昨日開催された第31回AKA医学会学術集会に参加してきました。
6月に参加したPT・OTの学術集会は基本コンセプトをじっくり説明していただき良い復習になったという感じでしたが、今回の医学の学術集会は医師にいかにAKAへ興味を持ってもらうかといった強い熱意が伝わってくる感じでした。
また、AKAではなく整形外科教授の視点からの疼痛に関する見解が聞けて「整形外科医はこんなこと考えてるのか~」なんて考えさせられたり、AKAでは改善しない痛みに対してブロック注射やコルセットの併用や生活指導に関してなど疼痛に対して様々な角度からの議論が活発になされてとても興味深い内容でした。
RCT(無作為対照臨床試験)を用いてAKAの効果を検証している先生の発表は「Drだからこんなこと出来るんだろうな」という内容で、今後もどんどんこういう検証をしてAKAがどこまで筋・骨格系の疾患に有効なのか明らかにしてほしいものです!ん~ ここまでのものは作れないけどRCTをどいう方法で試みれば良いかのとても参考になる1例だったので自分にも活かしていきたい・・・・
ちなみに統計学者はは徒手療法に関してRCTを用いても倫理的に問題ないと言っていようです。何故なら、自分が勝手に効果があると信じているだけで確立されていない手技を一部の人間に施行しなかっただけなのだからだそうです(十分なエビデンスのあるものを施行する患者としない患者にふるい分けるのは問題だが)。
また、医学会学術集会はPT・OT学会と異なり後半に少しだけ実技指導もしてもらえます。ただ、以前に医学会主催の地域技術講習に参加した時も思ったことなのですが、PT・OT指導者に比べて指導医は大雑把な印象を受けました。
PT・OT指導者は足の向きやポジショニング・体重移動などかなり細かく指導してくれるのですが、それに比べて指導医は「そこは特に気にしなくて良いよ」っていうのがいくつもありました。
それと、AKAのDVD(2枚組)が会場にて2万円で売られていました。
教本が改定されたことに伴い、DVDも新しくなったわけですが、以前のものと異なり市販はしない方向の様です。
市販すると、その映像をみただけで出来ると誤解して安易に使用してしまう人達(国家資格者・民間療法士など)により患者を危険にさらしたりAKAを誤解されたりするのを防ぐことなどが目的とのことでした。
以下がAKAの教本になります。
以下は、会場で売られていたDVDになります。
その他、博田先生語録も健在でした。
色々と勉強になることも仰っていたのですが、
- ウィリアムエクササイズは腰痛に対する運動療法として一般的だが、私は今まで何万人と治療してきて1人にしか使用していない。それくらい適応になる人がいない。
- 関節モビライゼーションは博田法から比べたら理論的にも効果としても全然劣るもの。
などなど色んな批判をしていました。
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⇒『ウィリアムズ体操(Williams exercise)を紹介するよ』
カリスマ的な指導者は過激的でインパクトのあるフレーズや誇張・他学派の批判を上手に使って人を引き付けるので、その辺は差し引かなければいけないと思います(汗)。
特に、他学派の批判に関しては一昔前の情報を基本としていることが多く(ひどいときには数十年前の情報)、その様な批判は初学者にとっては誤った情報を鵜呑みにさせ視野を狭くさせてしまうとともに、『現在の他学派の情報』を十分持っている人対しては批判している組織自体を胡散臭く思わせてしまうので、辞めた方が良いと思います。
(この様に他学派を批判しているAKA博田法自体も、以前この組織に所属していて他組織を立ち上げた人から『その人が所属していた当時の古い情報を基に』批判されていますが、自分たちが同じような事をしているのだがら仕方ないですよね)。
それにしてもウィリアムエクササイズを何万人治療した中で、1人しか使用してないって・・・。
それとも1度使用して効果が無かったから、それ以降は1度も使った事が無いということ?
あるいは「使用したことが無い」といったら信憑性が無いと思ったのか・・・。少なからず使用したことがあるなら、もう2・3人使用したんじゃないですか?
とにもかくにも、AKAよりむしろ何万人中の1人に選ばれた症例に興味がわきます。