この記事では、パーキンソン病について解説している。

 

パーキンソン病とは

 

パーキンソン病とは以下を指す。

 

安静時振戦、筋強剛、無動(寡動)、姿勢調節障害の4主徴を示す慢性進行性の錐体外路疾患。黒質線条体の変性によるドパミン代謝障害が主因。発症年齢は50~70歳が多く、4主徴に加え、前屈姿勢、脊柱側脅、すくみ足、小きざみ歩行、仮面様顔貌、構音障害、自律神経障害抑うつ症状などを示すことがある。発症は一側上肢の振戦から始まることが多く、進行は緩徐で徐々に姿勢調節障害をきたし、寝たきりになる。

~『書籍:理学療法学事典』より引用~

 

パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)は神経変性疾患のなかで最も多く、高齢になるにつれて罹患率は増加している。

 

病因は中脳黒質変性症のドパミン作動性神経の変性である。

 

症状は振戦、固縮、無動、姿勢反射障害の四大徴候が有名であるが、これら運動症候以外に、自律神経障害、精神症状、疼痛、疲労などの非運動症候がある。

 

進行とともに、前傾姿勢やすくみ足が出現し、転倒のリスクが増える。

 

抗パーキンソン病薬による薬物治療の効果は数年間は安定しているが、経過とともに、薬の効果が短くなるwearing-off現象や、内服した時間に関係なく症状が良くなったり悪くなったりするon-off現象がみられるようになる。

 

そのため、早期より薬物治療だけでなくリハビリ(理学療法)を組み合わせ、ADL(日常生活活動)QOL(生活の質)の維持・向上を図ることが重要である。

 

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パーキンソン病を罹患した有名人

 

パーキンソン病を罹患した有名人は多いが、特に以下の2人は有名ではないだろうか。

 

  • モハメドアリ(ボクサー)
  • マイケル・J・フォックス(俳優:バックトゥザフューチャーの主演など)

 

 

パーキンソン病が起こる仕組み

 

脳に入ってきた指令(例えば手足を動かす、歩行するなど)は、以下の流れで伝達され、最終的に動きに繋がる。

 

  1. 黒質(線条体で情報伝達に使われるドーパミンを作る)

  2. 線条体(ドーパミンとアセチルコリンという神経伝達物質が、線条体からの指令を大脳皮質に伝える)

  3. 視床・大脳皮質(線条体から伝えられた指令を、視床から大脳皮質に伝える)

  4. 脊髄(大脳皮質からの指令が、脊髄に伝わる)

  5. 筋肉(脊髄から枝分かれした神経が、全身の筋肉に繋がって、運動の指令を伝える。これにより運動が起こる)

 

ここから先は、パーキンソン病が生じる原因となる「黒質⇒線条体の間における神経伝達物質のやり取り」にフォーカスしていく。

 

 

黒質から線条体への神経伝達物質の移動

 

神経伝達物質には様々な種類があるが、黒質と線条体をつなぐ神経伝達物質はドーパミンである。

※で、線条体から線条体へはアセチルコリンという神経伝達物質でつながれている。

 

この2つの物質が、運動の指令を全身に張り巡らされている神経網にスムーズに伝え、筋肉を動かして、最終的な運動を起こしている(前述した通り)。

 

この、ドーパミンアセチルコリンの移動をイラストにしたのが以下になる。

 

黒質から分泌されたドーパミンを、線条体の「ドーパミン受容体(ドーパミンの受け皿)」で受け取ることで、線条体からアセチルコリンが分泌量が調整される。

 

で、通常であれば脳からの指令を伝える神経伝達物質が正しく働くが、パーキンソン病で起こる運動障害の症状は、ドーパミンが減って少なくなる分、アセチルコリンが過剰になって、二つの物質のバランスの乱れが生じてしまう。

 

 

ドーパミンとアセチルコリンのバランスが崩れる

 

パーキンソン病は、「ドーパミンの分泌自体が減ってしまう」などの理由によって「アセチルコリンとのバランスが崩れること」によって生じる。

 

この「バランスの乱れ」をイラスト化したのが以下のイラストになる。

 

 

 

青色がドーパミン・赤色がアセチルコリンとなる。

  • 上段はドーパミンアセチルコリンが釣り合っている(バランスが乱れていない)状態。
  • 下段はドーパミンが小さくて、アセチルコリンと釣り合っていない(バランスが乱れている)状態。

 

 

 パーキンソン病の主な徴候

 

パーキンソン病の主な徴候として有名なのは以下の4つである(国家試験に出るレベルな知識)

 

 

①振戦:

安静時の4~6Hzの規則的な不随意運動で、睡眠中には消失する。丸薬を丸める動作に似ていることから、丸薬丸め運動(pill-rolling movement)と呼ばれる。パーキンソン病の振戦は「安静時にも生じる(安静時振戦)」という特徴があるが、だからと言って動作時には振戦が消失するという訳ではない。歩行や随意運動時に振戦が増大することも多い。

 

②固縮:

患者の筋を他動的に伸展する際に感じる抵抗で、「持続性の抵抗を感じる鉛管様固縮」と「断続的な歯車様固縮」がある。

初期には左右差が確認することがある。

関連記事⇒『筋緊張の評価(MASなどの筋緊張検査法)を紹介(+痙縮と固縮の違い)

 

③無動(+動作緩慢):

動作が緩慢で自発運動の減少として観察される。寝返りや起き上がりが困難となり、小声で表情は乏しく仮面様顔貌を呈する。歩行時など最初の一歩が出にくくなる(すくみ足)といった現象が徐々に出現する。

 

④姿勢反射障害:

進行とともに立ち上がりや方向転換時にバランスを崩すようになる。

評価は、患者の背部に立ち、検者が患者の肩をもって後方へ引きく(pull test)などが挙げられる(以下の「後方へ引いた際の反応」を参照)。

 

ステッピング反応 平衡反応

姿勢反射障害があると姿勢を支えきれずに後方へバランスを崩し、突進する(retropulsion)。

関連記事⇒『立ち直り反応(反射)・平衡反応 の違い{バランス検査/評価}

 

 

パーキンソン病の症状は多岐にわたるよ

 

前述した振戦・無動・固縮・姿勢反射障害がパーキンソン病の主症状と言われている。

ただし、上記以外にも以下のように症状は多岐にわたる。

 

  • 歩行障害
  • 姿勢異常
  • 自律神経症状
  • 睡眠障害
  • 精神症状
  • 認知症
  • 疼痛

・・・・・など。

 

これらの症状に関しては以下の記事で深堀解説しているのできょみがある方は参考にしてみてほしい。

⇒『パーキンソン病の症状は多岐にわたるよ

 

 

補足:パーキンソン症候群

 

パーキンソン症状は、パーキンソン病でなくとも起こり得る。

 

でもって、パーキンソン病の代表的徴候である振戦・固縮・無動・姿勢反射障害などを呈する(パーキンソン病以外の)諸疾患のことを『パーキンソン症候群』と呼ぶ。

 

パーキンソニズムparkinsonism【パーキンソン症候群】

振戦、固縮(筋強剛)、無動、姿勢調節障害などの症状を示す病態の総称。

パーキンソン病、症候性パーキンソニズムなどの変性疾患にみられる。

パーキンソン病以外では、多発性脳梗塞や薬剤が原因となるものの頻度が高い。

~『書籍:理学療法学事典』より引用~

 

パーキンソン症候群の具体的な疾患に関しては以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は観覧してみてほしい。

⇒『パーキンソニズムとパーキンソン症候群(+違い)

 

 

 パーキンソン病の診断基準 + どこへ受診すれば良いのか

 

パーキンソン病の診断基準としては以下の4つの基準を満たすもとのとされている。

※「厚生労働省のパーキンソン病 概要、 診断基準」より引用。

 

パーキンソニズムがある

脳CT又はMRIに特異的異常がない

パーキンソンイズムを起こす薬物・毒物への曝露がない

抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる

 

また、引用元(厚生労働省)には以下の様な補足も記載されている。

 

  1. パーキンソニズムの定義は、次のいずれかに該当する場合とする。

    1)典型的な左右差のある安静時振戦(4~6Hz)がある。

    2)歯車様筋固縮、動作緩慢、姿勢反射障害のうち2つ以上が存在する。

     

  2. 脳CT又はMRIにおける特異的異常とは、多発脳梗塞、被殻萎縮、脳幹萎縮、著名な脳室拡大、著名な大脳萎縮などの他の原因によるパーキンソニズムであることを明らかに示す所見の存在をいう。

     

  3. 薬物に対する反応は出来るだけドパミン受容体刺激薬又はL-dopa製剤により判定することが望ましい

 

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そもそも、パーキンソン病の受診科はどこ?

 

まずは、かかりつけ医に相談し、かかりつけ医がパーキンソン病が疑われる場合は神経内科(病院によっては脳神経内科と呼ばれることも)を紹介されるのが一般的である(まぁ、脳関連という事で脳外科などを紹介されることもあるが。。)。

 

ただ、前述したパーキンソン病の4大徴候がはっきり現れていない初期段階においては、かかりつけ医に見逃されてしまうケースもある。

 

あるいは高齢者であれば、前述したようにパーキンソン病に類似した症状を有す状態(パーキンソン症候群)に陥る可能性は高くなり、「年だから」などと経過観察を決めつけられてしまう場合もあるので、主治医の診断に納得がいかない(あるいは経過観察しても自身でおかしいと感じることがあれば)神経内科のある他院を自ら受診してみるのもアリだと思う。

 

※個人的には、80代中盤女性の訪問リハビリ(人工膝関節術後の機能回復目的)をしていた際に、「起き上がろうとしても、体が動かせない」「歩こうとしても、足がなかなか前へ出せない」などの症状が急で始めた。

 

※しかし、主治医(手術を行った整形外科医)に相談しても「年齢も関係しているのだろう。リハビリをがんばって」と取り合ってもらえなかった。

 

※仮面用顔貌や姿勢障害などもパーキンソン病と類似していたのだが、主治医の言っていることを理学療法士である私が安易に覆すような発言をすると混乱を招く(理学療法士は診断を下してはいけない)のに加えて、この方はパーキンソン病の4大徴候の一つのである『振戦』『固縮』がみられなかった。

 

※例えば、固縮に関しては筋緊張評価においても歯車用固縮・鉛管現象など典型的な徴候が陰性なのはおろか、筋緊張は正常に限りなく近かった(関連記事⇒『筋緊張の評価(MASなどの筋緊張検査法)を紹介(+痙縮と固縮の違い)』)。

 

ただ、数か月経っても前述した訴えが変化ないことに加え、パーキンソン病に類似している点が多いことや、明らかに筋骨格系(整形外科的)な問題だけが理由ではないと判断から(パーキンソン病という名前は伏せて)「神経内科も念のため受診してみてください」とお願いした。

 

で、薬物(L-dopa製剤の使用)によって症状が瞬時に大幅軽快し、パーキンソン病と診断された。

 

※もちろん家族には「主治医は、私(理学療法士)が神経内科受診を勧めたから受診したというようには伝えないよう」と念を押した。

 

こんなことも起こり得る(パーキンソン病の4大徴候が必ずしも揃わないこともある)というのは覚えておいたほうが良いかもしれない。

 

※ただし、注意点として厚生労働省の4基準をすべて満たしている訳ではないので、100%パーキンソン病だという確証はあえて持たないほうが良いのかもしれないが。。

 

 

パーキンソン病の評価

 

パーキンソンの評価として用いられる有名な指標として以下の2つがある。

  • Hoehn & Yahrの重症度分類
  • パーキンソン病統一スケール(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale ;UPDRS)

 

Hoehn & Yahrの重症度分類

 

Hoehn & Yahrの重症度分類』は以下の通り。

 

StageⅠ  一側性で体の片側だけの振戦・固縮・無動を示す。軽症例である。
StageⅡ 両側性の障害で、姿勢の変化がかなり明確となり、振戦・固縮・無動とも両側にあるため日常生活がやや不便であるが、介助は必要ない。 
StageⅢ 著明な歩行障害がみられ、姿勢反応が不可能となる。日常生活動作障害もかなり進み、突進現象もはっきりとみられる。一部介助が必要になる。 
StageⅣ 日常生活動作の低下が著しく、振戦・固縮のために体の移動、立ち居振る舞い、着物の着脱、洗顔、排便などにかなりの支障をきたす。 
StageⅤ 完全な廃疾状態で眼は見開いたまま、体は小刻みに震え、硬直し、車椅子使用または寝たきりとなる。全介助となる。 

 

 

「Hoehn & Yahrの重症度分類」の代わりに『modified Hoehn&Yahrの重症度分類』を用いることもある。

 

「modified Hoehn&Yahrの重症度分類」は1.5度、2.5度が追加されており、「Hoehn & Yahrの重症度分類」より詳細に評価できるようになっているのが特徴だ。

 

詳しくは以下の記事も参照にしてみてほしい。

⇒『ホーエン・ヤール(+modified Hoehn & Yahr)の重症度分類を解説

 

 

 パーキンソン病統一スケール(UPDRS)

 

パーキンソン病統一スケール(Unified Parkinson’s Disease Rating ScaleUPDRS)』は、パーキンソン病の総合的評価として1987年にファン(Fahn)らにより作成され、妥当性と信頼性の高さが証明され世界的に使用されている。

 

評価項目は以下の4項目からなり、全体像をとらえる客観的なスクリーニング評価としては有用である。

  • 精神症状の評価
  • 日常生活動作の評価
  • 運動能力に関する評価
  • 治療の合併症に関する評価

 

しかし検査項目が多く、検査には時間を要すことが欠点である。

 

検査項目の詳細に興味がある方は以下を観覧してみてほしい。

⇒『パーキンソン病統一スケール(UPDRS)』を解説するよ

 

 

補足

 

前述した運動機能の評価に加えて、以下なども必要に応じて実施する。

 

・・・・・・・など

 

※ちなみに、下肢粗大筋活動の一指標として『30秒間いす立ち上がり検査(CS-30)』というものがある。

CS-30は下肢筋活動量・バランス能力・歩行速度と関連すると報告されており、いすからの立ち上がりを患者の最大速度で行うため、速い反復運動を苦手とするパーキンソン病患者に有用かもしれない。

関連記事⇒『「椅子立ち座りテスト」と「ステッピングテスト」を解説

 

また、ADLの評価には以下などが使用される。

 

 

 パーキンソン病のリスク管理

 

ここでは、パーキンソン病のリスク管理をまとめておく。

※参考:『小林量作:神経難病,リスク管理実践テキスト,石黒 友康ほか監修,改訂第2版,診断と治療社,東京,165-176,2012』

 

転倒:

「すくみ足による転倒」と「すくみ足と無関係の転倒」が起こる。

すくみ足対策として、視覚・聴覚を利用した手がかり(cue)など、さまざまな工夫を指導する。

関連記事⇒『バランストレー二ングを総まとめ!高齢者の転倒予防に効く!

 

起立性低血圧:

自律神経障害により時々生じる。罹患期間が長い、重度の療養者、抗パーキンソン病薬服用の作用で合併しやすい。

関連記事⇒『起立性低血圧 ―対処法や予防法も紹介するよ!

 

体温調節障害:

自律神経障害を原因とする。

体温調節がうまくできない。特に室温に注意し、屋外での直射日光は避ける。

 

便秘:

自律神経障害の中でも便秘が最も頻度は高く、70%以上の患者に認められる。

抗パーキンソン病薬の副作用によっても起こることがある。ときにイレウス(腸閉塞)が起こることもあるため、運動を実施するうえでは排便コントロールも把握しておくとよいかもしれない。

関連記事⇒『排便障害の基礎知識

 

嚥下障害:

晩期では嚥下障害を合併する。

口や舌の筋肉がうまく動かなくなり、食べものや飲みものをうまく飲みこめなくなります。口から摂取したものも、うまく胃に送りこめないで、食べるという行為がスムーズにいかなくなる。

まず、口腔体操として、「パ」「タ」「力」「ラ」と一語一語ゆっくりとはっきり発音して繰り返す。パタカラ体操は、口のまわりの筋肉を使うので、嚥下障害の訓練に効果的である。

食事前に行うと嚥下体操になり、顔や舌の筋肉がほぐれて食事しやすくしたり、食物を小さく切り、片栗粉や介護用食品トロミアップなどでとろみをつけて食べるなどの工夫が大切な場合もある。

嚥下障害は、窒息・誤嚥性肺炎に対するリスク管理が重要となる。

関連記事⇒『誤嚥予防の基礎知識』『不良姿勢と誤嚥

 

 

呼吸障害:

晩期にはパーキンソン症状で胸郭の可動性が低下して呼吸機能が低下する。

 

褥瘡:

パーキンソン病の重症度が高くなってくるにつれ、寝返りが難しくなってくる。

で、寝返りが自立していない患者は褥瘡のリスクがある。

褥瘡予防マットレスの選択は重要である。

関連記事⇒『褥瘡(床ずれ)の予防と管理 | 背抜きも紹介するよ

 

 

脱水:

高齢者、食事摂取の少ないものに注意する。

排尿回数を減らすために水分摂取を控えることがないように監視する。

パーキンソン病では頻尿になり易いため、特に夜間頻尿によるトイレがお億劫で水分を控える人もいたりする。そのような場合は、夜間は多少水分を控え、日中は多めに摂取する(ただし、小まめな摂取が大切ではあるのだが)というアイデアも、全く水分を接種しないよりはましな選択だとおもう。

関連記事⇒『高齢者の脱水と予防の知識

 

 

易疲労性:

パーキンソン病患者では、筋固縮や無動の影響により、同じ運動に対してより大きなエネルギー消費が要求され、疲労を増大させる。そのため休息を多めに取り入れる。運動負荷を徐々に上げるといった工夫が必要である。

 

 

その他:

悪性症候群の合併、夜間頻尿などの非運動症候群に注意する。

 

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パーキンソン病に対する薬物療法

 

まずは、パーキンソン病の治療で一番重要な「薬物療法」について記載していく。

 

パーキンソン病の治療は、薬物療法が基本

 

冒頭の「パーキンソン病の起こる仕組み」でも記載したように、パーキンソン病はドーパミンの分泌が減るなどの理由により「ドーパミンとアセチルコリンのバランスが乱れること」によって生じる。

 

なので薬剤などでドーパミンが不足しないようにしてあげることで、パーキンソン症状は改善される。

 

で、薬剤には以下のように目的の異なった薬剤が存在し、症状に合わせてこれらを組み合わせながら使用していく。

  • ドーパミンを補充する薬
  • ドーパミン受容体を活性化する薬(ドーパミンを受け取り易くする薬)
  • ドーパミン分泌を長続きさせる薬

・・・など。

 

※ちなみに、抗パーキンソン病薬で有名なLドーパは「ドーパミンを補充する薬」に該当する。

 

ドーパミンの前駆物質であるL-ドパの内服が有効は有効で、その他の薬剤(ドーパミンアゴニストなど)の有効性も示されている。

 

一方で、長期間継続していると運動合併症と呼ばれるさまざまな問題が出てくる。

「長期投与により、その薬効時間が短くなるwearing-off現象」、「服用時間に関係なく突然症状が良くなったり悪くなったりするon-off現象」、「薬剤の副作用としてみられる顔面・舌・四肢体幹のいずれかの粗大な運動であるジスキネジア」などがみられることがある。

 

パーキンソン病に対する治療で必須な薬物療法に関しては以下の記事でも解説しているので興味がある方は観覧してみてほしい。

⇒『パーキンソン病の治療は「薬物療法」が基本!!

 

 

パーキンソン病に対するリハビリのエビデンス

 

パーキンソン病に対するリハビリ(理学療法・作業療法)のエビデンスは以下の通り。

 

日本理学療法士教会 診療ガイドライン第1版

 

  • 筋力増強運動において推奨グレードB-エビデンスレベル2
  • バランス運動は推奨グレードB-エビデンスレベル2
  • 全身運動は推奨グレードB-エビデンスレベル2
  • トレッドミル歩行はB-2
  • ホームプログラム・在宅運動療法は推奨グレードB-エビデンスレベル2
  • 感覚刺激(外的刺激)は推奨グレードB-エビデンスレベル2

※「推奨グレードB=行うように勧められる科学的根拠がある」

※「エビデンスレベル2(1つ以上のランダム化比較試験による)」

 

  • 複合的運動は推奨グレードAーエビデンスレベル1

※「推奨グレードA=行うように勧められる強い科学的根拠がある」

※「エビデンスレベル1=システマティック・レビュー/RCTのメタアナリシス」

 

 

パーキンソン病治療ガイドライン2011の「リハビリは運動症状改善に有効か」という問いに対して

 

 

  • 運動療法が身体機能、健康関連QOL、筋力、バランス、歩行速度の改善に有効である(グレードA)
  • 外部刺激、特に音刺激(音楽療法)による歩行訓練で歩行は改善する(グレードA)
  • 運動療法により転倒の頻度が減少する(グレードB)

 

上記からも分かるように、パーキンソン病治療の中心的な位置付けである『薬物治療』だけでなく、リハビリを組み合わせることで身体機能およびADLやQOLの向上を図ることができると推測される。

 

また、外部刺激を利用した報告が多くなっているのも最近の特徴だ。

 

パーキンソン病における外部刺激(external cue)効果の機序としては、以下の様に説明されている。

 

パーキンソン病では外部刺激効果を認めることが特徴の1つで、内発性ネットワークの大脳基底核一補足運動野の低活動を補うよう、cerebello-parieto-plemotor loops外発性ネットワークを活性化させると説明されている。

 

※外部刺激としてよく用いられているものは音楽やリズム音などの聴覚からの外部刺激や、目印を付けるような視覚からの外部刺激などがある(イラストも含めて後述する)。

 

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パーキンソン病に対する一般的なリハビリ内容

 

一般的に、リハでは、四肢・体幹のROM訓練筋力訓練、バランス訓練、基本動作訓練、歩行訓練、external cueを利用した訓練などを行う。

 

また、呼吸理学療法やADL訓練や生活指導および言語訓練、嚥下訓練、認知リハと多岐にわたる。

 

原則として、筋力増強運動・可動域練習・歩行練習などの通常理学療法は、L-dopaの効いているオン期に行ったほうが効果は得られやすい。

逆にオフ期には、身体が最も動きにくい条件で、代償的な日常生活動作方法について指導する。

 

ここから先は、以下の機能障害に対するリハビリについてザックリと解説していく。

・関節可動域制限

・筋力低下

・姿勢異常

・バランス障害

・基本動作障害

・歩行障害

・持久力低下

 

 

関節可動域制限

 

関節可動域の制限因子は一つではないが、例えば筋原性の制限であればリラクセーション、持続伸長、自動での可動域練習を行う。

 

例えば、発症早期より関節可動域を維持するという目的で棒体操(棒を両手で挙上して体幹を伸展・回旋・側屈させる)などの自動可動域練習を指導する。

自動可動域練習を取り入れるのであれば、オン期に実施するほうが効果的なのは言うまでもない。

 

以下は、自動運動を活用した筋のストレッチングになる(⑤は関係ないが)。

 

①②は体幹伸展運動(この運動に必要な筋群のストレッチング)

③は棒を把持しての体幹回旋自動運動(この運動に必要な筋群のストレッチング)

④はハムストリングス(+足関節背屈によって下腿三頭筋の)ストレッチング

⑤は(このカテゴリーには関係ないが)足踏み運動)

 

 

以下は他動的ストレッチングの一例である。

※呼気と同時にジンワリと筋を伸張していく。

※体幹回旋は、パーキンソン病で制限が生じやすい可動域の一つなである。

 

 

筋力低下

 

拮抗筋の固縮が強い場合には、リラクセーシヨンやストレッチングを行ってからのほうが出力しやすい。

 

また、前述した可動域制限も他動運動だけで終わってしまうと元に戻り易いので、ホームエクササイズとして自動運動を取り入れることで、関節を可動させるに十分な筋力の維持・向上を図ることが大切となる。

 

そういう意味では、最近注目されているビッグ体操などは、リハビリとしてもホームエクササイズとしても非常に優秀と言える。

 

体操の詳細は以下で解説しているので是非観覧してみてほしい(動画だけでも観覧してもらえば、体操が意図しているものが何となくでも理解してもらえると思う)。

⇒『リーシルバーマン療法(LSVT BIG/ LSVT LOUD)って何だ

 

 

また、無動の影響により筋出力が十分でない場合は視覚的手がかり(目標地点の提示など)を用いると改善することがある。オン期に行うほうが効果的である。

 

 

異常姿勢

 

パーキンソン病では特徴的な異常姿勢を呈することが多く、その姿勢異常を評価・考察し、その原因に対してアプローチする。

 

例えば脊柱の変形が可逆的であれば、「腹臥位」や「壁を用いての」持続伸長を行ったり、姿勢フィードバック(対象者に、本人が認識している正中軸と実際の正中軸のずれを感じてもらい、修正していく)を行うケースもある。

 

あるいは変形が不可逆的であっても、それ以上進行しないように体幹の関節可動域練習を中心に行う。

 

パーキンソン病では典型的な異常姿勢を呈するので、そこから姿勢改善に必要な筋力・可動域・姿勢フィードバックなどは自然と思い浮かぶと思う。

 

①⇒胸椎後湾

 

②⇒骨盤後傾

 

③⇒股関節屈曲

 

④⇒膝関節屈曲

 

⑤⇒足関節背屈

 

⑥⇒頸部前彎増強

 

⑦⇒肩関節内転

 

⑧⇒肘関節屈曲

 

⑨⇒手関節掌屈(+尺屈)

 

⑩⇒手指屈曲傾向

 

バランス障害

 

以下は、バランス障害を起こしやすい代表的な疾患および、それらに多くみられるバランス障害の特徴と、それぞれのバランストレーニングの要点を示している(引用:“臨床思考”が身につく 運動療法Q&A

 

疾患名または障害名

バランス障害の特徴 トレーニング内容
片麻痺

・安定性限界の狭小化

・下肢の痙縮(伸展共同運動)

・感覚障害や高次脳機能障害の影響

・麻痺側での体重の支持力向上

・麻痺側への安定性限界の拡大

・筋緊張の緩和・関節可動域の改善

・床面と足部の接地

小脳性運動失調症

・身体動揺(重心動揺)の増大

・協調性の低下(動作タイミングがとりにくい)

・狭い支持基底面での姿勢保持

・タイミングを重視した動作練習

・動作全体の再学習

パーキンソン病

・安定性限界の狭小化

・姿勢の異常(前屈姿勢など)

・姿勢反射障害

・高次の歩行障害(すくみ足など)

・身体イメージの変化

・関節可動域の拡大(柔軟性の向上)

・大きな運動や重心移動練習

・アライメントの改善

・姿勢抗重力伸展活動の強化

・運動時の身体感覚の再統合

筋疾患

・安定性限界の狭小化

・関節可動域制限の変形

・可能な範囲での筋力増強運動

・重心移動練習・動作練習

・支持面の拡大や筋力低下を補う自助具の使用や環境の整備

骨関節疾患

・安定性限界の狭小化傾向

・関節可動域制限や変形

・アライメント異常

・疼痛の影響

・関節可動域の拡大(柔軟性の向上)

・筋力増強運動

・疼痛の緩和

・重心移動練習・動作練習

 

 

~パーキンソン病に対する転倒予防①~

 

パーキンソン病では典型的障害像として、無動、振戦、固縮および姿勢調節障害が出現するのは前述したとおり。

 

で、歩行という動作を重心コントロールの観点からとらえた場合、歩行の始まりでは、まず立位で存在する支持基底面と重心の関係を不安定にする必要がある(つまり重心位置を変化させなければならない)。

 

つまり、重心を動かすためには関節運動が必要だし、関節運動を起こすためには筋活動が必要である。

 

にもかかわらずパーキンソン症状における『無動』は、この最初の筋活動が起こらない状態を意味するので、重心位置の変化は起こらず、歩行が始まらない。

 

一方、動き始めた重心は制御しなければならないのだが、この制御は姿勢により調節されるため、パーキンソン病の場合、困難となりやすい。

※足圧中心の移動範囲が狭く、平衡反応が低下、足の踏み出しが遅延、歩幅狭小で、姿勢を保持できないことが多い。

 

特に前後方向のバランスを失いやすいバランス改善運動は、 安定性限界を広げ、それを越えたときに足の振り出しができるような練習を行う。

 

そんな「バランス改善運動」のポイントは以下の通り。

①できるだけ自動運動で体重心を左右前後に大きい振幅で移動する

②体重心が安定性限界からはずれる直前に下肢の踏み出しを行う

③体重心の移動側には、安全のために、移動範囲の目安として壁があるように配慮して行う

 

声掛けは以下の様な感じ。

「これから、ゆっくり体重を前方に移します。その時にすぐに足を出さないで、できるだけバランスを崩さないようにがんばります。バランス保持がギリギリになったら片足を前に出して体を支えます」

 

後方へのバランス練習は以下の通り

①壁を後方にして立位保持する。

②自動で後方に体重心を移動して、バランスをできるだけ保持するよう努力する。

③保持の限界を超える直前に片足を踏み出し、踏み出した足で体重支持する。

④元の姿勢に戻り反復する。

 

 

また、実際の日常場面においては「その場で足踏みをしてから歩き出す」というのが有効なケースもある。

パーキンソン病では、「すくみ足が生じる⇒余計に過度に体幹を前傾させて歩こうとする」という事に繋がり、ことで突進現象が起きやすい。

これを改善するという意味でも、「体幹を前傾させず、その場で動かず足踏みの練習」は有効な場合がある。

 

 

~パーキンソン病に対する転倒予防②~

 

前述したように、パーキンソン病固有にみられる無動と筋緊張異常は重心移動を阻害し、転倒に結びついてしまう。

 

でもって、「重心移動のための運動発現を促すようなCueの活用および環境の改善」というのも重要となってくる。

 

パーキンソン病に有効なCueは、各々で異なるため、反応の良いCueを発見することは大切になる。

 

 

また、それでも転倒を100%予防するのは不可能なため、ヒッププロテクターを推奨する人もいたりする。

 

 

基本動作障害

 

体軸内回旋の障害により、寝返りや起き上がり動作が障害されやすい。

 

起居動作を行うのは、夜間や早朝など抗パーキンソン病薬の効果が乏しくなる時間帯である。

そのため、「両膝を立てる→両手を組んで上肢を拳上する→上下肢を一方に回旋しそれに伴って体幹の回旋させる」といった効率のよい代償的な動作方法の指導も必要である(っとは言っても寝返り・起き上がり易い方法は個人差があるため、その人に合った方法を評価し、練習する必要がある)。

 

オンオフのない場合や、オン期には体軸内回旋を意識した寝返りを反復することにより、起居動作の速度が改善されることもある。

 

起立では、体幹前傾の中でも特に骨盤前傾が行えない患者も多いので、前方への重心移動を促しながら起立練習を反復するのも有効と言える。

 

 

余談として、前述した「異常姿勢」の様に「腰が引け、重心が後方に偏倚する」のは、下腿三頭筋の筋緊張の冗進による影響が強い場合もある。

※腰が後方に引けると、重心位置を前方に戻すために体幹も前傾してしまう。

 

で、下腿三頭筋の短縮を予防するのは他動的あるいは自動的なストレッチング下腿三頭筋の過剰な収縮を抑えた立位姿勢の学習は体幹前傾の改善にもつながる。

 

 

歩行障害

 

小刻み歩行やすくみ足へのアプローチとして、床上の線やメトロノームなどの感覚刺激の利用が挙げられる。このような感覚刺激のことを、(この記事で何度か登場した用語である)『手cue(手がかり)』という。

 

パーキンソン病は、大脳基底核の変性疾患であるため、基底核-補足運動野という経路に関与した内発性随意運動が障害される。

 

一方、外部からの感覚情報をもとに発現される外発性随意運動は、小脳-運動前野系に関与しているといわれており、パーキンソン病患者でも保たれている。

この感覚刺激を用いた外発性随意運動を利用することで、効率のよい運動ができる。

 

臨床場面では、どの感覚刺激が対象者に有効であるかを試し、最も効果のあった感覚刺激を取り入れながら歩行練習を実施する。

 

例えばcueとして視覚刺激・聴覚刺激は以下などに用いられる。

 

  • 視覚刺激を用いた方法として、床上の線、介助者の足をまたぐなどの方法がある。
  • 聴覚刺激を用いた方法として、「1、2、1、2」という介助者または対象者本人の声掛け、メトロノーム、音楽などを利用する方法がある。

 

また、視覚刺激を利用できる杖なんかもある。

※杖の先に付着している棒を跨ぎながら歩く。

 

また、(cueとは関係ないが)必要に応じて「狭い場所といった環境を作って歩いてもらう」など様々な課題下での歩行練習も実施する。

 

 

その他、「小回り」が苦手なケースでは、あらかじめ「方向転換時には大きく弧を描くように歩くこと」ように導線を工夫する。

 

また、人によっては「目標物(例えば座るための椅子)に近づくほどに小刻みで足の踏み返しも難しくなってしまう人がいるので「直前まで目的物を意識しない(例えばもう少し遠方に仮の目標物を設定しておくなど)」とうのも一つの考えとなる。

 

 

持久力低下

 

全身持久力の低下に対しては、以下などを実施する。

・自転車エルゴメーター

・トレッドミル歩行トレーニング

 

※近年、トレッドミル自体が外的cueとなり、パーキンソン病患者の歩行障害に有効であると報告されている。トレッドミル歩行装置がある施設であれば、視覚刺激や聴覚刺激を併用しながら、より大きな歩幅でトレッドミル歩行を一定期間実施することで、歩行能力に改善がみられる可能性がある。

 

※もちろん、有酸素運動としてウォーキングなども重要となる。

 

開始時は低い負荷量で短時間行い、疲労の状態をみながら徐々に運動負荷を上げていく。

 

 

「代償動作の利用」と「環境整備」

 

代償動作の利用としては以下などがあげられる。

 

  • 起き上がりの代償動作例:

    起き上がりのパフォーマンスが改善されない場合、効率のよい動作パターンの指導やベッド柵の利用など、代償動作を検討する。

 

  • 起立時の代償動作例:

    起立時に骨雛前傾が行えない症例も多く、前方への手すり設置や、ベッド端を押すなどして代償する。

 

  • 歩行時の代償動作例:

    独歩ではすくみ足が改善しない症例でも、歩行器の使用で軽減する場合もある。

 

  • ADLの代償動作例:

    歯を磨く動作がやりづらいのであれば電動歯ブラシを使用したり、浴槽へ安全に出入りするために浴槽に手すりを設置するなどの環境調整は、当然のことながら重要となる。

 

 

色んなキューがあるよ。

 

パーキンソン病ではすくみ足のように運動の開始が困難である。

 

このような場合にキュー(手がかり・きっかけ)があると突然、スムーズに歩きはじめる。

 

この様な現象を逆説あるいは『矛盾性運動(kinesie paradoxale)』という。

 

キューには視覚的なものや聴覚的なものがある。

 

例えば小声症に対してカラオケのマイクなどを持たせると大きな声で歌うことができる。

 

これもCueが作用していると思われる。

 

 

パーキンソン病のリハビリで重要な要素であり、ここまで何度も登場した『キュー(手がかり)』だが、これは簡単に見つかることもあれば、全く見つからないこともある。

 

また、キューが見つかったとして、次回のリハビリ(理学療法・作業療法)では(前回反応の良かったキューが)全く活用できない(別のキューが必要となる)場合もある。

 

この様に、理屈と実際は異なる。

 

ただし、パーキンソン病のリハビリや家族指導・環境整備において「キューを利用する」というのは基本中の基本なため、知っておいて損はない知識となる。

 

 

反応の得やすいキューを探そう

 

例えば、すくみ足に対するキューは対象者個人により効果を示すものが異なる。

※特に歩行開始時と方向転換時のすくみ足は改善が得られにくい。

 

でもって、歩行開始時と方向転換時のすくみ足に対するキューは以下などの種類があり、反応の良いキューがあれば活用していく。

 

※歩行に限らず対象者に合ったキューをみつけその習慣化を促すことも理学療法士・作業療法士の重要な役割である。

 

歩行開始時

・非優位側の下肢から踏み出す

・介助者の足を踏み越える

・合図に合わせて踏み出す

・足を一本後ろに引いてから歩き出す

・足踏みをしてから歩き出す

方向転換時

・床上の線をまたぐ

・すくみ足の起こりやすい足を軸にして方向転換する

・大きな弧を描くように方向を変える。

 

 

キューの重要性が良くわかる! Qピットの動画を紹介します

 

で、余談になるが以下の動画は、鳥取にあるホームケア渡部建築が開発した「Qピット」を用いて、「視覚キュー」を与えることですくみ足の改善刺せることに成功した動画となる(厳密にはイヤホンなどにより一定のリズムを刻むことによる聴覚キューも活用している)。

 

キューの大切さが理解できる動画として参考にしてみてほしい。

 

「Qピット」は視覚キューとして腰にベルトで巻いたLEDポインターで床に印を照射することで、家の中の動線にテープなどを貼らなくとも視覚キューが利用できる仕組みになっている。

 

※「Qピット」ベルトを巻くことでどこでもその機能を使うことが可能

 

 

 

病期(stage)に応じたプログラム

 

パーキンソン病の病期別(stage別)のプログラム一覧は以下を参照。

(引用『書籍:中枢神経障害理学療法学テキスト』より)

◎⇒高頻度で選択される
○⇒状態によって選択される

運動療法

ホーエンヤール重症度分類(Stage

ROM運動(自動運動)

 

 

ROM運動(自動運動・自動介助運動)

 

 

体幹回旋運動:全身

:部分

 

 

パーキンソン体操:立位

 

 

:座位

 

 

:臥位

 

 

筋力増強:維持運動

運動動作練習:立位

 

 

       座位、四つ這い

 

 

 

歩行練習:散歩など

 

 

 

    :応用歩行練習

 

 

    :基本歩行練習(ステップなど)

 

 

ADL訓練:応用動作

 

 

    :基礎動作

 

 

 

呼吸・嚥下訓練

 

 

パーキンソン病は進行性疾患である。

 

なので、病期早期においては、教育的な指導や運動の習慣化を目標とし、進行するにつれて課題となっていることに対するアプローチが追加される。

 

要するに、病気によって選択されるリハビリ内容が全く異なるのだ。

 

で、ここに一覧表は、パーキンソン病の病期に合わせて一般的に実施されるリハビリ内容をザックリと紹介したものである。

 

あるいは以下の様は一覧表もある(「modified Hoehn & Yahrの重症度分類」で分類している)。

参考『Keus SH.et al: Evidence-based analysis of physical therapy in Parkinson’s disease with recommendations for practice and research. Mov Disold, 22:451-460,2007.』

 

H-Y 1~2.5 H-Y 2~4 H-Y 5

治療目標

・活動性低下予防

・動作や転倒への不安予防

・身体機能の維持・向上

追加目標

・転倒予防

 コア領域の制限の減少

 ⇒移乗、⇒姿勢、⇒リーチと把持、⇒バランス、⇒歩行

追加治療目標

・生命機能維持

・褥瘡予防

・関節拘縮予防

介入

・活動的なライフスタイルの推奨

・身体機能の向上と活動性低下予防のための情報提供

・バランス・筋力・関節可動域・有酸素容量を改善する積極的訓練

・配偶者・介助者への指導

追加介入

・自宅での動作を含んだ機能課題運動

・一般的な戦略

・パーキンソン病特有の戦略

 ⇒認知運動戦略

 ⇒キューを取り入れた戦略

・複数の課題を同時に処理するための情報提供

追加介入

・ベッド、車いすでの姿勢調整

・介助下での動作訓練

・関節拘縮と褥瘡予防のための情報提供

 

ここでザックリと示している病期別プログラムに興味がある方は、以下の記事も合わせて観覧してみてほしい。

 

⇒『ホーエン・ヤール(+modified Hoehn & Yahr)の重症度分類とは | パーキンソン病の重症度別運動療法も解説

 

 

今話題のパーキンソン病体操?!リー・シルバーマン療法(LSVT)を紹介

 

以下の記事ではパーキンソン病における運動療法として今話題の『リー・シルバーマン療法』について解説している。

 

基本的にハンズオフな自動運動によるエクササイズなのだが、個人的な臨床経験でも、実施後に「動きが軽くなった」「歩きやすくなった」など好評なエクササイズである。

 

重症度分類Ⅰ・Ⅱの方がパーキンソン病予防として用いるのはもちろんのこと、「認知機能が十分な、重症度分類Ⅲ(一部Ⅳ)」の方の治療としても十分活用できる。

 

動画も添付しているので是非一度観覧し診てほしい。

 

⇒『リー・シルバーマン療法って何だ | LSVT BIG / LSVT LOUD /ビッグ体操/パーキンソン体操

 

 

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⇒『ホーエン・ヤール(+modified Hoehn & Yahr)の重症度分類とは | パーキンソン病の重症度別運動療法も解説

 

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⇒『指定難病も多い「神経筋疾患」まとめ