この記事では、『血液』と『リンパ』について、成分にフォーカスを当てつつザックリと解説している。

 

目次

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血液の成分(役割)と生成場所

 

栄養や酸素は血液に取り込まれ、体のすみずみまで送り届けられる。

 

したがって、血液が体内を循環していることは非常に重要だ。

 

血液は大きく分けて以下の成分から成り立っている。

  • 血球と呼ばれる有形成分
  • 血漿と呼ばれる液体成分

 

血球

有形成分である『血球』には以下が該当する。

  • 赤血球(酸素や二酸化炭素を運ぶ働き)
  • 白血球(病原菌を殺す働きなど)
  • 血小板(血液を凝固させる働き)

 

血漿

液体成分である血漿は、血液の約60%を占めており、体の新陳代謝やエネルギーとして働きている。

ちなみに血漿の90%は水分であり、そのほかにブドウ糖、たんぱく質、塩分、カルシウム、カリウム、リンなどが含まれている。

 

 

血液の生成場所

 

血液(厳密には血液細胞)が誕生するところを『造血器官』と呼ぶ。

 

でもって(生まれる前の赤ちゃんは肝臓などで造血が行われるが)生後は骨髄で造血が行われる。

 

骨髄とは骨の中に広がる骨髄腔を占めている組織のことで、骨髄の中の幹細胞という種類の細胞が分化して血球の赤血球、白血球、血小板、リンパ球が生まれる。

 

脊髄から誕生した血球には寿命があり、具体的な寿命は以下の通り。

  • 赤血球は約100~120日間
  • 血小板は約10日間
  • 白血球は約14日間

 

でもって、全身をめぐって古くなった血液が処理される場所は『脾臓』である。

 

 

リンパ管・リンパ液とは

 

体内にはリンパ管という細い管があり、その中をリンパ液が流れている。

 

リンパ管は「老廃物、腸管で吸収された脂肪などの運び役」である。

 

そしてリンパ液は「リンパ管から血管に入る⇒心臓⇒動脈を流れ毛細血管から出てリンパ管に入る」という循環した流れになっている。

 

リンパ液は毛細血管から出た血漿がリンパ管に侵み出したもので、成分は血漿とほぼ同じで90%が水分。

その他の成分としてタンパク質・ブドウ糖・塩類などが含まれている。

リンパ管は全身の末梢から始まり、徐々に合流して太くなり、下半身と左半身から集まったリンパ管は左鎖骨下静脈の静脈角に合流する。

右上半身から集まったリンパ管は、右鎖骨下静脈の静脈角に入る。

 

酸素や二酸化炭素を運ぶ「赤血球」

 

赤血球は血液の重要な役割の1つに以下がある。

 

酸素をからだ中に運ぶ

 

赤血球は白血球に比べて圧倒的に多く、血液1立方mの中に400万~600万個含まれている。

 

赤血球の中には、鉄を一成分とするヘモグロビンというたんぱく質が含まれていいる。

 

でもってヘモグロビンは、酸素の濃度が高いところでは酸素と結合し、低いところで酸素を放出するのが特徴だ。

 

そのため、心臓から肺に血液が送られた時、ヘモグロビンは酸素と結合し、身体のすみずみまで酸素を送り届け、酸素を放出する。

 

その後、新陳代謝によってできた二酸化炭素と結合してさらに肺に戻るということを繰り返す。

 

ちなみに赤血球を作るためには、たんぱく質・鉄分・ビタミンB12などが必要になる。

そのため、これらの栄養素が足りなくなると赤血球が減り、その結果、貧血が起こる。

 

赤血球は酸素と結びつくから赤い?

 

血が赤いのは、血液の中で圧倒的に多い赤血球の色のためだ。

 

赤血球の中には、酸素と結びつくヘモグロビンという物質が含まれており、ヘモグロビンは、酸素と結合すると明るい赤色になる。

一方で、酸素を放出したあとは、暗い赤色になる。

 

このため、酸素が豊富に含まれている動脈を流れる血は、鮮やかな赤色をしている。

一方で、酸素が放出された後の静脈を流れる血は暗い赤色をしている。

 

また、、赤血球が壊れるとビリルビンという物質になり肝臓の胆汁成分となるが、この「ビリルビン」は黄色い色をしている。

 

便の色が黄色っぽいのはこのビリルビンのせいだが、血液中にビリルビンが増えると肌の色が黄色くなる『黄疸』になる。

 

 

外敵からからだを守る白血球

 

白血球は何種類かの細胞が集まってできている細胞を総称を指す。

 

でもって白血球の重要な役割は「外から入ってくるウイルスや細菌などの外敵からからだを守ること」である。

 

白血球に含まれている細胞には以下などが挙げられる。

  • リンパ球
  • 好中球
  • 単球
  • 好酸球
  • 好塩基球

 

ウィルスなど異物がからだに侵入したとき、まず行動を起こすのは、白血球の中のリンパ球だ。

異物を直接攻撃したり、異物を退治するための抗体を作る。

それと同時に白血球の中で一番多い好中球が、アメーバ―運動をしながら異物に近づき、自分の体内に異物を取り込んで活性酸素によって異物を殺す。

炎症などが起きると白血球の中の好中球が増える。

 

その他、単球は異物を食べたり、サイトカインと呼ばれる物質を分泌して異物を攻撃する。

 

好酸球、好塩基球なども寄生虫などの異物をやっつけるのに威力を発揮する。

 

 

白血球は多すぎても、少なすぎてもよくない

 

血液中に含まれる白血球の数は赤血球の約1/1000程度。

 

かなり少ないが、外敵との戦いで白血球が死んでも、すぐ新しい白血球が作られるので、ふつうは問題ない。

 

そして、(何らかの理由で)数が増えたから良いというものでもないし、少なすぎても問題が起こる。

 

白血球が少ない場合

白血球の数が少ないと、外敵から身を守ることができなくなり、抵抗力が落ちてしまう。

白血球が少なくなる原因としては「貧血」や「血液の病気」が挙げられる。

 

白血球が多い場合

白血球の数が多いときには「ウイルスや細菌とからだが戦っている証拠」なため、体のどこかが感染症など、何らかの故障が起きている可能性があると解釈する。

 

 

血が止まるのはどうしてか?

 

出血しても血が止まるのは、血液の中の一番小さな血球成分である血小板と、血液凝固因子の働きのおかげである。

 

傷口から出血すると、まず、血管が縮んでその部分に血小板が集まってきます。

血小板はお互いにくっつきあって血栓を作ります。

その上に、血漿(血液の液体部分)に含まれるいくつかの血液凝固因子の協力もあって、さらに強固な網目状の血栓ができる。

ここに赤血球や白血球なども絡んで凝固し、止血される(この血栓は、血小板血栓と呼ばれる)。

 

健康であれば、ちょっとしたキズなら10分くらいで自然に止血される。

 

しかし何らかの病気で血小板が減ってしまうと、出血が止まらなくなる。

 

また、血友病は生まれつき血液の凝固因子が足りないので「血が止まりにくい病気」と言える。

 

 

リンパ節って?

 

リンパ液について前述したが、ここでは「リンパ節」も補足しておく。

 

リンパ節とは「体に張り巡らされているリンパ管の合流している部分のこと」である。

 

豆のような形をしているが、大きさはほんのアズキ豆くらいのもので、「首」「腋窩」「鼠径部」や体の深部などに存在する。

 

リンパ節では体の中に侵入ウィルスや細菌を処理するリンパ球を作ったり、リンパ液が運んできた細菌などの異物をすくい上げるフィルターの役割を果たす。

 

ここですくい上げられた異物に対し、リンパ節では、リンパ球が抗体を出したり、直接攻撃をして、からだの中に異物が入り込むのを防ぐ。

 

つまり、リンパ節は外敵から体を守る重要な免疫機能の要と言える。

 

リンパ系に関する動画を紹介

 

以下は、リンパ系に関する動画になる。

 

※関西弁で、分かり易く解説してくれているのでオススメである。

 

 

血液循環に関する動画は、以下の記事に掲載されているので、こちらも合わせて観覧してみて欲しい。

 

『心臓(heart)』『循環器』について、ザックリ解説するよ