糖尿病は「サイレントキラー」とも呼ばれ知らず知らずに進行していく恐ろしい病気であり、様々な全身症状が体を蝕んでいく。

 

で、糖尿の治療としては『薬物療法』『食事療法』『運動療法』が3本柱になるのだが、3本柱の中で『運動療法』にフォーカスした解説をしているのが、この記事になる。

 

糖尿病の総論は以下の記事で言及しているので、闘病尿の全体像を把握する上では是非とも合わせて観覧してみてほしい。

⇒『糖尿病はサイレントキラー!重症化する前からの対策が必須な件!

 

 

糖尿病に対する運動療法

 

糖尿病では、食事や薬が治療の中心になる。

 

しかし、それだけではカバーできない部分があるため、運動療法は必要になってくる。

 

例えば、運動でインスリンの効きが良くなり、インスリン抵抗性が改善する。

 

加齢による筋力低下や、骨粗しょう症の予防にもつながる。高血圧症や脂質異常症も改善される、動脈硬化による合併症の発生や進行を抑える効果も期待できる。

 

重複するが、単なる「血糖コントロール」という観点だけでなく、血圧・血中脂質を改善させるだけでなく合併症を防ぐといった様々な側面からも運動療法は推奨される。

 

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運動の種類

 

運動内容に関しては、(無酸素運動ではなく)血糖コントロールに重要な『有酸素運動』が採用される。

 

有酸素運動は、「一定時間続けられる運動」を指し、具体的には以下などが当てはまる。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • 水泳

・・・・など。

 

また、自転車エルゴメーターなんかは、TVを観ながら自宅でも簡便に出来る(雨の日も出来る)という意味でも、取り入れやすかったり、病院でも(院内で実施する有酸素運動として)処方されやすい運動と言える。

 

 

 

 

有酸素運動の一般的な目安は以下の通り。

 

・1回の運動は20分~60分継続する。

 

・会話ができる程度の強さで(楽~ややきつい)

 

※「少し息がはずむ」「少しきついがまだ続けられそうな程度」といった『ボーグ指数12~14』な強度が良い。

 

※有酸素運動の強度目安として、「最大予測心拍数(220-年齢)の40~60%の強度」でも良い。

 

上記は有酸素運動の目安だが、これに筋力トレーニング(無酸素運動)を加えるのも効果的だ。

※筋肉を増やすことによるり基礎代謝が改善し、運動効果が高まる

※具体的には、スクワットや腹筋、腕立て伏せなどの「筋力トレーニング」を組み合わせる。

 

また、継続できなければ意味がないので、「自分のペースで楽しみながら出来ること」が何よりも大切だ。

 

 

また、日常に有酸素運動を組み入れて「必然的に運動せざるを得ない環境にしてしまう」といのもアリかもしれない。

 

例えば、私の父親も糖尿病なのだが、職場まで30分あるいて毎日通勤していた。

 

また、普段から(エレベーターやエスカレーターではなく)階段を使用するというのもメタボ対策として有効だと思う。

 

有酸素運動に関しては、以下の記事も参照してみて欲しい。

⇒『有酸素運動 VS 無酸素運動 健康寿命を延ばすのはどっち?!

 

 

運動のタイミング

 

運動のタイミングとしては、『食後1~1.5時間後』に運動するのが最も良いとされている。

 

薬物療法を実施していない「糖尿病予備軍の人達」も含めて、「食後1~1.5時間後の運動」というタイミングは覚えておいてほしい。

 

「食後1~1.5時間」というのは丁度、血糖が上昇してくるタイミングなので、そのタイミングを見計らって運動を行うことで(理屈的には)良好な血糖コントロールが期待できる。

 

ただし、経口血糖降下薬を服用している患者さんやインスリン治療を行っている患者さんでは、低血糖のリスクがあるため日中の血糖値の変化を確認し、低血糖値が低い時間帯は避けることが望ましい。

 

 

運動の頻度

 

有酸素運動によってインスリンの効きが良くなる(「インスリンの分泌の促進」や「インスリン抵抗性の改善」などの効果)と前述した。

 

で、運動療法による血糖値の改善は運動後12~72時間持続すると言われていることから、運動は1日おき、週3回から多くて週5回程度で良いとの意見もある。

 

ただ、有酸素運動の目的に「メタボの予防・改善(例えば減量することは様々な合併症を予防する上で重要)」を加えるのであれば、毎日実施できるに越したことは無い(継続できるのであれば)。

 

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運動療法のリスク管理(注意点)

 

運動には様々なメリットがあるが、合併症の進行度合いによっては慎重に行う必要がある。

 

したがって、そのようなケースでは、事前に主治医に注意事項を確認しておく必要がある。

 

例えば、運動を避けたほうが良い例としては、一般的に以下などが挙げられる。

 

糖尿病患者が運動を避けた方が良い場合:

 

・動悸や脈の乱れ

・めまい、気持ちが悪い

・強い空腹感

・いつもと違う疲れ

・冷や汗

・収縮期血圧が180mmHg以上(要は重度な高血圧)

 

 

医師の指示が不可欠なケース

 

運動によって、むしろ悪影響を及ぼすケースなどもあり、例えば以下のケースなどでは必ず「運動をしても良いか」や「運動時の注意点」などを医師から指示してもらおう。

 

  • 血糖コントロールが非常に悪い(血糖値250mg/dL以上など)
  • 網膜症が進行して眼底出血している
  • 腎不全・心臓病・骨や関節の病気・感染症・壊疽がある
  • 自律神経障害が進んでいる

 

 

例えば、網膜症・腎症・末梢神経障害の存在する場合は、その程度に応じて運動プログラムを決定する必要があり、具体的には以下の通り。

 

  • 中等症以上の非増殖性網膜症の場合は急激な血圧上昇を伴う運動は避け、重症または増殖性網膜症では無酸素運動や身体に衝撃の加わる運動は避ける。
  • 中等度以上の蛋白尿(1g/日以上)や糸球体濾過率の低下が認められる場合は積極的な運動療法は制限する。
  • 重篤な末梢神経障害を有する患者ではフットケアが重要であり、荷重運動を控える必要があり、水泳、サイクリングや上半身運動などが勧められる。
  • 自律神経障害を有する患者では運動中に低血圧や血圧上昇を起こしやすく、また運動中に突然死や無症候性心筋梗塞などの合併症を起こす危険性もあるため,注意しながら慎重に運動療法を進めていくほうがよい。

・・・・・・・・など。

 

 

補足:食事療法も糖尿病治療に必須な件

 

補足として糖尿病に対する『食事療法』にも言及して終わりにする。

 

糖尿病の中でも「生活習慣病を伴う肥満・メタボ体質な人」では、食べ過ぎや飲みすぎといった食生活が原因な場合が多い。

 

このケースにおいては、当たり前すぎる指摘ではあるが、食べ過ぎや飲みすぎと言言った食生活を是正することが大切になる。

 

もしかすると「食べ過ぎても、その分だけ運動すれば良いではないか?」と思うかもしれないが、食事を改善せずにう、運動だけで糖尿病を含めた生活習慣病を改善させるのは難しい。

 

例えば、20分ほどエルゴメーターを漕いでみると分かるのだが、(もちろん駆動スピードや負荷にもよるが)「自分が想像したよりも遥かに消費カロリーが少ないこと」に気づくと思う。

 

「減量」にフォーカスした場合、運動によって得られる消費エネルギーは少なく、かなりはーっどな運動をしなければ痩せられない。

 

重複するが、糖尿病の改善に運動療法は重要ではあるが、食事療法抜きで語れるものではない。

 

 

実際の食事療法

 

実際の食事療法に関しては簡単に記載して終わりにする。

 

食事療法のポイントは以下の2つ。

  • エネルギー制限
  • 糖質制限

 

エネルギー制限:

エネルギー制限としては、食事の全体量を減らし、尚且つ栄養バランスを整えるという考えだ。

食事の摂取エネルギーを、標準体重を基にした量にして、栄養は、過不足内容にバランスよく整える。

 

糖質制限:

「糖質」という血糖を下げる栄養素を制限する方法になる。

糖質とは、炭水化物から食物繊維を縫田も尾で、エネルギーの計算や制限、脂質やたんぱく質の制限はない。

つまり、分かり易く言うと「ごはん・パン・麺類を控える」というのがポイントで、肉・魚・大豆製品といったタンパク質は積極的にとって良い。また野菜に関しては、糖質が多いもの(カボチャ、イモ類)は控えるが、それ以外は積極的に摂取する。

 

 

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