セリエのショック相の例としてはライオンやクマに遭遇した際のフリーズ状態をイメージすると分かり易い。

 

ただ、これは我々の日常においては非現実的なシチュエーションだ。

 

私たちの日常では、大勢の前でスピーチをする状況が分かり易い例ではないだろうか。

 

大勢の前でスピーチする際は、神経が張り詰め、胸はドキドキ、喉はからから、という状態になる。

 

筋肉と脳が強張り、聴衆を引きつけることなどはとても無理だと思えてくる。

 

あるいは前頭前野から扁桃体へ送られる「危険ではない、大丈夫だ」という心が応がバラバラに散らばり、何も考えられなくなり、フリーズしてしまう。

 

そのような本格的なストレス反応はセリエのショック相のイメージとしてぴったりではないであろうか。

 

また、本来であればここから「反ショック相(闘争・逃走反応)」に移行することになる。

 

しかし、聴衆を前に逃げるわけにはいかないので、前頭前野を働かせてその環境に対して懸命に向き合う(これは闘うと表現しても良いのか?)か、フリーズしたままかといった選択を迫られることになる。