この記事では、リハビリ評価ツールの一つである『PULSESプロフィール』について記載していく。

 

PULSESプロフィールとは

 

PULSESプロフィールとは、1857年にMoskowitzとMcCannらによって開発され1979年にGrangerが改良して発表したADL検査である。

 

PULSESは、生活機能における以下の6項目の頭文字を表している。

 

  • 身体状況
  • 上肢機能
  • 下肢機能
  • コミュニケーションと視覚
  • 排尿・排便機能
  • 支援要素

 

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PULSESプロフィールの概要

 

PULSESは、それぞれの項目について4段階(1点、2点、3点、4点)で段階付けし、前項目の合計スコアとして表す。

 

全項目について自立している場合は、総点が6点(=1点×6項目)となり、全介助の場合は総得点が24点(=4点×6項目)となる。

 

※つまり、PULSESでは得点が多いほど介助が必要であることを示す。

 

※同じADL検査である『バーセルインデックス』や『FIM』はでは得点が高いほど自立度が高いことを示している。

 

 

PULSESの『P』

 

PULSESの『P』は、Physical Condition(身体状況)を指す。

 

Physical Conditionは、内臓疾患(心疾患・胃潰瘍・泌尿器)と神経疾患による障害を含む。

 

 

1.医療や看護の診療や指導を3か月以上必要とせず、医療の問題が十分安定している。

2.医療や看護の診療や指導を3か月以内に必要であるが、毎週ではない。

3.少なくとも毎週定期的な医療や看護のケアが必要であり、医療の問題が十分安定しているとは言えない。

4.毎週集中的な医療や看護の管理(介助のみのケアを含む)をするような医療を必要としている。

 

 

PULSESの『U』

 

PULSESの『U』は、Upper Limb Functions(上肢機能)を指し、主として上肢機能によるセルフケアが該当する(飲食・服の着脱・整容・排尿や便の始末など)。

 

 

1.上肢の機能障害がなく、セルフケアが自立している。

2.上肢にわずかな機能障害があるが、セルフケアが自立している。

3.上肢に機能障害があるか、セルフケアがまた無い場合においてもセルフケアに介助や指導が必要である。

4.上肢に明らかな機能障害があり、セルフケアが全介助である。

 

※(下肢も含めた)セルフケアについては以下を参照。

⇒『日常生活活動(日常生活行為)を解説!

 

 

PULSESの『L』

 

PULSESの『L』は、Lower Limb Function(主として下肢機能による移動)を指し、例えば以下が該当する。

 

  • 移乗
  • トイレ
  • 浴槽またはシャワー
  • 歩行
  • 階段
  • 車椅子

・・・・など。

 

 

1.下肢の機能障害がなく、移動が自立している。

2.下肢にわずかな機能障害があるが、移動が自立している。

※歩行補助具の使用、装具または義肢、その他の建築上、環境的な障壁も問題にならず車椅子操作が自立している。

3.下肢に機能障害があるか、またはない場合でも移動に介助や指導が必要である。

4.下肢に明らかな機能障害があり、移動が全介助である。

 

 

PULSESの『S』

 

PULSESの『S』は、Sensory Componentsを指し、コミュニケーション(話す・聞く)と視覚が該当する。

 

 

1.コミュニケーションと視覚に機能障害がなく、自立している。

2.軽度の構音障害、軽度の失語、メガネや補聴器の使用、目のケアなどわずかな機能障害があるが、コミュニケーションと視覚が自立している。

3.コミュニケーションと視覚に説明や指導が必要である。

4.コミュニケーションと視覚が全介助である

 

 

PULSESの『E』

 

PULSESの『E』は、Excretory Functions(排尿・排便機能)を指す。

 

 

1.膀胱・直腸括約筋の完全な意識的コントロールがなされている。

2.社会活動において、膀胱・直腸括約筋への緊急な対応ができ、またはカテーテル、器具、補助具などを介助なしにケアができる。

3.括約筋のケアに介助が必要であるか、しばしば失敗する。

4.しばしば失禁状態で濡れて汚れている。

 

 

PULSESの『S』

 

PULSESの最後尾の『S』はSupport Functions(支援要素)を指し、知的・情緒的適応を評価する。

また、家族単位の援助・経済力も該当する。

 

 

1.平常時役割を果たし、習慣的課題を遂行できる。

2.平常的役割と習慣的課題遂行において幾分かの加減が必要。

3.括約筋のケアに介助が必要であるか、しばしば失敗する。

4.長期的施設ケア(稜耀が多忙いんやナーシングホームなど)に依存している(特別な評価、治療、または集中的リハビリテーションのための時限的入院を除く)