この記事では、糖尿病と歯周病の関係について記載していく。

 

歯周病とは

 

「糖尿病診療ガイドライン2016」では、歯周病に関して以下のように記載されている。

 

歯周病はプラーク性細菌を原因とする炎症性疾患で、炎症が歯肉に限局される『歯肉炎』と、歯槽骨破壊によって支持組織の喪失を伴う『歯周炎』に大別される

 

歯周病は、歯と歯肉のあいだにある溝(歯周溝)に細菌が入り込んで感染を起こし、歯周ポケットを形成する。

 

で、歯周ポケットは、歯垢(プラーク)が変化して硬くなってしまった歯石によって大きくなってしまう。

 

さらに感染による炎症が進行すると、歯槽骨が破壊され、最終的に歯が抜け落ちてしまう。

 

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歯周病にかかりやすい危険因子としては以下が挙げられる。

 

  • 歯周病の原因となる歯垢(プラーク)にいる細菌の種類や量
  • 細菌やウイルスなどを体内に入れないための防御機構が十分にはたらかない体の状況(たとえば、加齢や抵抗力が弱くなってしまう疾患に罹患している場合)
  • 糖分や間食の多い食習慣、歯磨きをしないなどの清潔習慣といった環境因子

 

 

 歯周病が糖尿病を助長する?

 

歯周病は以下の機序で、糖尿病(高血糖状態)を助長するといわれている。

 

  1. 歯周病になると、歯周病菌が血管の中に入り込む

  2. で、歯周病細菌はインスリンの働きを悪くする作用があるといわれている「TNF-α」と呼ばれるたんぱく質の産生を促進する

  3. なので、インスリン抵抗性が助長してしまう

  4. つまり、インスリンが分泌されていても効きが悪くなり、高血糖になりやすくなる

 

 

糖尿病が歯周病を助長する?

 

糖尿病患者は「慢性的な高血糖状態」と表現できる。

 

でもって高血糖によって、以下の理由で歯周病を助長させるといわれている。

 

  • 高血糖では、尿量が増加することで体内の水分が減少してしまう。それに伴い、口腔内では唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥状態になることで炎症が起こりやすくなってしまう。

 

  • 唾液には食物を消化したり、口腔内を浄化したり、歯垢(プラーク)の発生を抑制して歯を守り、組織を修復するなどの作用がある。しかし、糖尿病患者は細菌を貧食する好中球のはたらきが低下するだけでなく、血液から作られる唾液の糖分濃度も高くなり、原因細菌の繁殖に適した環境をつくってしまう恐れもある。

 

上記のように、歯周病の原因菌が繁殖しやすい環境となることから、歯周病が進行してしまう。

 

また、高血糖が続くことで抵抗力が低下し、血液循環が悪化、血管が脆くなるなどして、歯周病がさらに重症化する可能性もある。

 

歯周病も糖尿病も慢性疾患であるため、予防や治療をしない限りこの状態がずっと続き、双方の病気をより悪化させてしまう。

 

 

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