『認知』という用語は、心理学・言語学・脳科学・認知科学などの専門性ごとで異なる考え方・用いられ方が存在する。

 

医療専門職であるセラピストがリハビリテーション上で用いる「認知」とは、脳の刺激入力システムにおいて「感覚・知覚→認知」の図式で理解されることが多く、インプットされた知覚刺激を判別処理する一連の過程に近い意味を持っている(つまり思考までは含まれない場合が多い)。

 

この意味で認知を用いる場合、「知覚と認知」・「感情と認知」の機能分化が図られている場合が多い。

 

他方で、一般的な心理学で用いる認知とは、「外界の対象を知覚し、過去の知識、記憶、形成された概念と照合して思考、考察、推理しそれを解釈し、理解する心理過程」を意味し、「思考・考え方」も含まれる。

 

そして、認知行動療法で用いられる「認知」の意味は、一般的な心理学で用いられる解釈(思考・考え方を含んだ解釈)を指す。