この記事では認知行動療法(の認知療法)に活用出来そうな、「読書療法」と「痛み動画」について記載していく。

 

特に記事の最後に掲載している動画は「痛みを理解する上で、世界で一番分かり易い動画」だと思うので、ぜひ一度観覧してみてほしい。

 

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痛みに対する正しい知識を身につけよう

 

痛みを抱えたクライアントは、誤った思い込みや不必要な不安・恐怖を有している場合がある。

 

これは、認知バイアスがかかった状態だが、このバイアスを修正することができれば、『自己効力感(セルフエフィカシー)の向上』や、『脳の疼痛抑制系』を賦活につながる可能性がある。

 

そのため、痛みに対する基礎知識を分かり易く伝えることは大切で、動画や冊子を渡して自己学習してもらうのも効果的と言える。

 

別記事で紹介した番組『認知行動療法が理解できる!「腰痛・治療革命」』の中でも、映像を見ることによる疼痛軽減が紹介されており、番組では以下のような理屈ではないかと推論している。

 

①映像を見て正しい知識を得ると、恐怖や不安などが弱まり、DLPFCへのストレスが減る。

 

②すると、DLPFCから痛み回路の興奮を鎮めるための指令が適切に送れるようになり、幻の痛みが消失する。

 

いずれにしても、正しい知識を学習することで鎮痛が望めることは事実であり、オーストラリアでは腰痛対策のコマーシャルを繰り返し流すなどの国家をあげた取り組みの結果、国民に正しい腰痛の知識を浸透させることに成功し、患者の数が激減したことが番組内では紹介されている。

 

また、正しい知識を得るための自主的な行動としては、コマーシャルや番組などによる学習の他に、読書療法も有名だ。

 

特に本を使用した『読書療法』はオーストラリア以外の様々な国で広まっており、書店でも痛みに対する幾つもの一般書籍や絵本などが売られている。

 

今回は、おススメな書と籍映像を以下に掲載しておこうと思う。

 

 

読書療法としておススメ書籍

 

痛みを理解する上で、世界中に読書療法として活用できる多くの本が存在している。
その中には、子供でも理解できるように絵本で記された書籍もある。

 

日本には絵本は見かけたことは無いが、一般書籍として読書療法に向いているものもあるので紹介してみようと思う。

 

※ちなみに、読書療法に適した本とは「読んだだけで痛みが和らぐ」といった特徴を持った本と言える。

 

 

腰痛は怒りである

 

 

読書療法に適した本として有名な書籍となる。

 

著者である長谷川 淳史氏はジョン・E・サーノ博士が提唱したTMS理論に精通されている方で、この他にも多数の読書療法に適した書籍を出版している

 

※この書籍を読んでもらうことで、「読書療法が疼痛に与える効果を検証した文献」なんかも存在する。

 

 

サーノ博士のヒーリング・バックペイン―腰痛・肩こりの原因と治療

 

 

ジョン・E・サーノ博士の著書の訳本で、これも前述した長谷川 淳史氏が翻訳している。

 

著書の中では「潜在意識下に抑圧された不安や怒りなどの感情が、筋肉の緊張と痛みを引き起こす」として、「自分の心を深く見つめ、無意識化の世界に気づく一方で、いたずらに痛みを恐れないことが、肩こりなどの痛みを解消する第一歩である」と指摘されている。

 

このサーノ博士が提唱しているのが『TMS(緊張性筋炎症候群)』と呼ばれるもので、TMSは「心の緊張によって筋肉が硬くなって痛みを引き起こす症候群」という意味になる。

 

サーノ博士は「筋骨格系の痛みは坐骨神経痛なども含めてすべて心因性疼痛である」という、ややぶっ飛んだスタンスなため、身体的なアプローチは全否定している。

 

ただ、読書療法としては、(理屈が通っていて、効果も実証されているのであれば)これくらいオーバーシュート気味にぶっ飛んだ主張のほうがインパクトが強く、クライアントにも響きやすいのかもしれない。

 

 

いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法 第二版

 

人は皆、何かしらの「考え方のクセ」を持っている。

 

良いクセ、悪いクセ、どちらもあるが、ストレスを感じやすい人は否定的思考に陥りやすい傾向がある。

 

そのネガティブな思考のクセを「認知のゆがみ」として提唱したのは、認知行動療法の創始者と言われるアーロン・T・ベック博士であった。

 

そして、その考え方を分かりやすく広めたのが認知行動療法のパイオニアと言われるデイビッド・D・バーンズ博士であり、この本の著者である。

 

この本は、うつ病や不安障害、パニック障害の人に大変役立つとされており、痛みに付随する負の情動を抑制するためにも効果が発揮されると考えられている。

 

この本は、読むことによる抗うつ効果がメタアナリシスの方法で科学的に検証されたエビデンスを有する世界でも稀有な書籍でもあり、アマゾンレビューでも好評な良書である。

ただし、全824ページなため、根気が必要かもしれない・・・・

 

 

いやな気分よ、さようなら コンパクト版

 

前述した『いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法 第二版』のコンパクト版がこの書籍である。

 

コンパクト版ということで、全824ページから488ページに凝縮されている。

※それでも488ページあるのだが・・・

 

 

腰痛放浪記 椅子がこわい

 

腰痛持ちであるお患者の立場から書かれた本で、アマゾンレビューでも「痛みが辛いときに元気づけられる」「読むと痛みが軽減された」など多数の声が寄せられている。

 

また、『「腰痛持ち」をやめる本 (切り札はたった3秒の習慣)』の中の体験談でも紹介されている。

 

 

マインドフルネスストレス低減法

 


厳密な意味での読書療法ではないが、今話題のマインドフルネス(瞑想なども通して認知バイアスの修正を図る)が分かりやすく解説されている書籍なため掲載してみた。

 

 

脳で治す腰痛DVDブック

 

NHKスペシャルとして2015年7月12日に放送された『腰痛・治療革命 見えてきた痛みのメカニズム』という認知行動療法を取り上げた医療科学ドキュメンタリーがあり、従来の腰痛治療の常識をくつがえす最先端の情報を紹介し、大きな話題を集めた。

 

そんな『腰痛・治療革命』をDVDブック化したのが上記の書籍である。

この番組に関しては、以前に記事へまとめているのでこちらも参考にしてみてほしい。

 

認知行動療法が理解できる!「腰痛・治療革命」(書籍:脳で治す腰痛DVDブック)を紹介

 

 

読書療法のまとめ

 

書店で買った本を読むだけでも痛み、の知識が得られ、認知・行動・感情の整理が出来る場合がある。

 

一般書籍を用いて行う読書療法で大切なポイントは、平易な表現を用いて分かり易く書かれているという点も含まれる。

 

ただし、クライアントの中には重度な抑うつ傾向を有している人もいるため、読書をする元気が出なかったり、深い思考が苦痛になってしまったりなケースもあるだろう。

 

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そして、その様な場合は、難解な文章では本を読みこなすことが出来ず、読書療法に挫折してしまう可能性がある。

 

そんな際は、まず導入として動画や簡単なパンフレットから入ってもらうのも良いかもしれない。

 

その意味では、前述した『脳で治す腰痛DVDブック』などはDVDも付属されているため、ボーっと映像を通して頭に知識を入れることも出来るので、導入としてはおススメできる。

 

※『読書療法』という治療法自体に興味がある方は、外部リンクとして以下も参照してみてほしい。⇒『外部リンク:読書療法

 

あるいは、最後に紹介する「ドイツ子供痛みセンターが作成した動画」も、分かりやすいのでおススメだ。

※個人的には、痛みを理解するうえで、世界で一番分かりやすい動画だと思っている。

 

 

痛みを理解する映像で世界で一番分かりやすい動画

 

最後に、痛みに関する正しい知識が子供でも理解できるよう工夫された映像を紹介して終わりにする。

 

この動画は「ドイツ子供痛みセンター」が製作した動画を日本語吹き替えしたもので、内容思わず見入ってしまうような内容になっているので、ぜひ観覧してみて欲しい。