この記事では、手段的ADLの評価尺度である『老研式活動能力指標』と『JST版活動能力指標』について記載していく。

 

ADL(日常生活活動・日常生活行為)という用語自体の解説は、以下を参照してほしい。

⇒『ADL(日常生活活動・日常生活行為)とは? 定義や評価法を整理しよう

 

手段的ADL評価尺度の種類

 

手段的ADLについては、重要な項目が年齢・性別・生活環境(家庭内での役割・住居の状態・生活スタイル)などによって異なる。

 

よって、凡用性をもった評価スケールの開発は容易ではないが、以下などが用いられることが多い。

 

・Lawtonの手段的ADL評価尺度

・老研式活動能力指標

・JST版活動能力指標

 

 

この記事では、上記の『老研式活動能力指標』と『JST版活動能力指標』について記載しており、いずれも日本で開発された指標である。

 

一方で、海外で認知度の高いIADL評価指標である『Laotonの手段的ADL評価尺度』に関しては以下の記事で解説しているので、興味がある方はチェックしてみてほしい。

⇒『Lawtonの手段的ADL評価尺度を解説!

 

 

老研式活動能力指標とは

 

老研式活動能力指標』とは、東京都老人総合研究所が開発した評価指標であり、以下の計3領域13項目から構成される。

 

・手段的ADL:5項目

・知的能動性 :4項目

・社会的役割 :4項目

 

各項目については「はい」を1点として、全項目の合計点を評価点とする(満点は13点)。

質問が単純で答えも2択であるため、高齢者においてもその内容は理解され易い。

 

手段的ADLの評価のみならず、知的能動性および社会的役割についても評価を行うため、高齢者の活動性を簡易にかつ総合的に評価できるスケールである。

 

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老研式活動能力指標の詳細

 

老研式活動能力指標は、以下の質問に「はい」か「いいえ」で答える。

各項目は「はい」を1点、「いいえ」を0点として、合計点を計算する(満点:13点)。

 

領域

項目

配点

手段的ADL

1.バスや電車を使って一人で外出ができますか?

はい

いいえ

2.日用品の買い物ができますか?

はい

いいえ

3.自分で食事の用意ができますか?

はい

いいえ

4.請求書の支払ができますか?

はい

いいえ

5.銀行預金、郵便貯金の出し入れが自分で出来ますか?

はい

いいえ

知的能動性

6.年金などの書類がかけますか?

はい

いいえ

7.新聞などを読んでいますか?

はい

いいえ

8.本や雑誌を読んでいますか?

はい

いいえ

9.健康についての記事や番組に関心がありますか?

はい

いいえ

社会的役割

10.友達の家を訪ねることがありますか?

はい

いいえ

11.家族や友人の相談に乗ることがありますか?

はい

いいえ

12.病人を見舞うことができますか?

はい

いいえ

13.若い人に自分から話しかけることができますか?

はい

いいえ

 

 

JST版活動能力指標とは

 

JST版活動能力指標』は、最近の日本における高齢者のライフスタイルの変化を考慮して、「一人暮らし高齢者が、自立し活動的に暮らすため」に必要なより高い能力を評価する尺度として新しく開発された。

 

評価指標は以下の計4領域16項目から構成される。

 

・新機器利用:4項目

・情報収集:4項目

・生活マネジメント:4項目

・社会参加:4項目

 

これらのうち新機器利用(携帯電話、ATM、ビデオ・DVDプレーヤー、携帯電話・パソコンのメール)と生活マネジメント(詐欺・ひったくり・空き巣等の対策、生活上の工夫、病人の看病、孫・家族・知人の世話)の項が手段的ADLの評価に該当する。

 

JST版活動能力指標は、老研式活動能力指標ではカバーされていない項目を含むため、これら2つの指標を併用することで、対象者の生活機能をより幅広く評価することが出来ると考えられている。

 

 

JST版活動能力指標の詳細

 

以下の質問に、「はい」か「いいえ」で答える。各項目「はい」を1点、「いいえ」を0点として、合計点を計算する(満点:6点)。

 

領域

項目

配点

新機器利用

(手段的ADL

1.携帯電話を使いうことができますか?

はい

いいえ

2.ATMを使うことができますか?

はい

いいえ

3.ビデオやDVDプレイヤーの操作ができますか?

はい

いいえ

4.携帯電話やパソコンのメールができますか?

はい

いいえ

情報収集

(知的能動性)

5.外国のニュースや出来事に関心がありますか?

はい

いいえ

6.健康に関する情報の信ぴょう性について判断出来ますか?

はい

いいえ

7.美術品、映画、音楽を鑑賞することがありますか?

はい

いいえ

8.教育・教養番組を視聴していますか?

はい

いいえ

生活マネジメント

(手段的ADL

9.詐欺・ひったくり・空き巣などの被害にあわないよう対策をしていますか?

はい

いいえ

10.生活の中でちょっとした工夫をすることがありますか?

はい

いいえ

11.病人の看病ができますか?

はい

いいえ

12.孫や家族、知人の世話をしていますか?

はい

いいえ

社会参加

(社会的役割)

13.地域のお祭りや行事などに参加していますか?

はい

いいえ

14.町内会・自治会で活動していますか?

はい

いいえ

15.自治会やグループ活動の世話役や役職を引き受けることがありますか?

はい

いいえ

16.奉仕活動やボランティア活動をしていますか?

はい

いいえ

 

 

関連記事

 

冒頭にも記載したが、ADL(IADLも含む)に関しては以下の記事でも解説しているので合わせて観覧してみてほしい。

 

ADL(日常生活活動・日常生活行為)とは? 定義や評価法を整理しよう

 

 

『老研式活動能力指標』や『JST版活動能力指標』と同様に有名なIADLの評価指標としては以下がある。

 

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