青斑核(LC)は橋網様体に左右一対ある、ノルアドレナリンを含有する最大の細胞群である。

 

青斑核は意識水準の維持、覚醒のコントロール、脊髄への投射を介した下降性の疼痛抑制に関与している。

 

ノルアドレナリン神経系のA6は青斑核にあり、脳幹のA5やA7もノルアドレナリンを介した下降性疼痛抑制系の起始核である。

 

恐れや驚きなどの感情によって引き起こされる『キャノンの緊急反応』では、交感神経だけでなく、青斑核からもノルアドレナリンが放出されるので、覚醒レベルが上がる。

 

痛み刺激は究極のストレスであると考えれば、青斑核を介して引き起こされる鎮痛も、緊急時の自律反応や闘争・逃走反応を起こすために必要な反応の一部であると考えられる。