以前投稿した「セリエが提唱するストレスの各期」は、私たち人間も含んだ動物全般に生じるストレス反応に関して理にかなっており、現在でも用いられている考えです。

 

しかし、実際に私たちに出現するストレス反応はもっと複雑である気がします。

 

特に、ストレス刺激が強すぎたり、長く続きすぎたり、ほかのストレス刺激が新たに加わったりすると抵抗力は弱まる時期である『疲弊期』に関しては下記のように意見が分かれます。

 

  1. 交感神経ではなく副交感神経の機能が相対的に強くなり、副腎機能も低下してしまう。

     

  2. 疲弊期におけるストレス刺激に対応するために、更に過剰な交感神経や副腎機能の亢進に繋がる。

 

※4徴候の一つである胃潰瘍についても、①or②と真逆の意見があります。

 

 

①交感神経ではなく副交感神経の機能が相対的に強くなり、副腎機能も低下してしまう

 

①に関しては、副腎機能が低下するため、極端な例としてアジソン病をイメージすると症状が掴みやすいかもしれません。

 

また、ノルアドレナリンやアドレナリンの放出が減少するために血圧が低下し、顔面も蒼白になるため、ストレスによりうつ病が発症し自殺してしまうケースなどは、こちらの方がイメージし易いです。

 

ストレスにより副腎が疲弊してしまい従来の機能が損なわれてしまう状態を、アメリカでは「アドレナルファティーグ」と呼び、警鐘を鳴らしている人もいます。

 

 

 

②疲弊期におけるストレス刺激に対応するために、更に過剰な交感神経や副腎機能の亢進に繋がる

 

②に関しては、副腎機能が亢進するため、極端な例としてクッシング症候群をイメージすると症状が掴みやすいかもしれません。

 

また、長年のストレスによって常にイライラして血圧が高い人なんかを考えると、②のパターンも人によってはあり得るのではないかと思ってしまいます。

 

※ただ、動物における疲弊期のいきつく先が「死」だとするなら、イライラして他者に当たってしまう人と「死」はあまり結びつかないので、この様な状態はまだ疲弊期の一歩手前(抵抗期)に該当するのかもしれません。

 

終わりに:ストレスと帰属バイアス

 

今回は、「ストレス刺激が強すぎたり、長く続きすぎたり、ほかのストレス刺激が新たに加わったりする」という状態が、自律神経や副腎機能に及ぼす反応が文献によって真逆なため、前回の記事の補足として念のため記載してみました。

 

いずれにしても、ストレス反応が内向きになるか、外向きになるかは個人差があり、前者であれば①のパターンになり易く、後者であれば②のパターンになるとも考えられます。

 

これは自身の人格から生じる『帰属のバイアス』とも関連がありそうで、興味深いトピックスといえます。