この記事では、ブルンストロームステーテストをさらに細分化批判的に標準化した『上田式片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)』について記載していく。
~参考『上田 敏:目で見るリハビリテーション医学.第2版,東京大学出版会』~
上田式片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)とは
中枢性麻痺は、質的変化によって回復するが、上田はこの弓なりの曲線的なプロセスを12段階の判定基準にしている。
※「痙縮・固縮」や「共同運動・連合反応」に関しては以下も参照
⇒『筋緊張とは? 筋トーヌステスト(筋緊張検査)も含めた評価を紹介』
⇒『共同運動』と『連合反応』を解説(脳卒中片麻痺の専門用語)
上記の曲線における縦軸・横軸が示しているものは以下の通り。
- 縦軸は運動支配の随意性(自分の意思によってどの程度動かせるか)を示している。
- 横軸は運動の異常性を示している。
曲線に沿って示す数字は12段階法のグレードに対応するもので、
グレード0は完全麻痺グレード12はほぼ完全な回復を示すものである。
グレード6は中枢性麻痺に特有な異常(原始的)運動パターンが完成され、最も著明になった時点で、これを「折り返し地点」として、その後の回復は逆方向(連動パターンの正常化)に向かうことになる。
上肢・下肢テストは、グレード6で完成する共同運動(屈筋共同運動・伸筋共同運動)を「折り返し地点」としている(手指テストに関しては後述)。
中枢性運動麻痺は上記図のように、末梢性麻痺で認められる量的変化だけでなく質的変化をもち、回復過程では筋力が回復するだけではなく、『通常ではみられない連合反応、強度運動などが認められる。
※なので、末梢性麻痺による筋力低下を『徒手筋力テスト(MMT)』で評価(量的評価)するといった単純なものではないため、別の評価(質的評価)も必要となる。
でもってブルンストロームステージは片麻痺の回復過程を6段階に分けたものだが、それをさらに細かく分けたのが『上田式片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)』であり、連合反応・共同運動・分離運動を簡単に診やすいよう工夫されている。
ここから先は、上田式片麻痺12段階テストの一覧表となる。
ただし、(観覧してもらうと分かると思うが)拘縮などがあり、テストNo.1~11のいずれかの段階で施行不能となる可能性もある。
でもって、この様な際は『予備テスト』が用意されており、そのテストで代行するのだが、この記事は予備テストにまで言及していない点には注意してほしい。
上肢の片麻痺12段階テスト
上肢の片麻痺12段階テストは以下になる。
テストNo. 出発肢位・テスト動作など |
判定 |
||
①連合反応(大胸筋) 背臥位で患者を耳に近い位置におく(屈筋共同パターンの形)。 健測の肘を曲げた位置から、徒手抵抗に抗して肘を伸ばさせ、患側の大胸筋の収縮の有無を触知する。
|
連合反応 |
不十分(無) |
|
十分(有) |
|||
②随意運動(大胸筋) 出発肢位は①と同じ。 「患側の手を反対側の腰の辺りに伸ばしなさい」と指示し、大胸筋の収縮を触知する。
|
随意収縮 |
不十分(無) |
|
十分(有) |
|||
③共同運動(随意運動) 出発肢位は①と同じ。 ②と同じ動作で手先がどこまで動くかを見る(伸筋共同運動)。 |
不可能 |
||
可能 |
不 十 分 |
耳~乳頭 |
|
乳頭~臍 |
|||
十 分 |
臍より下 |
||
完全伸展 |
|||
④共同運動(随意運動) 腰かけ位で患手の先が健測の腰のところに来るようにおく(肘最大伸展位、前腕回内位-伸筋共同運動パターンの形)。 「患者の手を耳までもっていく」ように指示し、手先がどこまで上がるかをみる。 |
不可能 |
||
可能 |
不 十 分 |
0~臍 |
|
臍~乳頭 |
|||
十 分 |
乳頭以上 |
||
耳の高さ |
|||
⑤腰掛け位で手を背中の後ろへ 手を背中の後ろへ回す。 手が背中の中心から5cm以内に達するか否かをみる。 1動作で行うこと。 |
不可能 |
||
不 十 分 |
体側まで |
||
体側を越えるが不十分 |
|||
十 分 |
脊柱より5㎝以内 |
||
⑥腕を前方水平位に挙上 腕を前方水平位に挙げる。 (肘は20°以上曲がらないように気を付ける。肩関節での水平内外転は±10°以内に保つ) 60°以上を十分とする。
|
不可能 |
||
不 十 分 |
5~25° |
||
30~55° |
|||
十 分 |
60~85° |
||
90° |
|||
⑦肘屈曲位で前腕の回内 肘を曲げ前腕の回内(掌を下に向ける)を行う(50°以上が十分)。 肘を体側にピッタリとつけ、離さないこと(つかない場合は失格)。 肘屈曲は90°±10°の範囲に保つ。
|
不 十 分
|
肘が体側につかない |
|
体側につくが前腕回外位 |
|||
前腕中間位保持可能 |
|||
回内5°~45°可能 |
|||
十 分 |
回内50~85° |
||
回内90° |
|||
⑧肘伸展位で腕を横水平位に開く 肘伸展位のまま腕を横水平に開く。 上肢は真横から20°以上前方に出ないようにし、肘は20°以上は曲がらないように気を付ける。 60°以上を十分とする。
|
不可能 |
||
不 十 分 |
5~25° |
||
30~55° |
|||
十 分 |
60~85 |
||
90° |
|||
⑨腕を前方に挙上 バンザイをする。 肘は20°以上曲がらないようにし、前方からできる限り上にあげる。 上肢は横に30°以上開かないようにする。 130°以上を十分とする。
|
不 十 分 |
0~85° |
|
90~120° |
|||
十 分 |
130~155° |
||
160~175° |
|||
180° |
|||
⑩肘伸展位での回外 肘伸展位で前方にあげ、前腕を回外する(掌を上に向ける)。 肘は20°以上曲げず、肩関節は60°以上前方挙上とするようにする。 50°以上を十分とする。
|
不 十 分 |
前方挙上位をとれない |
|
とれるが前腕回内位 |
|||
中間位をとれる |
|||
不 十 分 |
回内5°~45° |
||
回内50~85° |
|||
回外90° |
|||
⑪スピードテスト(1) 手を肩から頭上に挙上する。 手先を肩につけ真上に挙上する。 できるだけ早く10回繰り返すに要する時間をはかる。 肘が20°以上曲がっていてはならず、肩関節は130°以上挙上すること。 健側を先に測定する。
|
所 要 時 間 |
健側 |
|
患側 |
|||
不 十 分 |
健側の2倍以上 |
||
健側の1.5倍以上~2倍 |
|||
十 分 |
健側の1.5倍以下 |
※⑪が施行不可能な場合に実施する『上肢予備テスト:スピードテスト②』は割愛する。
上肢の判定基準
上田の片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)における下肢の判定基準は以下の通り。
総合判定 (グレード) |
テストNo. |
判定 |
参考 (ステージ) |
0 |
1(連合反応) |
不十分(2・3・4も不十分) |
Ⅰ |
1 |
1(連合反応) |
十分 |
Ⅱ-1 |
2 |
2(随意収縮) |
十分 |
Ⅱ-2 |
3 |
3・4(共同運動) |
一方不可能・他方不十分 |
Ⅲ-1 |
4 |
両方ともに不十分または 一方不可能・他方不十分 |
Ⅲ-2 |
|
5 |
一方十分・他方不十分 |
Ⅲ-3 |
|
6 |
両方ともに十分 |
Ⅲ-4 |
|
7 |
5・6・7 (ステージⅣのテスト) |
1つが十分 |
Ⅳ-1 |
8 |
2つが十分 |
Ⅳ-2 |
|
9 |
8・9・10 (ステージⅤのテスト) |
1つが十分 |
Ⅴ-1 |
10 |
2つが十分 |
Ⅴ-2 |
|
11 |
3つが十分 |
Ⅴ-3 |
|
12 |
11 (スピードテスト) |
ステージⅤのテストが3つとも十分でかつスピードテストが十分。 |
Ⅵ |
下肢の片麻痺12段階テスト
下肢の片麻痺12段階テストは以下になる
テストNo. 出発肢位・テスト動作など |
判定 |
|||
①レイミステの連合反応 背臥位で健側の下肢を開き、徒手抵抗に抗してこれを閉じさせる。 患側下肢の内転、または内転筋群の収縮の有無をみる。 |
股内転の誘発(連合反応) |
不十分(無) |
||
十分(有) |
||||
②随意運動 背臥位で随意的に患側下肢を閉じ、(内転)させ、内転筋群の収縮を触知する。 |
随意運動(内転筋群の触知) |
不十分(無) |
||
十分(有) |
||||
③伸筋共同運動(随意運動) 背臥位で膝を90°に曲げ、自然に股外転、外旋した位置におき、「足を伸ばす」よう指示し、膝屈曲角をみる。 |
随意運動(膝伸展) |
不可能 |
||
可 能 |
不 十 分 |
90~50° |
||
45~25° |
||||
十 分 |
20~5° |
|||
0° |
||||
④屈筋共同運動(随意運動) 背臥位でまた伸展位(0~20°)。 「患側の足を曲げる」ように指示し、随意的な動きの有無、程度を股関節屈曲角度でみる。 90°以上を十分とする。
|
随意運動(股屈曲) |
不可能 |
||
可 能 |
不 十 分 |
5~40° |
||
45~85° |
||||
十 分 |
90°~ |
|||
⑤股関節屈曲(下肢伸展挙上) 背臥位で膝伸展のまま挙上させ、股関節の動く角度をみる。 この間、膝関節は20°以上屈曲してはならない。股関節屈曲30°以上を十分とする。
|
不可能 |
|||
不十分 |
5~25° |
|||
十分 |
30~45° |
|||
50°~ |
||||
⑥膝関節の屈曲 膝関節90°の腰掛け位を取らせる。 足を床の上ですべらせて膝関節を100°以上に屈曲させる。 股関節は60~90°の屈曲位に保ち、足部(踵も含め)を床から離さないように行うこと。
|
不可能 |
|||
可能(十分) |
||||
⑦足関節の背屈(座位) 腰掛け位で踵を床につけたまま、足関節を背屈する。 5°以上の背屈を十分とする。
|
不可能 |
|||
可能(十分) |
||||
⑧足関節の背屈(背臥位) 背臥位で股・膝伸展位のままで足関節のを背屈する。 5°以上の背屈を十分とする。
|
不可能 |
|||
不十分 |
可能だが底屈域内 |
|||
十分 |
背屈5°以上可能 |
|||
⑨膝伸展位での足関節背屈(座位) 腰掛け位で足関節背屈動作の有無と程度をみる。 股関節は60~90°の屈曲位で膝は20°以上曲がらないようにして行う。 背屈5°以上を十分とする。
|
不可能 |
|||
不十分 |
可能だが底屈域内 |
|||
十分 |
背屈5°以上可能 |
|||
⑩股関節内旋 腰掛け位、膝屈曲位で中間位からの股関節内旋動作の角度をみる。 股関節60~90°屈曲位で大腿部を水平にし、股関節90±10°を保って行う。
|
不可能 |
|||
不十分 |
内旋5~15° |
|||
十分 |
内旋20°~ |
|||
⑪スピードテスト(1) 膝屈曲位で中間位から股関節内旋動作(テスト⑩の動作)を10回行うに要する時間(内旋が20°以上できること。その他の条件はテスト⑩と同じ)。 健側を先に測定すること。
|
所要時間 |
健側 秒 |
||
患側 秒 |
||||
不十分 |
健側の2倍以上 |
|||
患側の1.5倍~2倍以上 |
||||
十分 |
健側の1.5倍以下 |
下肢の判定基準
上田の片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)における下肢の判定基準は以下の通り(上肢の判定基準と同じ)。
総合判定 (グレード) |
テストNo. |
判定 |
参考 (ステージ) |
0 |
1(連合反応) |
不十分(2・3・4も不十分) |
Ⅰ |
1 |
1(連合反応) |
十分 |
Ⅱ-1 |
2 |
2(随意収縮) |
十分 |
Ⅱ-2 |
3 |
3・4(共同運動) |
一方不可能・他方不十分 |
Ⅲ-1 |
4 |
両方ともに不十分または 一方不可能・他方不十分 |
Ⅲ-2 |
|
5 |
一方十分・他方不十分 |
Ⅲ-3 |
|
6 |
両方ともに十分 |
Ⅲ-4 |
|
7 |
5・6・7 (ステージⅣのテスト) |
1つが十分 |
Ⅳ-1 |
8 |
2つが十分 |
Ⅳ-2 |
|
9 |
8・9・10 (ステージⅤのテスト) |
1つが十分 |
Ⅴ-1 |
10 |
2つが十分 |
Ⅴ-2 |
|
11 |
3つが十分 |
Ⅴ-3 |
|
12 |
11 (スピードテスト) |
ステージⅤのテストが3つとも十分でかつスピードテストが十分。 |
Ⅵ |
手指の12段階テスト
上肢・下肢テストに関しては、グレード6で完成する共同運動(屈筋共同運動・伸筋共同運動)を「折り返し地点」としていると前述した。
一方で、手指テストは(共同運動と本質的に同じものである)『集団運動』と呼ばれるもの(集団屈曲・集団伸展)の完成をグレード6の「折り返し地点」としている。
集団運動は、手指では5本の指が同時に同方向の動きをすること(横の共同運動)と、1本の指の3つの関節が同時に屈曲または伸展すること(縦の共同運動)の両方が同時に起こっている。
この集団屈曲・伸展が完成した状態がグレード6であり、それから個々の運動が分離独立していくのがグレード7~12である。
その際にも横の分離(ある指の運動が、他の指の影響を受けなくなること)と縦の分離(主にMP関節と両IP関節とが互いに独立した運動ができるようになること)との両者が平行して起こってくる。
さらに上肢の遠位の関節の状況、特に手関節の伸筋・屈筋の活動が手指の動きに影響するので、手指の回復過程は複雑になる。
テストNo |
テストの種類 |
出発肢位・テスト動作 |
判定 |
||
1 |
指の集団運動 |
集団屈曲 |
出発肢位: 前腕中間位、手指伸展位(可能な限り)、手関節は中間位(背屈位1/4以下までを含む)~掌屈位の範囲。 ※中間位がとりにくい場合は、検者が軽く支えてもよい。
|
0 |
出発肢位がとれない、または不能(出発肢位はとれる) |
1 |
ROMの1/4 |
||||
2 |
ROMの1/4~3/4 |
||||
3 |
ROMの3/4以上 |
||||
出発点と終点との差で判定する。 ・健手ROMを基準(4/4)とする。 ・MP.IPの角度を足し合わせて判定する。すなわち、指末節の最終位置により判定することになる。 ・全指が揃わない場合は平均して判定する。 |
|||||
2 |
集団伸展 |
出発肢位: 前腕中間位、手指屈曲位(可能な限り)、手関節は中間位(背屈位1/4以下までを含む)~掌屈位の範囲。 ※中間位がとりにくい場合は、検者が軽く支えてもよい。
|
0 |
出発肢位がとれない、または不能(出発肢位はとれる) |
|
1 |
ROMの1/4 |
||||
2 |
ROMの1/4~3/4 |
||||
3 |
ROMの3/4以上 |
||||
出発点と終点との差で判定する。 ・健手ROMを基準(4/4)とする。 ・全指がそろわない場合は平均して判定する。 |
|||||
3 |
手関節の分離運動 |
手関節背屈 |
出発肢位: 前腕中間位、手指屈曲位
※手指屈曲は3/4以上あればよく、肘を机の上につき、手部は机の面から少し浮かして行う。
|
不十分 |
ROMの3/4未満 |
十分 |
ROMの3/4以上 |
||||
テスト施行中の手関節橈尺屈はROMの1/4以内であればよい。 |
|||||
4 |
指の分離運動 |
4指屈曲位での示指伸展 |
出発肢位: 前腕中間位、全指屈曲位(ROMの3/4以上)、手関節は中間位(背屈位1/4以下までを含む)~掌屈の範囲。
※母指・Ⅲ~Ⅴ指の屈曲は、3/4以上に自力で保っていることが条件。 途中で3/4以下になる場合はならない範囲で判定する。
※母指は屈曲していれば、その位置は問わない
|
不十分 |
ROMの3/4未満 |
十分 |
ROMの3/4以上 |
||||
------- |
|||||
5 |
MP伸展でのIP屈曲 (背屈位) |
出発肢位: 前腕中間位、手関節背屈(ROMの1/4以上)、MP伸展(ROMの3/4以上)
※母指の位置は自由とし、判定には含めない。
|
不十分 |
ROMの3/4未満 |
|
十分 |
ROMの3/4以上 |
||||
・背屈は全ROMの1/4以上をテスト動作中、自力で保っていることが条件。途中で1/4以下になる場合は、ならない範囲の角度で判定する。 ・全指が揃わない場合は平均して判定する。 |
|||||
6 |
4指屈曲位での示指伸展 (背臥位) |
出発肢位: 前腕中間位、全指屈曲位(ROMの3/4以上)、手関節背屈(ROMの1/4以上)
※母指は屈曲していればその位置は問わない。
|
不十分 |
ROMの3/4未満 |
|
十分 |
ROMの3/4以上 |
||||
・背屈は全ROMの1/4以上をテスト動作中、自力で保てることが条件。途中で1/4以下になる場合は、ならない範囲の角度で判定する。 ・母指・Ⅲ~Ⅴ指の屈曲は3/4以上に自力で保っていることが条件。途中で3/4以下になる場合は、ならない範囲の角度で判定する。 |
|||||
7 |
4指屈曲位での小指伸展 (背臥位) |
出発肢位: 前腕中間位、全指屈曲位(ROMの3/4以上)、手関節背屈(ROMの1/4以上)
※母指は屈曲していればその位置は問わない。
|
十分 |
ROMの3/4以上 |
|
不十分 |
ROMの3/4未満 |
||||
・背屈は全ROMの1/4以上をテスト動作中、自力で使っていることが条件。途中で1/4以下になる場合は、ならない範囲の角度で判定する。 ・Ⅰ~Ⅳ指の屈曲は3/4以上に自力で保っていることが条件。途中で3/4以下になる場合は、ならない範囲の角度で判定する。 |
|||||
8 |
スピードテスト |
鉛筆を机の上からⅠ、Ⅱ指の指腹つまみで5回(2~3cm程度)つまみあげて離す。5回で判定しにくい場合は、10回行わせて計測する(ストップウォッチで秒単位に小数点1ケタまで測定)。
※まず健手で行わせて正しいやり方を教えてから患手で行わせる。
※Ⅲ~Ⅴ指は3/4以上屈曲位に保つことを条件とする。
|
所要時間 |
計測は10回分として計算し、小数点1ケタまで記載する。 健側⇒ 患側⇒ |
|
不十分 |
患側/健側の比が1.0を超える。 または、患側の所要時間が8秒を超える。 |
||||
十分 |
患側/健側の比が1.0以内で、かつ患側の所要時間が8秒以内。 |
||||
9 |
連合反応 |
健手に握力計をもたせ、最大限握らせた時に、患指の屈曲が起こるかどうかみる。
※患手の位置は自由(膝の上、体側など) |
不十分 |
なし |
|
十分 |
あり |
手指の判定基準
上田の片麻痺機能テスト(12段階片麻痺機能法)における手指の判定基準は以下の通り。
関連記事
上田式片麻痺テストのベースとなっている『ブルンストロームテスト』に関しては以下を参考にしてみてほしい(読み比べることで、これらの違いも分かると思う。ブルンストロームテストの方がシンプルなので、臨床で好んで使われるという側面もあったりする)。
ブルンストロームステージ(脳卒中片麻痺の回復過程)と評価方法まとめ
また、上田式片麻痺機能テストやブルンストロームテストが運動機能にフォーカスをあてたテストなのに対して、脳卒中に対して運動機能のみならず高次脳機能などを含めた多面的な評価テストとして開発されたものが『SIAS』であり、詳しくは以下の記事で解説している。
SIAS(脳卒中の機能評価法)の特徴や詳細を解説
また、以下の記事は、SIASも含めた脳卒中片麻痺に関連する用語や評価などをまとめた記事になる。
合わせて観覧してもらう事で、理解が深まると思う。