後方重心」が望ましい。

 

※ただし、膝痛を有している高齢者の場合、①②では疼痛が誘発されるが、③④では誘発されない」というケースもあり、その場合はエラーを修正せずスクワットを実施してもらう事もある。

 

また、認知機能が低下している場合、椅子からの立ち座り練習もスクワットと同等な効果が得られ、座面を高くするなどで難易度を下げる(上手な立ち上がり動作の習得に応じて、座面を下げて難易度を上げていく)などの工夫も可能。

 

前額面においては、肩幅に足を開いた状態でスクワットを実施するが、エラーは「膝が内側へ入らない(ニーインしない)ようにすること」である。

また、(ニーインの運動連鎖として起こる要素でもあるが)足部の過回内もエラーとなるので注意する。

 

※また、つま先は「やや外側」へ向けておき、「膝屈伸時に、つま先と膝が常に同じ向きに向いているようにモニタリングする(要はニーインしていないか常に確認しながら屈伸するということ)。

 

※「つま先の向き」は文献によって異なり、正面に向けたほうが大腿四頭筋を満遍なく収縮させることが出来との意見がある。ただし、(体験してもらえばわかるが)エラー(ニーイン)を起こしやすかったり、膝への負担を強く感じてしまう場合があったりで、高齢者では採用されない場合が多い。

 

関連記事

⇒『ニーイン・トゥーアウト(Knee in・toe out)による運動連鎖で起こる症状

⇒『運動連鎖による理学療法 、これさえ読めばイメージ出来るよ!

 

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起立ー着座運動を紹介(間違いだらけのリハビリテーションより)

 

先ほど、「椅子からの立ち座りは動作は、スクワットに類似した効果がある」という点を紹介した。

 

でもって、書籍『間違いだらけのリハビリテーション』より、高齢者でも簡単に出来る「起立ー着座運動」を紹介して終わりにしようと思う。

 

 

※著者は「立つ動作だけでなく、座る動作にも筋活動があり大きな意味がある」との理由から「立ち上がり訓練」や「起立訓練」ではなく「起立ー着座運動」と命名したとのこと。

 

起立ー着座運動をするための準備物

 

起立ー着座運動をするための準備物は以下の通り。

 

  • 椅子(背もたれ・肘かけがあるもの)
  • 手すり

 

シートの高さは非常に重要で、単に座っておくだけであれば膝が90°屈曲するものが基本となるが、下肢筋力が低下している患者であるほど(座布団や重ねたバスタオルなどを利用することで)シートの高さを高くする。

 

※この点に関しては前述した「スクワットにおける筋活動を日常生活でも考慮しよう」を参考にしてみてほしい。

 

書籍では、通常の高さの1.5倍、あるいは膝の角度が120°以上になるよう設定することもあるとのこと。

 

※これって、かなり高めな座面設定であるが、(人によってこの様な工夫をすることで)自力で歩行困難・寝たきり状態な対象者であったとしても、この訓練が可能になるとのこと。

 

※極端に座面を補高した状態での立ち上がりを試してみてほしいのだが、少し前にかがむだけで立ち上がることができるようになる。

 

※誘導する際も、少し前屈をアシストするにとどめ、なるべく自身の下肢筋力を使用してもらうことがじゅうようとのこと。

 

 

手すりは運動時によろけたり転んだりしないために、椅子の前に置く。転倒防止なため、固定されていて、引っ張って体重をかけたりしても動かないことが大切となる。

 

リハビリ従事者(理学療法士・作業療法士)であれば平行棒を用いても良いし、自宅で行う場合であれば、ベッドの柵や廊下の手すりテーブルなどで代用することも可能。

 

ただし、手すりと椅子の距離が近すぎると、立ち上がる際に重要なおじぎ動作(重心の前方移動)を阻害していてしまうので、それだけは注意。

 

あるいはパートナーがいるのであれば、手すりでなくとも「椅子を逆向きにした状態」にして前歩に設置することで、その椅子の背もたれを手すりに見立てて運動を実施することが可能である。

 

~画像引用『間違いだらけのリハビリテーション』~

 

 

起立ー着座運動の回数に関して

 

起立ー着座運動の回数は以下の通り。

 

  1. 最初は2~3回の起立ー着座運動で休む。

    この際に、血圧・脈拍・呼吸数を調べ、無理でないかを評価する

    ⇒『バイタルサインの基準値をザックリ理解!

     

  2. 回数を次第に増やしていき、起立ー着座を5~6回に増やす。

     

  3. だんだん増やして10回できるようになれば、これを1セットとする。

    ※1セット10回の運動を1日2度の食事の前後に行うと、それだけで1日60回実施したことになる。

     

  4. 1セットの起立ー着座運動を次第に増やし20~30回、さらに50回出来るようにする。

    ※1日6~8セット行えば1日の起立ー着座動作が300~400回できることになる。

     

  5. 数日同じ訓練を行って、楽に起立ー着座動作ができるようになれば、シートを3~5センチずつ低くしていく。

    ※前述したように、シートが低いほどに負荷量が高まる。

     

  6. 通常の椅子の高さでも1日400~600回程度の起立ー着座動作が出来るようにする。

 

 

起立ー着座動作の手順

 

起立ー着座動作の手順は以下の通り。

 

  1. まず椅子に座って手すりを持つ。

     

  2. 身体を前方に傾け、両下肢に筋とに体重を乗せる。

    ちなみに書籍では、片麻痺の場合には非麻痺側下肢に体重を乗せると記載されている。

     

  3. 「イチ、ニー、サン、シー、ゴー」と言いながら、3~5秒かけてゆっくりと立ち上がる。

     

  4. 立ち上がってすぐに、また「イチ、ニー、サン、シー、ゴー」と言いながら、3~5秒かけてゆっくりと座る。

     

  5. ①~⑤を繰り返す。

 

 

個人的には、下肢に変形性関節症を有している場合はどうするのだろうか?という疑問は少し残った。

 

当然、「通常の椅子から立ち上がると膝が痛い」などでも、座面を高くすることで無痛で遂行可能となるケースは非常に多い。

 

それでも無痛でなければ、手すりを把持したり、介助もすることで無痛で立ち上がれる状態で実施する必要はあると思う。

 

また、「反復して実施することで痛みが出現する」という可能性もゼロではないため、そのようなケースでは「運動を中断する」あるいは「無痛で実施できるような再考する」など臨機応変に考えていく必要はあると思う。

 

 

また、書籍には「片麻痺の場合には非麻痺側に体重を乗せる」と記載されており、これは「転倒リスクなく出来る自主トレーニング」を想定しての記載だと思われる(著者は麻痺側を重視しすぎることにより非麻痺側下肢筋力の低下を危惧している節があるので、単純に、非麻痺側強化をしたいだけかもしれないが)。

 

 

起立ー着座運動を実施する際のスピード

 

運動のスピードは以下を目安にする。

 

  • 1分間に6回、つまり10秒で1回のペースを基本とする。
  • 心肺機能に問題があったり、虚弱高齢者であったりは1分間に3~4回など臨機応変に。
  • ペースを上げても問題が無い人は、とくにスピードは意識しない。

 

 

起立ー着座動作を実施する際のリスク管理

 

普段あまり活動をしていない虚弱高齢者などであっても、起立ー着座動作は可能である。

 

しかし、心肺機能に障害を有している人も多く、必ず最初は少なめな回数を、低負荷な状態(座面・手すり・介助などの工夫)で実施する。

 

その様な工夫をしながら、血圧の変動や不整脈・SPO2などを確認しつつ実施していく。

 

バイタルサイン(vital signs)の基準値をザックリ理解!

 

リハビリのリスク管理に『安全管理・中止基準のガイドライン』を知っておこう!

 

 

また、回数は重要だが難しい運動ではないため「楽にできる」というのをリハビリ室で確認できたら、積極的に病棟(あるいは施設、自宅であれば家族)スタッフにも伝達し、「一度に多くの回数を実施するのではなく、1日の内に小分けにして頻回に実施してもらう」ということがポイントとなる。

 

 

起立ー着座運動の効果のほどは?

 

起立ー着座運動の効果のほどは、自身でリハビリで取り入れて検証することで簡単に理解できると思うが、前述した書籍内にも効果が前面に押し出されているので確認してみてほしい。

 

また、文献としては以下も参考にしながら探してみてほしい。

 

エビデンスって必要か?

 

※例えばCiNii Articlesに『三好 正堂』と入力して検索すると文献が色々と出てくると思う。

 

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余談:片脚スクワットについて

 

最後に、余談として「片脚スクワット」について記載して終わりにする。

 

股関節周囲筋は、両脚スクワットでは5%程度の低い筋活動であるが、片脚スクワットにすることにおり股関節外転筋と伸展筋の筋活動は20~30%に増加するとされている。

 

※ちなみに内転筋は、片脚でも10%以下の低い筋活動である。

 

また、大腿四頭筋の筋活動は両脚(60°屈曲位)で30%であり、片脚にすることにより50%まで増加するとされている。

 

※ちなみにハムストリングスは片脚でも10%以下の低い筋活動である。

 

 

つまり片脚スクワットで以下の様な目的で活用することが可能と言える。

 

  • 股関節伸展筋・外転筋の強化
  • 大腿四頭筋の強化
  • それらに付随したバランス能力の強化

 

一方で、片足スクワットでは以下のエラーが起こっていないかを療法士は観察しておく。

 

以下は『片足立位バランス』の画像だが、スクワットにおける「トレンデレンブルグ徴候」と「体幹屈曲」のエラーと同じなのでイメージしやすいように掲載しておく。

 

片足立位保持 エラー

まぁ、高齢者に実施することは少ないが、もし実施するなら支持物(肋木)を把持して、フォームを乱さず、屈曲角度を浅めにしてチャレンジしてみると良いかも入れない(通常とは異なった筋活動が得られる可能性もある)。

 

あるいは、スクワットと同様に椅子(座面を高くすれば難易度が更に↓)を活用して、「片脚での立ち上がり」といった方法でも鍛えられる。

 

 

関連記事

 

大腿四頭筋のCKCトレーニングとして『スクワット』を記載してきた。

 

その他の大腿四頭筋のトレーニング(OKC)としては以下も記事にしているので、興味がある方は参考にしてみてほしい。

 

パテラセッティングって効果ある?

 

SLR運動のメリットとデメリット

 

 

大腿四頭筋に関する総まとめは以下を参照。

 

大腿四頭筋トレーニングを解説!

 

 

以下は、高齢者の筋力トレーニングにおける効果/強度/回数/内容/注意点を紹介した記事となる。

 

高齢者の筋力トレーニングを総まとめ!

 

 

CKCとOKCの違いを知りたい方はこちら(スクワットについてもフォーカスした記載となっている)。

 

CKCとOKC(+違い)