この記事ではADL評価ツールの一つであるカッツインデックス(katz index)について記載していく。
目次
カッツインデックス(katz index)とは
カッツインデックスは、そもそも老化や慢性疾患の治療、予後研究や投薬治療効果比較などの論文に使われていた。
カッツインデックスの特徴は、ADLの項目の難易度順を決めてしまっていることである。
難易度の高い順に、入浴⇒更衣トイレ⇒移乗であり、より易しい項目2つとして排泄と食事を位置づけている。
典型的なADL障害パターンをとる患者にはわかりやすい評価結果表示となるが、機能障害の状況などにより、難易度が通常と異なる患者の場合の結果の解釈が困難となる。
各項目は、自立か依存かの二択で判断される。
カッツインデックス(katz index)の構成項目と判定基準
先ほどの解説と重複する部分も少しあるが、カッツインデックスの構成項目と判定基準について記載していく。
カッツインデックス(katz index)は、以下の6項目で構成される。
- 入浴
- 更衣
- トイレ
- 移乗
- 排泄コントロール
- 食事
そして各項目について、まずは「自立」or「介助」に振い分けする。
※カッツインデックスにおける「自立」は監視や指導する場合は含まない点に注意する
※監視や指導が必要な場合は「介助」に該当する。
次に、自立した項目数に応じてA~Gに段階付けしていく。
以降は、「カッツインデックスの検査項目」と「A~Gの段階付け」について記載していく。
カッツインデックス(katz index)の検査項目と段階付け
カッツインデックスの検査項目は以下の通り。
入浴 (浴槽へ入る・シャワーの使用・洗体を含む) |
自立 |
完全に1人で入浴が可能。または、背部や障害のある手足一か所のみを洗うために介助が必要。 |
介助 |
1か所以外にも洗えない部位がある。浴槽の出入りが1人で出来ない。 |
|
更衣 |
自立 |
タンスや引き出しから衣類を出し、服・コート・装具を身につける(ファスナーを閉めることや靴ひもを結ぶことは除外) |
介助 |
全部または一部の行為動作ができない。 |
|
トイレ |
自立 |
トイレに行き、便器に近付いたり離れたり、衣類を操作したり、始末したりが一人で出来る。 ※夜間はベッドで便器や自助具を使用しても良い。 |
介助 |
トイレの使用に介助が必要、あるいは常にベッドで便器を使用している。 |
|
移動 |
自立 |
自力でベッドに入り、ベッドから離れる・椅子に腰かけ、椅子から離れる(自助具を使用しても良い)。 |
介助 |
ベッドや椅子への移動が1つ以上出来ない。 |
|
排泄コントロール |
自立 |
排尿・排便操作が完全に自分で出来る。 |
介助 |
完全または不完全な失禁状態 ⇒浣腸・カテーテル・便器・尿器の使用について部分的介助または管理・監視が必要。 |
|
食事 |
自立 |
食事を皿からとり、口に入れる(あらかじめ食物を切ったり、ほぐしたりなどの「食事の準備」は評価に含まない) |
介助 |
一部または全部の摂食が高いが出来ず、介助が必要。 |
次に、上記項目において自立と判定された数に応じて以下のA~Gに段階付けしていく。
A |
食事、排尿・排便コントロール、移乗、トイレ、更衣、入浴が自立 |
B |
上記の1つを除いて自立 |
C |
入浴及び1つを除いて自立 |
D |
入浴及び更衣を除いて自立 |
E |
入浴、更衣、トイレ及び1つを除いて自立 |
F |
入浴、更衣、トイレ、移乗および1つを除いて自立 |
G |
6つの機能全てが介助 |
その他 |
2つ以上の機能が介助(ただし、C、D、E、Fには分類できないもの) |
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そして、リハビリ(理学療法・作業療法)を考える上で、ICFによる「人間を包括的に捉える視点」は重要になってくる。
以下のリンク先に、ICFをまとめた記事があるので、こちらも参考にしていただき、問題解決に役立てていただければと思う。