副腎は腎臓の上に乗っている小さな臓器で、左右に一つずつ存在する。

 

右の副腎がピラミッドのような形をしているのに対して、左は半月状である。

 

それぞれ幅が3~5センチ、厚さは6ミリ程度と薄く、重さは1つが約3~5mgしかない。

 

副腎は、『副腎皮質』という表層の組織が、『副腎髄質』という組織を覆っている。

 

副腎皮質は3つの層で構成されており、外側から球状帯、束状帯、網状帯と呼ばれる。

 

副腎という名前から泌尿器である腎臓の補佐的な役割をしていると誤解されがちだが、腎臓の役割とは直接関係のない機能を副腎は有している。

 

副腎は内分泌器であり、主な働きはホルモンを生産し、分泌することである。

 

副腎以外の内分泌器としては、脳にある下垂体・(メラトニンを分泌する)松果体、甲状腺、(インスリンを分泌する)膵臓、(性ホルモンを分泌する)卵巣・精巣などが挙げられる。

 

副腎は主にストレスに対処するホルモンを作るが、その種類は50種類以上もあり複雑な作用を織成しながら人体に影響を与えている。

 

これだけ多くのホルモンを生産・分泌しながら、様々な役割を担っている器官であることから、「小粒ながらに生命の維持機能をつかさどる臓器である」と表現する人もいる。

 

他方で、何らかの原因(例えばストレスが長期にわたって蓄積され続けるなど)で、副腎が機能不全に陥ると、その機能の複雑さのために、全身に様々な症状が現れる可能性がある。