この記事では、『ABC理論(ABC思考法)』について、簡単に紹介していく。
ABC理論(ABC思考法)とは
ABC理論(ABC思考法)とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が提唱した理論療法(心理療法)であり、認知行動療法にも共通した考えを持っている。
それもそのはずで、ウィキペディアには以下のように記載されている。
論理療法(ろんりりょうほう、Rational therapy)とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した心理療法で、心理的問題や生理的反応は、出来事や刺激そのものではなく、それをどのように受け取ったかという認知を媒介として生じるとして、論理的(rational、あるいは合理的)な思考が心理に影響を及ぼすことを重視している。
後にアーロン・ベックが、認知療法(Cognitive therapy)を提唱するが、本項目で解説する論理療法はそうした認知に焦点を当てる認知行動療法の最初のものである。
理論としては、「出来事(A)、ビリーフ(Belief、信念)、結果(C)のビリーフ(B)のうち、非合理的なイラショナル・ビリーフを論駁する」という、ABC理論を特徴とする。
※ウィキペディアの文章は分かり辛いが、要は「ABC理論は、認知行動療法の考えと通づる部分があるよ」というのが言いたかっただけである。
ABC理論は、論理的な反論(Dispute)と効果的新ビリーフ(Effective New Belief)を加えてABCDE理論として解説されることもある。
でもって、ここから先は『ABC理論』の具体例を簡単に紹介してみる。
ABC理論とは? 具体例で解説
自分たちの野球チームが試合に負けてしまったという、全く同じ「うまくいかない状況」を体験しても、子供によって落ち込んで立ち直れない子供がいたり、次の試合に向かってさらにやる気を出す子がいたりと、その「結果」は全く異なるものになる。
この違いは、それぞれの子供の「状況の捉え方・考え方」の違いから生まれると考えられている。
そして、それを分かりやすく示したのがアルバート・エリスの『ABC理論』である。
ABC理論における、「A」「B」「C」はそれぞれ以下を指す。
A(Activating event):
様々な出来事
B(Belief):
考えや思い。その状況についての「考え方」や「捉え方」
C(Consequence):
結果。
※例えば、そのうまくいかない状況(A)の後に、どの様に感じ(B)、行動(C)するか。
「うまくいかない状況」が自動的に「結果」をもたらすように思えることが多いが、ABC思考法では具体的な「結果」をもたらすのは「状況の捉え方・考え方」であると考える。
「自分のせいで負けた、もうこれでおしまいだ」と考えたから、試合に負けたという「状況」に対して、落ち込むという「結果」が出てくる。
同じ「状況」に対しても「今日は調子が悪かったから負けたけど、次は頑張れば良い」という考えならば、練習に走っていくという「結果」かもしれない。
ここでは野球に例えたが、ABC思考法は全ての考えに当てはまる。
コップに半分入った水を
「もう半分しか残っていない」と考えるのか
「まだ半分も残っている」と考えるのか
それは、「A(様々な出来事)」を「B(あなたが、どう捉えたか)」ということである。
そして、「B(あなたが、どう捉えたか)」によって「C(例えば、悲観的・楽観的どちあの感情を起こすか、あるいは大切に水を扱うか後先考えずにもっと飲んでしまうか)」に影響を与える。
重複するが、「A(様々な出来事)」が必ず同じ「C(結果)」をもたらすのではなく、「B(あなたが、どう捉えたか)」で大きく「C(結果)」は異なってくる。
認知行動療法を徹底解説!!
重複するが、様々な出来事をどの様に捉えるかは、あなた次第なのである。
この点は、『認知バイアス』として以下のサイトでも深堀しているので、
興味がある方は参考にしてみてほしい。