この記事では、認知症(主にアルツハイマー型認知症)の治療(認知症予防・改善、悪化予防)に必要な知識に関して、リハビリ(理学療法・作業療法)にもフォーカスしながら解説している。

 

ちなみに、『認知症=アルツハイマー型認知症』ではなく他の種類も存在するのだが、この点に関して知りたい方は『ご家族も必見! 「認知症」を語る上で欠かせない基礎知識を総まとめ』を観覧してみてほしい。

 

目次

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アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは

 

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、ドイツの病理学者アルツハイマー(Alzheimer,A)が1906年に発見した症状(病気)である。

 

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)で最初に気づく症状は以下が多いとされている。

 

・見当識(季節、年月日、曜日)が曖昧になる

・即時記憶・短期記憶の障害が始まる

 

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、ゆっくりと進行するので、いつ発症したのか特定することが難しい。

 

アルツハイマー型認知症は、以下の2つを総合して為される診断される。

 

・問診で臨床症状を確認したり『長谷川式簡易知能評価テスト』を活用するなど。

・CTスキャン、MRI(核磁気共鳴画像)などで、大脳の広範な萎縮の有無を確認。

 

 

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)の症状

 

前述した内容と重複する部分もあるが、アルツハイマー型認知症の特徴を解説していく。

 

症状で特に目立つのは記憶障害で、記銘力(新しいことを覚えること)の低下が著しく、同じことを何度も尋ねたり、頼まれたことをすぐ忘れるようになる。

※最近の出来事をほとんど忘れる。

 

ひどくなると今食べた食事のことも忘れ、忘れたという自覚も無くなる。

 

時間・場所・人物に対する見当識障害もみられ、迷子になることもある。

 

その他の特徴としては以下などが挙げられる。

 

  • 計算力、理解力、判断力も不良となる。

 

  • 着衣にも無頓着となり、徘徊、不潔行為、暴力などの行動異常(問題行動)がみられるようになる。

    ちなみに夜間に徘徊すしていると『夜間せん妄』と判断れがちであるが、必ずしもせん妄であるとは限らない。

    「認知症の問題行動」なのか「せん妄」なのかで対応が異なってくる。

    関連記事⇒『せん妄とは?!原因や対策、認知症との鑑別評価法まで徹底解説!

 

  • 人格にも変化がみられるようになる。

 

 

アルツハイマー型認知症の経過

 

アルツハイマー型認知症の経過は緩徐である場合が多く、第1~第3期に分類される。

 

第1期:

物忘れから気づかれることが多い。

見当識があいまいとなってくる。自発性が次第に薄れ、生活はルーズになってくる。

身辺自立は可能である。

 

第2期:

物忘れがひどくなってくる。

失禁や徘徊が目立ってくる。

物盗られ妄想や被害妄想が出てくる。

日常生活上様々な介護が必要となってくる。

 

第3期:

寝たきり状態になってくる。

※第3期に到達するには数年から十数年かかる場合もある(生涯、寝たきり状態にならない場合もある)。

 

 

アルツハイマー型認知症の原因(発生機序)

 

アルツハイマー型認知症の原因(発生機序)としては以下などの様々な説が言われている。

 

・コリン仮説

・グルタミン酸仮説

・アミロイドカスケード仮説

・アミロイド・オリゴマー仮説

・タウ蛋白質の関与

・アポリポ蛋白質Eの関与

 

でもって、この記事では『コリン仮説』と『グルタミン酸仮説』『アミロイドカスケード仮説』について記載していく。

 

コリン仮説

 

アルツハイマー型認知症の患者では脳内の神経伝達物質のひとつであるアセチルコリン(Ach)量が減少しているとされている。

 

でもって、Achの減少を抑えることができれば認知症の治療につながるのでは?

 

っという考えのもとで開発されたのが、『Achエステラーゼ阻害薬(AchEI)』であり、実際にアルツハイマー型認知症への効果も確認されている。

 

具体的な薬剤名は以下など。

 

・ドネペジル(アリセプト®)

・ガランタミン(レミニール®)

・リバスチグミン(リバスタッチ®、イクセロン®)

 

アリセプトは認知症に処方される薬剤として非常に有名なので、一度は聞いたことがあるのではないだろうか??

 

 

グルタミン酸仮説

 

グルタミン酸は脳内の興奮性神経伝達物質で、受容体の1つにNMDA (N-methyl-D-aspartic acid)受容体がある。

 

でもって、NMDA受容体は海馬や大脳皮質に高密度に分布し、記憶に関する長期増強などにおいて中心的役割を担っている。

 

そんなNMDA受容体の障害が、アルツハイマー型認知症の記憶障害に関与しているのでは?

 

と考えられている。

 

この様な考えのもとで、アルツハイマー型認知症に以下の薬剤が処方されることがある。

 

NMDA受容体拮抗薬:メマンチン(メマリー®)

 

 

アミロイドカスケード仮説

 

『アミロイドβ』は『老人斑』とも呼ばれ、これが認知症の発症よりも20前から徐々に蓄積され始めるとされている。

 

しかし、蓄積され具合には個人差があり、生活習慣や運動習慣によても異なってくるとされている。

 

これを言い換えれると以下になる。

 

「若いうちからの正しい生活習慣・運動習慣」は認知症の発症を遅延できる可能性があることを意味する。

 

アミロイドカスケード仮説は以下の通り。

 

認知症発症よりも20年前から徐々にアミロイドβ(老人斑)が蓄積され始める。

シナプス障害

タウ蛋白蓄積

脳萎縮

認知機能低下

臨床症状

 

※運動がアミロイドβ(老人斑)の蓄積に及ぼす影響は後述する。

 

 

認知症の治療

 

アルツハイマーが認知症の治療としては以下の2つに大別され、各々について解説していく。

 

・薬物療法

・非薬物療法

 

ただし、ここから先は『アルツハイマー型認知症』を『認知症』と略して表現していいく。

つまりは、以降に記載れている認知症に関する内容は全て『アルツハイマー型認知症』関する内容なので注意してもらいたい。

 

※もちろん、他の認知症にも効果があるかもしれないが、あくまで『アルツハイマー型認知症』を想定した記事となる。

 

 

認知症に対する薬物療法

 

認知症に対する薬物療法は、以下の2つに大別できる。

 

中核症状に対する薬物療法:

前述した『Achエステラーゼ阻害薬』や『NMDA受容体拮抗薬』の処方が該当する。

 

周辺症状に対する薬物療法:

『抗精神病薬』や『抗うつ薬』や『睡眠導入剤』などの処方が該当する。

これらの処方で興奮・異常行動を抑制するといった考え。

 

 

認知症に対する非薬物療法(リハビリテーション)

 

以下が非薬物療法の具体例となる。

 

・運動

・音楽療法

・回想法

・バリデーション

・Person centered care(センター パーセンタード ケア⇒人物中心のケア)

・なじみの暮らしの継続

 

でもって、認知症へ非薬物療法を試みる際に重要となる原則は以下の通り。

 

・快刺激であること

・他者とのコミュニケーション

・役割と生きがいの付与

・正しい方法を繰り返しサポートすること

 

 

こから先は上記の非薬物療法の中で、『運動』に関するにフォーカスを当てて解説していく。

 

しかし、運動と同じくらい重要なのが(前述した項目にも記載していた)『Person centered care(センター パーセンタード ケア)』である。

 

Person Centered Care (英 Person Centred Care )は英国で生まれた認知症介護の概念で、ネットで検索したところ、この言葉は、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアのことだと説明されていました。

日本語では「パーソン・センタード・ケア」というカタカナ語に訳されています。専門家にはおそらくそれで通じるのでしょうが、一般向けなら(人中心のケア)などと後ろに補っておいたほうがいいかもしれません。

 

~引用『http://eigoyasan.blog116.fc2.com/blog-entry-2664.html』より引用~

 

でもって、Person centered care(人物中心のケア)は認知症の周辺症状を改善するための核となるため、是非以下の記事も参考にしてみてほしい。

 

認知症ケア(Person centered care:人物中心ケア)のポイントとは?

 

 

認知症予防のためのリハビリ(運動)

 

ここから先は認知症予防に関して、リハビリ(運動)にフォーカスを当てて記載していく。

 

※主には「アルツハイマー型」の認知症にフォーカスしている。

 

アルツハイマー病にと密接に関連しているものの第一は『生活が不活発であること』と言われており、これは「運動によってアルツハイマー病を予防できる可能性が高まる」と言い換えることも出来る。

 

 

 

少し専門的な内容も含まれるので、リハビリ職種(理学療法士・作業療法士)向けかもしれない。

 

 

運動が及ぼす脳に及ぼす様々な影響

 

運動が認知症に効果的だとする報告は多くあり、以下は『日課となった身体活動が
認知機能低下を防ぐこと』を示した研究結果となる。

 

 

認知症発症リスクに関して「運動習慣無し」を1とすると、

「低~中等度な強度の運動習慣がある人」ではリスクが約35%も減ったとのこと。

 

また、このイラストでのもう一つの注目点は以下になる。

 

運動の負荷は「強度」と「低~中等度」で大差がない

 

つまり、「運動強度」を基準に運動を選択するのであれば、筋トレなどの無酸素運動ではなく、気長に続けられて習慣化しやすい有酸素運動(ウォーキングなど)で十分だということを示している。

関連記事⇒『有酸素運動 vs 無酸素運動 健康寿命を延ばすのはどっち?!

 

 

また、以下の様に「有酸素運動を実施した群」と「ストレッチングを実施した群」で海馬(記憶を司る領域)体積の増加を比較した研究においても、有酸素運動の有用性が明らかになっている。

 

※ちなみに脳は加齢とともに萎縮していく(非可逆性)という考えが一般的だが、海馬に関しては「体積が増える」といった珍しい特徴を持つ(改善可能な可能性がある)部位で有名だ。

 

 

 

ラットの実験でも運動の有用性が証明されている

 

ラットの実験では、(認知症にかぎらず)運動が脳に様々な好影響を及ぼすことが確認されている。

 

例えば、以下の2種類では後者の方が『海馬の神経細胞の増加』『できごとの記憶が良くなる』などの好影響がみられた。

 

・遊び道具がない環境で、一匹だけで過ごすマウス

・多くの遊び道具が提供された環境で、多くの仲間と一緒に過ごすマウス

 

 

また「運動」単独で見た場合でも、(人間・マウス共に)以下などの効果が確認できている。

 

・PGC1α産生

・FNDC5誘導

・脳由来神経栄養因子(BDNF)分泌促進

・神経細胞活性化

 

 

 

人においても、運動によって以下などが脳内で生成されることが分かってる。

 

 

 

運動はアミロイドβ(老人斑)の蓄積を抑制する

 

アルツハイマー型認知症の仮説の一つである『アミロイドカスケード仮説』の項目でも記載したように、アミロイドβ(老人斑)の蓄積が認知症に繋がるとの仮説が存在する。

 

でもって(再びラットの実験に戻るのだが)、この「アミロイドβ(老人斑)の蓄積」は「豊かな環境下での運動」によって抑制されることがラットの実験でわかっている。

 

 

ラットの実験からは「運動の有用性」だけでなく、「豊かな住環境(遊び道具が豊富・仲間が多いなど)」の重要性も示している。

 

この点からも、高齢者が自宅で一人で閉じこもりになっていると認知症になり易く、外出して楽しめる趣味をみつけたり、地域のコミュニティーや通所サービス(通所リハビリ・通所介護)に参加したりが重要であることが示唆される。

 

 

社会参加・余暇活動・精神活動の重要性

 

 

社会参加・余暇活動・精神活動による認知症予防効果は、多くの観察研究で証明されていおり、具体的には以下などが挙げられる。

 

  • 社会参加が積極的なほど認知症発症率が低下し、認知機能の低下を抑制する。

    (Krap A et al. Dement Geriatr Cogn Disord 2006、Scarmeas et al. Neurology 2001)

 

  • 旅行、編み物、ボードゲーム、園芸などの余暇活動が認知機能低下の予防に効果がある。

    (Menec VH et al. J Gerontol B Psychol Sci Soc Sci 2003、Ghisletta P et al. J Gerontol B Psychol Sci Soc Sci 2006)

 

 

社会参加というと難しく聞こえるかもしれないが、何らかの役割を担ったり、他者との触れ合いを増やしたりなどは社会参加に該当する。

 

でもって、介護保険における通所サービス(通所リハビリ・通所介護)は社会参加を促進するとともに、余暇活動・精神活動も増えるため、認知症予防に貢献できる。

 

※もちろん、地域のコミュニティーを最大限利用するような情報提供が出来ることも大切だ。

 

 

認知症に対する有酸素運動を詳しく紹介

 

ここからは、認知症予防に重要な『有酸素運動』に関してウォーキングにフォーカスを当てて詳しく解説していく。

 

有酸素運度(ウォーキング)を実施する際のポイント

 

有酸素運動とは「(マイペースでのんびりと)長時間実施し続けることができる運動」と表現できる。

 

でもって有酸素運動は「長時間実施し続ける運動」なので、基本的には数十分持続して運動するのが一般的である。

 

軽度な運動を一定の時間継続することで、呼吸回数や呼吸の量が増し、積極的に酸素を血液の中に取り込み、血流の改善とともに脳や全身への酸素供給を増加させ、新陳代謝などを促進できる。

 

でもって、「気軽に出来て飽きにくい有酸素運動」としてはウォーキングがオススメである。

 

ただし、「認知症予防」や「生活習慣病を予防して健康寿命の延ばす」といった目的を持たせるのであれば、以下の様なウォーキングが効果的。

 

・歩幅を少し広げて、少し速めに歩く

 

・歩く時には、ひじを大きく振る

 

・視線は5mくらい先におく

 

・少し息が早くなる程度のペースで約10~30分歩く( 途中で休憩を入れてもOK)

 

 

 

文献としては、歩行と認知症の関係について以下の様な報告もある。

 

米国イリノイ大学の研究結果などから、1年間、1週間に10~15㎞歩いた人は、13年後に認知症になる確率が50%減少していた。

また、1年間、週に3回有酸素運動をした人たちは、記憶力のテストが約3%向上していた。

 

 

有酸素運動の関連記事

 

認知症の予防・改善に「有酸素運動」が効果的な可能性を記載してきた。

 

でもって認知症は「健康寿命」とも密接に関連している。

 

そんな「健康寿命」を有酸素運動とも絡めて深堀した記事が以下になる。

 

重複するが、認知症は健康寿命とも密接に関連してくるため、合わせて観覧してもらうと認知症への理解も深まると思う。

 

大切なのは健康寿命への着目だ!

 

 

認知症の予防・改善が期待できるリハビリ(運動)の具体例

 

ここまでは認知症に対する運動として『有酸素運動』にフォーカスを当ててきたが、それ以外の運動についても記載していく。

 

これ以降の記事は「単に体を動かす」というだけでなく「頭も使う」ため、リハビリ(理学療法・作業療法)として取り入れられているものも含まれる。

 

 

拮抗運動(きっこううんどう)

 

拮抗運動とは、体の左右で同時に別々の動きを指す。

 

例えば、右手をグーの形に握って前に突き出し、同時に左手はひざの上でパーの形に開く運動などが該当する。

 

左右異なる動きに意識を向けた運動を行うことで認知機能に関与する脳の領域(前頭前野)の活性を目的としている。

 

拮抗運動のポイントは「ゆっくりとした簡単な動きから始め、徐々に運動のスピードと難しさを増していく」とう点である。

 

 

以下のイラストは拮抗運動の一例である。

 

  • 左イラスト:

    「右手でトントンと太ももを叩く」と「左手で太ももを前後にスリスリとさする」という動きを同時に実施している。

 

  • 右イラスト:

    「右手でトントンと太ももを叩く」と「左手で太ももを内外へスリスリとさする」という動きを同時に実施している。

 

※右利きであれば、非利き手側(左手)でトントンしようとしても、慣れないと上手くできない。

 

※なのでまずは、(右利きであれば)「右手トントン・左手スリスリ」を実施して動きを理解した上で、「左手トントン・右手スリスリ」を実践しよう。

 

※何はともあれ、リハビリ(理学療法・作業療法)職種であれば、指導する前にまずは自身でも試してみよう。左右差が理解できるはずである。

 

※でもって、右手トントンが出来るレベル(で尚且つ反対側が難しいレベル)であるならば、最初は難しくても何度か練習すれば大概の人は出来るようになる。でもって(この運動単体がどの程度認知症予防に効果的かは不明だが、「出来なかったことが、繰り返しによって出来るようになるんだ」という点が体感出来るため、『自己効力感』が高まり、他の運動に関しても前向きになってもらいやすい。

 

上記はあくまで一例であるが、同様に左右で異なった動きをする(拮抗運動)というのは、リハビリ(理学療法・作業療法)としていくらでも応用が可能である。

 

 

認知症予防にデュアルタスク(二重課題)トレーニングを取り入れる

 

デュアルタスク(二重課題)トレーニングとは以下を指す。

 

2つ以上の課題が同時に課されるようなトレーニング

 

※前述した『拮抗運動』も異なる課題を同時に課されるため二重課題トレーニングに該当する。

 

 

単なるデュアルタスク(二重課題)としては「料理をする」などが挙げられる。

 

料理は同時にいくつもの作業をこなすほどに効率が良く料理が出来上がるので、頭の中であれこれと同時に考えながら手を動かす。

 

これは二重課題の一例で、そういった意味では「家事をしない男性」と「家事をする女性」では後者の方が認知症予防のトレーニングを日常生活の中で実践しているという事になる。

 

※男性は「家事をする男性」になることをお勧めする。

 

※ただし、ここまで記載しておいて卓袱台を引っくり返すようであるが、認知症予防には「多少、脳に負荷がかかるトレーニング」の方が効果的とされている。

車の運転に例えると、初心者ドライバーが実施する車の運転は脳が非常に活性化されるだが、ベテランドライバーが運転しても脳はあまり活性化されない(自律的に操作している)。

 

なので、家事は二重課題に該当するのだが、女性は家事に慣れてしまっているので「脳への負荷」という意味では疑問が残る。

 

でもって、前述した有酸素運動であるウォーキングの最中にしりとりをするなどは、脳への負荷が多少かかるため、認知症予防のデュアルタスク(二重課題)としてはオススメできる。

 

でもって、デュアルタスク(二重課題)を取り入れた運動は『学習併行型運動』などとも呼ばれる。

 

学習併用運動とは:

 

国立長寿医療研究センターが開発した体を動かしながら脳を鍛える、認知症の予防に役立つ新しい運動です。

 

基本的には下肢の運動やウォーキングなどの有酸素運動を行うのに加えて、脳を働かせる計算やしりとりなどを同時に行います。

 

運動の目安は、1日30分、週に3日以上行うことが推奨されています。

 

~『理学療法ハンドブック 健康寿命』より引用~

 

 

『脳への負荷』よりも『継続性・楽しみ』を優先させたいなら『友人・家族と会話を楽しみながらのウォーキング』などでも良いと思う。

 

※楽しく継続することに意味があるので。。

 

朝晩と夫婦で会話を楽しみながらウォーキングを楽しむのは夫婦円満の秘訣にもなり得るし、認知症予防・(生活習慣病予防による)健康寿命の延長にも貢献でき非常にオススメできる。

 

 

もっとリハビリ(理学療法・作業療法)色を強めたいのであれば、有酸素運動に計算を取り入れるのもオススメ。

 

ただし、ウォーキングしながらの計算は、計算に注意が向きすぎて(歩行が疎かになって)転倒する危険性があるので注意しよう。

 

なので、足踏み(有酸素運動)をしながらの計算が安全で良いかもしれない。

 

具体的な方法は以下の通り。

 

・ 左右に交互に足を一歩ずつ横に移動させる。

・ 上記の運動をしながら、100から3ずつ引いていく引き算を行う。

・ 計算は7ずつの引き算や足し算などにかえても良い。

・ 他の簡単な運動に変えても構わない。

 

 

この記事の参考文献

 

この記事は、主に以下の2つを参考に記載している。

また、画像に関しても全て以下の2つから引用している。

 

・パンフレット『理学療法ハンドブック 健康寿命』

・理学療法士協会 認知症予防PDF

 

 

デュアルタスクの関連記事を紹介

 

最後に、デュアルタスクの関連した動画+関連記事を紹介して終わりにする。

 

以下の動画のタイトルは『シナプソロジー』となっていうが、これは、「昭和大学脳神経外科の藤本司名誉教授」と「スポーツジムでおなじみの(株)ルネサンス」が独自に開発した『二重課題(デュアルタスク)を活用したトレーニング』となる。

 

 

でもって、「デュアルタスク」「デュアルタスクトレーニング」とは何かについて知りたい方はぜひ観覧してみてほしい。

二重課題トレーニングは認知症予防だけでなく、転倒予防にも活用されており、この記事は転倒予防にフォーカスした記事でもる。

 

デュアルタスク(二重課題)トレーニングとは?

 

 

また、デュアルタスクトレーニングを認知症予防とも関連付けて解説した記事となる。

コグニサイズという認知症予防のトレーニング(動画あり)にフォーカスした記事なので、こちらも合わせて観覧してみてほしい。

 

認知症予防にコグニサイズ(デュアルタスク)を紹介

 

 

認知症の関連記事

 

以下が認知症の関連記事である。

合わせて観覧してもらうことで認知症への理解が深まると思う。

 

ご家族も必見! 『認知症』を語る上で欠かせない基礎知識を総まとめ

 

認知症ケア(Person centered care:人物中心ケア)のポイントとは?

 

アルツハイマー型認知症以外の認知症(脳血管性認知症・ピック病)を紹介