視床下部、下垂体、副腎の間でフィードバックのある相互作用を行い制御している神経内分泌系のことを『視床下部(Hypothalamic)-下垂体(Pituitary)-副腎(Adrenal)系』あるいは、これらの頭文字をとって『HPA軸』と呼ぶ。

 

HPA軸は下記の流れでストレス刺激に対応する。

 

①生体にストレス刺激が加わる

②視床下部から『副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)』と呼ばれる下垂体を刺激するホルモンが産生される

※略称はCRFともCRHとも呼ばれる

③下垂体はCRFに反応し、『ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)』と呼ばれる副腎皮質を刺激するホルモンを産生する

④副腎皮質はACTHに反応し、『コルチゾール(=副腎皮質ステロイドホルモン)』が産生される

⑤コルチゾールによって、様々なストレス反応を生み出す

⑥ステロイドホルモンの血中濃度が十分に上昇すると、視床下部に作用してCRFの産生を抑える

⑦その結果、ACTHが産生されなくなり、コルチゾールの産生も抑制される

 

※⑥・⑦は『ネガティブフィードバック機構』と呼ばれる、生体の調節機構である。