この記事では「アルツハイマー型認知症以外の認知症」として以下の2つを紹介する。

 

・脳血管性認知症

・ピック病など

 

アルツハイマー型認知症に対する理解を深めるため、他の認知症も紹介しておくので対比してみてほしい。

 

目次

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脳血管性認知症

 

まずは、脳血管性認知症について記載していく。

 

脳血管性認知症とは

 

脳の血管が詰まったり(梗塞)、破れたりして(出血)、結果的には、その血管が酸素や栄養を送っていた脳に損傷が及び、認知症が生じる。

 

つまり脳卒中(脳梗塞・脳内出血)によって生じる認知症ということで『脳血管性認知症』と呼ばれる。

 

脳血管性認知症は「脳には正常な部分と機能が失われた部分が混在するしている」という特徴を持っていることから「まだら認知症」という別名がある。

 

※一方で、アルツハイマー型認知症は認知機能が(まだらではなく)全般的に失われていくのが特徴である。

 

 

脳血管性認知症の症状

 

認知症の進行は段階的である。

 

症状には日内変動・週内変動が見られる。

つまりは、「ひどく調子が良い日があれば悪い日もある」であったり、夜には『夜間せん妄(意識障害の一種)』が起こりがちであったりする。

 

あるいは『感情失禁』も特徴的と言える。

 

能力の低下も、見当識が低下しているわりには理解力が案外しっかりしているなどの不均衡が目立つ(「まだら認知症」と呼ばれる所以である)。

 

気難しさや怒りっぽさを示しやすい。

 

また、脳卒中(脳出血、脳梗塞)のため、神経症状として片麻痺、知覚障害、言語障害をしばしば伴う。

 

ちなみに個人的には、脳血管性認知症は『高次脳機能障害』と表現したほうが良いのではと感じることもある。

 

まぁ認知症は、高次脳機能が障害されている状態と言えるので、こんなことを言い出すとややこしくなるかもしれない。

 

この点に関しては以下の記事でも解説しているので興味がある方は参考にしてみてほしい。

⇒『高次脳機能障害と認知症(+違い

 

 

脳血管性認知症の診断と予防

 

脳血管性認知症の診断:

認知症の臨床症状とCTスキャン、MRIなどにより脳梗塞、脳出血の病変の存在から診断する。

 

脳血管性認知症の予防:

高血圧、糖尿病、高脂血症が脳血管障害による認知症を引き起こす3大要因である。

なので、これらの危険因子を予防したり、早期治療することにより、認知症を予防することが可能である。

この点については『大切なのは健康寿命への着目だ!』でも深堀して解説している。

 

 

ピック病

 

最後に『ピック病』について解説して終わりにする。

 

ピック病は『前頭側頭型認知症』というカテゴリーに含まれる。

 

ピック病の特徴は以下の通り。

 

  • ピック病は発病年齢が若く、40歳代で発病するケースもある。

 

  • ピック病の3大症状は認知症・性格変化・言語機能障害である。

 

  • 万引きや住居不法侵入など非常識な行動や反社会的行為がみられる。

 

  • CTやMRIでは前頭葉や側頭葉に限局した萎縮がみられる。

 

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以下が認知症の関連記事である。

合わせて観覧してもらうことで認知症への理解が深まると思う。

 

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