NMDA受容体は脊髄後角に存在する受容体で、この受容体が活性化することで「痛み刺激によるワインドアップや長期増強」といった中枢感作が起こってしまう、痛みにおいて重要な要素である。

詳しくはこちら⇒『ブログ:中枢感作とは?脊髄後角で起こること!

 

 

~NMDA受容体拮抗薬とは~

 

NMDA受容体拮抗薬とは、NMDA受容体の活性化を阻害することで前述した機序に基づく中枢神経感作を軽減し、鎮痛を図る薬剤である。

 

静脈麻酔薬のケタミン塩酸・鎮咳薬のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、脳循環代謝改善薬のイフェンプロジル酒石酸塩・抗パーキンソン病薬のアマンタジン塩酸塩などはこの作用があり、なかでもケタミン塩酸塩が最も使用されている。

 

ケタミン塩酸塩の副作用としては、幻覚や幻聴などの精神症状の他に、吐き気などがみられることがあり、成分自体は麻薬ではないものの、日本においては法律上は麻薬指定となっている。

 

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