私がか関わっている訪リハの制度について紹介しようと思います。
かなり愚痴も入っていますが、あまり気にせず読んでください。訪リハをこれから立ち上げる人たちの参考になれば幸いです。
※注意点!この記事は2008年に作成したものです。
訪問リハビリ間接業務の流れ
まず訪リハをするには毎月1回Drの指示書が必要です。さらに、利用者の当院以外のDrが主治医が主治医の場合、その主治医に毎月1回(訪看からのリハの場合は違う)診療情報提供書というものを書いてもらう必要があります。
また、診療情報提供書を主治医に記入してもらうにあたって利用者には毎月1回診察(往診が基本だが外来受診でも可)を受けてもらう必要があります。
つまり、利用者が主治医に診察してもらう→主治医に診療情報提供書を書いてもらう→その情報提供表を元に当院Drが私に指示書を書くという手順を毎月繰り返さなければなりません。
非常に面倒くさい。これらが毎月オートで行われるなら良いのですが、利用者が受診を忘れていたらお願いし、Drが提供表を書くのを忘れていたらお願いし、診察をしたこともない利用者の指示書を書かなければならないことを毎月のようにぼやく当院Drに記入をお願いしなければなりません。
利用者が仮に毎月1回の受診を拒んだ場合は、リハは開始できないということになります。
たまに、「診察を受けに行っても、血圧測るだけでろくに話もせずに帰される。何で毎月時間をかけてこんな無駄をしなければリハビリを受けれないのか?」と家族や利用者に聞かれて苦しくなることがあります。
確かに、Drに定期的にチェックしてもらって情報提供をもらった方が良いケースはあると思います。
しかし、明らかに状態が安定しているケースもあるにもかかわらず、すべてをひとくくりに「毎月1度は受診しなければならない」と決められているのはおかしいと思います。
せめて、Drの判断で受診の間隔が決められたら利用者の負担も違ってくるのではと思うのですが・・・。
これに関して、市の介護保険課や厚生推進課などに納得する理由を求めたり抗議をしまくった時期もありましたが、結局最終的には「そういう決まりなんだから仕方ない」で終わってしまいます。
また、主治医に毎月1回の診療情報提供書記入を拒まれる場合があります(理由は色々ありますが、一番多いのは上記の様な利用者と同じ内容なことが多いです)。この場合もリハは開始できません。
拒まれた場合も何とか頼み込めば最終的には記入してもらえますが、中には「きちんと考えて書いてくれているのか?」と思う内容も多くあります。とっくにT字杖歩行可能となった利用者に対して、いつまでも多点杖歩行可能レベルと書いてくるDrもいます。
「いやいや、診察室入る時T字杖で入ってきてるだろ?目に入ってないのか?」と突っ込みたくなります。でも情報提供料はきっちり利用者からとってるわけです。真面目に仕事をしてほしいものです(あくまで一部のDrの話です)。
この他の間接業務として、3か月に1度他職種も交えたカンファレンスを開くことが制度上必要です。
ここで、3ヶ月間での変化などの意見をそれぞれに聞き、訪リハの効果判定をします。
その上で今後訪リハで出来ること・出来ないこと・改善の可能性などを伝え、継続するかどうかを利用者・家族・ケアマネに決断してもらいます。
継続することになれば、新たな目標を設定して、次回3ヶ月後に再度カンファレンスを開き効果判定を行います。これを訪リハサービスが継続される限り続けていきます。
目標を決めても、利用者・家族・ケアマネがそれぞれ訪リハに託したい「想い」が異なっていることも多く、全ての想いを汲み取って結果を出すことが難しい場合があります(抽象的に書きましたが、具体的に書いたらかなり長くなるので・・・・)。
週3件程度訪リハをしている友人がいて「訪リハってやってて効果無いよね。
良くならないって思いながらやっているよ」と話をされたことがあります。
聞けばカンファレンスは開いていないそうです(自分の病院の居宅からの依頼ということでその辺がルーズなのでしょうか?)。
効果が無いのに訪リハを終了していない時点で問題があります。リハの目的は「維持」でも良いのです。
しかし、それは「訪リハを利用しているから維持できている」といったものでなければなりません。それをカンファレンスの際に皆が分かるように伝える納得してもらう必要があります。生活習慣が改善されたり家族にリハビリが理解できて「訪リハが介入しなくても維持できる」と感じたならばその時点で終了を提案すべきです。それを友人に話したら黙っていましたが・・・・
また、毎月1回報告書をケアマネには実績表(今月何回リハしたか)、Drには返信用封筒と来月の情報提供書記入用紙(当院指定用紙を希望するDrのみ)と一緒に送ります。
間接業務がもっと楽になれば良いのにと思う件
かなーり長々と書きましたが、以上のように訪リハには色々と間接業務があります。
先日行った研修会の話では、これらの間接業務をきちんとやっていない所が多いのが現状とのことでした。
確かに、やっていて「意味ないのでは??」と思うこともありますが、それが制度である以上、皆平等に守ってほしいと思います。そうしないと正直に制度を守って仕事をしている人が馬鹿みたいです。
東京などの都会??ではリハスタッフが利用者や家族に「風のように来て風のように去っていく」と言われているとのことでした。一日あたり10件以上(中には15件とかも)訪問している人達もいるとのことです。
・・かなりのつわもの達です。ですが、これでまともな訪リハを提供できているのでしょうか?このつわもの達に1日密着してどんなことをしているのか見学させてもらいたいものです。
研修会の話によると、来年改訂時に、入院リハビリの様にスタッフが1日に実施できる訪問件数の上限を設けることでリハビリの質を下げないようにするといったことも検討されているようです(実現するかは懐疑的ですが)。
※余談として、一週間に訪問できる回数も制限する方向らしいです(こちらは実現しそうな気配ですね)。
訪リハは一回20分以上で算定可能(病院からの訪リハの場合)ですが、実際問題まともな訪リハをしようと思ったら自宅にお邪魔して20分後に家を出ていく(訪リハに関してはご本人と関わる時間以外に重要な時間があるためこのように考えています)ことは難しいと思います。
玄関のチャイムを鳴らしてご家族に挨拶をして、自室へ入ります。
リハをする前にバイタルチェックが必要です。
終了後に自室を出た後、ご家族へ今日の利用者についての評価や自主トレや生活で協力してほしい事など話し合うことも多いです(訪問リハビリではリハビリスタッフが関わる以外の時間について話し合うことの方が有意義な場合が多いからです)。
そして挨拶をした後玄関を出ます。
これを20分で終えるのは無理です。
そして、次の訪問先への移動時間も考えれば最低40分は必要なのではないでしょうか?
何はともあれ、誰もが納得できて守れるような制度に来年変わることを期待します。