最近、知り合いの柔道整復師に「理学療法士は『みなしPT』についてどう思っているのか?」と聞かれました。

 

ですが私は『みなしPT』という人に出会ったことが無く、『みなしPT』という用語自体十分理解していなかったので、キチンと回答してあげることが出来ませんでした。

 

この出来事をきっかけに、理学療法士協会にへ問い合わせをしたりして「みなしPT」について理解できたのでシェアします。

 

以下に該当する人は観覧してみて下さい。

  • 理学療法士で「みなしPT」についての概要を知っておきたい」と思っている人
  • 「みなしPT」として働きたいと考えている人

 

「みなしPT」と表現する人が多い一方で、「みなし理学療法士」と表現する人は少ないため、以降は「みなしPT」という用語に統一して記載していきます。

 

制度は定期的に変更されるため、最新の情報ではない可能性にご注意ください(掲載日:2020年2月11日)。

 

 

みなしPTとは

 

どうやら「みなしPT」というのは造語であり、正式名称は存在しないようです。

 

みなしPTとは、どういう人達を指すのですか?

 

「みなし理学療法士」が、どの範囲までを指されているのかは分かりかねます。

 

介護保険分野で用いられる「機能訓練指導員」と異なり、「みなしPT」には定義は存在しないようです。

 

ただし「みなしPTの定義」は不明である一方で、「理学療法士・作業療法士以外でもリハビリテーション料を算定できる職種がある」というこをが分かました。

 

したがって、これらの俗称が「みなしPT」ではないかというのが理学療法士協会の見解の様です(その後、厚生労働省にと合わせたところ、同様な見解なようでした)。

 

以降は「理学療法士・作業療法士以外でもリハビリテーション料を算定できる職種=みなしPT」ということで話を進めていきます。

 

 

みなしPTになれる職種とは

 

みなしPTになれる職種は以下の通り。

  • あん摩マッサージ指圧師
  • 柔道整復師
  • 看護師・准看護師

 

医療保険分野において、鍼灸師は「みなしPT」にはなれないようです。

介護保険分野では、鍼灸師が「機能訓練士」となれたので、この辺りは混同しないよう注意が必要です(関連記事⇒『機能訓練指導員って何だ? 柔道整復師・あん摩マッサージ師・鍼灸師はなれるの?』)

 

みなしPTになるための条件

 

前述した「あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・看護師・准看護師」が「みなしPT」となるには以下の条件を満たすことが必要です。

 

運動療法機能訓練技能講習会を受講すること

 

この講習会を受講することで「みなしPT」になれるようです。

 

※「みなしPT」として働き続けるためには「定期的に適切な研修」を修了する必要があります。

 

 

「みなしPT」は理学療法士等と同等な報酬が算定可能?

 

「みなしPT」と「理学療法士・作業療法士」における「算定できる報酬の違い」について記載していきます。

 

「みなしPT」が算定できるのは以下の通り。

 

  • 運動器リハビリテーション料Ⅲ
  • 脳血管リハビリテーション料Ⅲ
  • 廃用症候群リハビリテーション料Ⅲ

 

私は「みなしPT」に関して、運動器リハビリに携わっているイメージが強かったのですが、脳血管リハや廃用症候群リハでも算定可能なんだと初めて知りました。

 

ただし、重要なのは以下になります。

 

(運動器・脳血管・廃用症候群の)リハビリテーション料ⅠやⅡの届出を行った保険医療機関であったとしても、「みなしPT」が算定可能なのはリハビリテーション料Ⅲである。

 

ちなみに、人員配置基準に「みなしPT」を組み込むことは(Ⅰ・Ⅱの届け出を行う場合においては)可能なようです(Ⅲの届け出を行う場合は、人員配置基準として組み込めれない)。

 

「みなしPT」を雇用する理由は減ってきているのでは?

 

前述したとおり、リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱを算定している医療機関であっても「みなしPT」が算定できるのはリハビリテーション料Ⅲとなります

 

なので、Ⅰ・Ⅱの届け出を行ってた医療機関において、(理学療法士・作業療法士ではなく)「みなしPT」を雇うメリットは少ないと思います。

 

理由は以下の通り。

 

理学療法士の数は年々増え続けているので、経営側からすれば「理学療法士を可能な限り安く雇用する」というのがベストチョイスな場合が多いから。

 

 

「みなしPT」になりたいと思う人も、減ってきているのでは?

 

前述したように、雇用側が(理学療法士などではなく)「みなしPT」を雇用するメリットは少ないように感じます。

 

※ただ、あくまで私の周辺情報だけでの話ではありますが。

 

一方で、「みなしPT」にになりたいと思う人も減ってきていると思います。

 

そもそも、あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師は開業権があるので、開業を目的に資格取得する人も多いはず。

 

あるいは医療機関ではなく接骨院・治療院などでの働き方に魅力を感じているから取得した人がほとんどなはず(でなければ、理学療法士などの資格を取得したほうが自身の目的と合致しているので矛盾が生じる)。

 

でもって、上記の人たちが医療機関に従事する理由としては以下などが考えられます。

  1. 治療院・接骨院より給料が良い可能性
  2. 自身で開業する(あるいは治療院・接骨院勤務)より安定した働き方(のように感じる)可能性

 

ですが①に関しては、前述したような「みなしPT」で算定できる診療報酬を考えると、給料が(接骨院・治療院より)大幅にUPするようには思いません。

 

②に関しては、確かに「医療機関で働くのは安定しているように見える」かもしれませんが、「みなしPTを雇う医療機関」というのは特殊な印象を受けるので、安定しているかは微妙です(よく分かりません)。

 

この様に考えると、あえて「みなしPT」になる人は少ないのではと感じます。

 

※看護師も、敢えて「みなしPT」になるメリットは思い浮かびにくいです。

 

 

終わりに

 

この記事は、柔道整復師さんと「各々の資格の将来性」について話していた時の以下の言葉が出発点です。

 

理学療法士は、「みなしPT」という存在をどう思っているのか?
 
その柔道整復師さんは「みなしPTという存在が、理学療法士の職域を脅かしている可能性はあるのか?」と質問してくれた訳です。

 

記事の冒頭でも記載したとおり、「みなしPT」にお目にかかったことは無く、「みなしPT」がどういうものかも十分に理解できていなかったため調べることにしました。

 

ただ「みなしPTが算定できるのがリハビリテーション料Ⅲだけ」では脅威にならない。

 

なので、(みなしPTという用語を聞いたことがある理学療法士は多いかもしれませんが)それが話題にまでならないのだと思います。

 

 

参考

 

関東信越厚生局東京事務所 03-6692-5119

 

「みなしPT」に関する制度変更がなされる可能性もあるので、最新の情報は独自で収集してみて下さい。

 

関連記事

 

以下の記事は介護保険下でリハビリ職種である「機能訓練指導員」についてまとめたものです。興味があれば観覧してみて下さい。

 

⇒『機能訓練指導員って何だ? 柔道整復師・あん摩マッサージ師・鍼灸師はなれるの?