この記事では『笑顔の重要性』を解説した記事になる。
記事の最後には動画も添付している。
私のお気に入りの動画なため、(っていうか、この動画を紹介したいがために作った記事なため)ぜひ一度視聴してみてほしい。
笑顔の可能性
マザーテレサの名言の一つとして以下がある。
『We shall never know all the good that a simple smile can do』
日本語に訳すと以下の通り。
『単なる笑顔であっても想像できないほどの可能性があるのよ』
「楽しい感情を伴った笑顔」の効果は古くから心理学的に調べられており、以下の様なポジティブな報告が多くなされている。
・問題解決を容易にする
・記憶力を高める
・集中力を高める
・・・・・・・・・・・・・・・・・・などなど。
※病気に対するポジティブな報告も多数ある。
からくりサーカスの「庄二」と「フランシーヌ人形」のやり取り
私は『からくりサーカス』というマンガが好きなのだが、このマンガのテーマの一つは「笑顔」である。
でもって、個人的に印象的なシーンが多々あるのだが、その中の一つを引用してみる。
※多分、観覧してもストーリーを知らないとピンとこないとは思うが・・・
※からくりサーカスは数あるマンガの中でも、ちりばめられた伏線が見事に回収できている秀逸な作品なので、(絵柄の好みは分かれると思うが)興味がある方は是非読んでみてほしい。
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ガタン ゴトン
コロコロ
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「・・・・・・・」
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おっ、鞠(まり)か。
よしよし。
ほれ、遠くまで転げなくて良かったな。
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ペコ
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ははっ
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笑った・・
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あ??
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あなたがボールを取ってやり、
あの子供が笑った。
そして、あなたも笑った・・
私はボールを取ってやらなかったから、
あの子供は笑わなかった。
他の者に何かをしてやり、笑ってもらい、そして自分が笑える。
私が、他者に何かをしてやれば笑いかけてもらえるのでしょうか?
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違うなフランシーヌ。
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![](https://physioapproach.com/wp-content/uploads/2017/03/109a69ced15540609503d516f6c4a03e.png)
「笑う」ということを、物のやり取りの様に考えるなよ。
私がボールを取ってやったのは、あの子に笑ってほしかったからじゃない。
私が笑ったのも、あの子が笑ったからじゃない。
全ては自分で自然に起こったことなんだ。
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自分で・・・
自然に・・?
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あの子供も 、鞠を取ってくれた私にお返しするために、
義務で笑ったわけではないと思う。
それに、他人に笑いかけてくれたからとて、
おまえが笑える道理はなかろう?
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はい・・・
私には、人間の「笑い」の法則性が理解できません。
自動人形たちが調べたところ、人間には2種類の笑いがあり、
一つは快感による本能の笑いで、
二つ目は、社会的交際上の笑いで、その中には、緊張が解けた時の笑いがあって、それが先ほどの・・・
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おいおい
ちょっと待てよ。
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原因と結果の論理ばかり追っていると、
大切なことを落っことしてしまうぞ。
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大切なこと・・・
とはなんでしょう?
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人間の世界は
理屈と理屈のすき間で動いてるってことさ。
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・・・私には・・・
わかりません・・・
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ま、人間の私でもそこのトコロは結構難しいけどな。
ま、これだけは言っておこう。
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おまえが、「笑える」時は、
おまえが何の見返りも求めない時だということさ。
![](https://physioapproach.com/wp-content/uploads/2017/03/7bf776ed3d151ad22ed06fcad15a2422.png)
私が・・
何の見返りも求めない・・・
そして、この電車で行き着いた村で、フランシーヌ人形は笑う事になる。
一体、「見返りの求めない笑顔」を見せたフランシーヌ人形に何が起こったのだろうか?
※画像引用:『からくりサーカス(25) (少年サンデーコミックス)』
幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになれる
「からくりサーカス」に脱線したが、通常は「楽しいから笑う」であったり「幸せだから笑う」と思われがちである。
しかし、「楽しい感情を伴った笑顔」でなくとも、「表情を作るだけ」で前述した効果が得られることも分かってきている。
つまりは、「楽しくなくても、笑顔を疑似的に作れば、感情は後からついてきて、様々な恩恵が受けれる」という事になる。
ドイツの学者が下記のような論文を掲載している。
- 被験者に箸を横に咥(くわ)えてもらい笑顔を強制的に作る
※箸を横に咥えると、口を横に開いたイーっという表情になり、笑顔に似た表情になる。
- すると、笑顔に似た表情を強制的に作った側は、ドーパミン系の神経活動が変化したことが確認できた。
※ドーパミンは快楽に関係した伝達物質であることを考えると、楽しいから笑顔を作るというより、笑顔を作ると楽しくなるという逆因果が、私たちの脳にはあることが分かっている。
ドーパミンとは脳中枢に存在する神経伝達物質のことで、ホルモンの一種。
常時分泌されているわけではなく、何か行動を起こす時、その動機を考え学習する際や快感を得て分泌されることもある。
これが少ないか分泌されないとパーキンソン病になったり、多すぎると幻覚や運動機能障害・統合失調症の一種を起こす。
~電子辞書カタカナ語新辞典より~
関連記事⇒『ドーパミンは脳を興奮させる物質だ!』
また、「恐怖」の表情について下記のような実験がある。
- 被験者に恐怖の表情をさせて、その時に生じる様々な身体の変化を調べた。
※ここで注意したい点は、被験者は自身の感情に従って恐怖の表情をするのではなく、だだ恐怖を感じているフリをするだけということ。
- すると「恐怖の表情を作るだけ」で以下の反応がみられた。
・視野が広がった
・眼球の動きが速まった
・遠くの標的を検知できるようになった。
※更には、鼻腔が広がり、呼吸数も高まった。
この実験は、「恐怖への準備は、恐怖の感情そのものではなく、恐怖の表情を作ることによってスイッチが入る」ということの可能性を示している。
これら、「笑顔」や「恐怖」の実験から分かることは、
「気持ち・感情に表情が引っ張られる」という事も有り得るが、
「表情に気持ち・感情が引っ張られる」ということもあり得るということだ。
この様な「表情と感情の因果関係を示す実験」は多々行われており、「表情を作る目的は、情動を表出するためではなく、むしろ情動を作り出すことだ」と主張する心理学者もいたりする(この説は『情動の顔面フィードバック説』と呼ばれる)。
『笑う門には福来る』という諺があるが、暗い気持ちでムスッとしたい時でも笑顔でいると、それだけで人は恩恵が受けれるのかもしれない。
なぜ人は笑うのだろう?
最近TVで観たグリコのCMが地味に心へ響いたので紹介する。
30秒の短い動画であり、万人に響く類のCMではないかもしれないが、観覧してくれた数人にでも印象に残ってもらえれば幸いである。
グリコのCM フルバージョン
1分30秒のフルバージョンもあるので、興味がある方はこちらも再生してみてほしい。
ストーリー性がグッと増しており、テロップの量も若干増えている。
最初はムスッとしていた妻夫木聡の表情が、最後はとびきりの笑顔に変わっていたのが印象的だ。
※記事の冒頭で掲載した言葉は、以下の動画の文字を起こしたものである。
最後に、このフルバージョンのナレーションを文字に起こした言葉を引用して終わりにする。
人はなぜ笑うのだろう?
笑顔がなくても、生きてはいける。
笑顔でいると頼りにされる。
笑うと脳が活性化する。
笑顔は300フィート先でも認識できる表情。
誰かと一緒の方が30倍も笑いやすい。
子供は一日平均400回笑う。
大人になると15回に減る。
笑顔の人の方が記憶に残りやすい。
大切な人を想うと、自然な笑顔になる。
世界でたった一人だったら、人はきっと笑顔になれない。
幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになれる。
あなたが笑うと世界が変わる。
関連記事
⇒『相手の気持ちが伝播する??「ミラーニューロン」を解説するよ』