この記事では、株式投資をする際の指標であるのうち、『テクニカル分析(チャートを活用した分析』を解説していきます。
テクニカル分析の中でも使い勝手の良いものを厳選したので、株式投資で売買する際の参考にしてみて下さい。
なお、テクニカル分析には『ローソク足』が使われるのですが、「そもそもローソク足って何だ?」という基礎的な内容は以下を参照してください。
目次
テクニカル分析の種類
テクニカル分析に活用されるテクニカル指標は『トレンド系』と『オシレーター系』に大別されます。
①トレンド系テクニカル指標
・具体的には「移動平均線」「ポリンジャーバンド」「一目均衡表」が挙げられる。
・ローソク足と同じ画面内に表示される
・トレンドを判断するために使う
・上値抵抗線や下値支持線として機能するものが多い
・弱いトレンドでは機能しにくく、強いトレンドでは機能しやすい
②オシレーター系テクニカル指標
・具体的には「移動平均乖離率」「RSI」「MACD」が挙げられる
・ローソク足とは別の画面内に表示される。
・売られすぎ買われすぎを判断する
・細かい売買タイミングを見るのに有効
・数値を見るだけなので売買タイミングが分かり易い一方で、トレンド系に比べると「ダマシ」のか王政が高いため信頼性を高めるための工夫が必要となる。
・弱いトレンドで機能しやすい
紹介するテクニカル分析リスト
この記事では、以下の順に各々のテクニカル分析を解説していきます。
- 移動平均線(トレンド系テクニカル分析)
- 移動平均乖離率(オシレーター系テクニカル分析)
- ボリンジャーバンド(トレンド系テクニカル分析)
- RIS(オシレーター系テクニカル分析)
- MACD(オシレーター系テクイカル分析)
また、上記の組み合わせとして以下についても、最後に補足として解説しています。
- 移動平均線+RISの組み合わせによるテクニカル分析
- ボリンジャーバンド+MACDの組み合わせによるテクニカル分析
移動平均線 :トレンド系テクニカル分析
「移動平均線」とは、一定期間の株価の平均値をグラフ化したもので、テクニカル分析として最も活用される指標です。
移動平均線を含む、ほとんどのテクニカル指標には「参照期間」と呼ばれる設定値があります。
たとえば、日足チャートを見ている場合に「25」と設定されていたら、25日分の株価が計算に使用されます。
この点に関しては、まずはヤフーファイナンスで、どういう意味かを確認した方がピンとくると思うので以下のリンク先を参照してみてください。
※「日経平均株価のチャート」にリンクを貼っています。「上書き指標」の欄に25日・75日・13週・26週・52週と選択できるようになっているので、色々と選択してみて、どんな線が表示されるか試してみてください。
移動平均線の場合は、参照期間が「5」と「21」といった参照期間の異なる2本の移動平均線を見比べるのが一般的です。
でもって、この移動平均線がローソク足の下で右肩上がりになっていれば「上昇トレンド」ローソク足の上で右肩下がりになっていれば「下降トレンド」と判断するのが一般的です。
あるいは、参照期間の長い移動平均線が右肩上がりで、参照期間の短い移動平均線が右肩下がりになっている場合は、「長期トレンドが上昇トレンドだが、一時的に下降トレンドになっている」と判断できます。
移動平均線は抵抗線や支持線として機能する特徴があります(この線以上、株価が上がらない、あるいは下がらないという心理的な節目として機能する場合があります)。
そのため、株価が移動平均線を上にブレイクした場合は買い、下にブレイクした場合は売りのサインとなります。
参照期間が長いほど、抵抗線か支持線としての機能が強くなり、ブレイクしたときの爆発力も大きくなる傾向があります。
ゴールデンクロスとデッドクロス
参照期間の異なる移動平均線はそれぞれ異なった動きをします。
この動きを利用して売買するのが「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です。
『ゴールデンクロス』とは上記イラストのように短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けてクロスした状態を指します。
ゴールデンクロスが出現すると株価が上昇するサインとされています。
つまり、このタイミングで買いをすることが有効です。
ただし、どんなテクニカル指標のサインにも「ダマシ」があります。
つまり、ゴールデンクロス後に下降することも珍しくありません。
そのため、信頼性を高めるために短期移動平均線の傾きに注目します。
短期移動平均線が上向きであるほど信頼性が高くなり、ダマシの可能性が低くなります。
ちなみに、ゴールデンクロスとは反対に「長期移動平均線を短期移動平均線が上から下に突き抜けてクロスした状態」は『デッドクロス』と呼び、デッドクロスが出現すると株価が下落するサインとされます。
移動平均線による買いタイミング
移動平均線がローソク足の下にあるときは、下値支持線として機能します。
そのため、ローソク足が移動平均線維タッチしたタイミングは買いサインとなります。
ちなみに上記イラストとは反対に、移動平均線がローソク足の上にあるときは上値支持線として機能します。
そのため、ローソク足が移動平均線にタッチしたタイミングは売りサインとなります。
移動平均線による買いタイミング②
ローソク足が移動平均線の下にある場合、移動平均線は上値抵抗線として機能しますが、ローソク足が移動平均線を上にブレイクした場合、大きな上昇トレンドに変わる可能性が高いとされています。
一方で上記イラストとは逆に、ローソク足が移動平均線の上にある場合、移動平均線は下値抵抗線として機能しますが、ローソク足が移動平均線を下にブレイクした場合、大きな下降トレンドに変わる可能性が高いとされています。
グランビルの法則 :トレンド系テクニカル分析
グランビルの法則とは、米国の投資家である『ジョセフ.E・グランビル』によって考案された法則で「長期移動平均線と株価の動きから、今後の値動きを予想する手法」です。
「買い」と「売り」でそれぞれ4パターン、計8パターンの法則があり、いずれも多くの投資家に意識されていると言われています。
グランビルの法則の良いところは、以下になります。
- 高度な分析なしに誰でもチャートを見るだけで買い時や売り時がわかる点
- 必要なのは株価と移動平均線の2つだけで良いという点
以降も様々なテクニカル分析を掲載していますが、全てを一度にマスターしようとすると訳が分からなくなるので、まずはこの『グランビルの法則』だけでも覚えてチャートを観察してみることをお勧めします。
200日移動平均線をもとに考案されたグランビルの法則ですが、想定している取引期間に応じて、別の期間の移動平均線も選択したほうが良いこです。
数週間程度の取引であれば25日線が最適言われています(売買する期間が短いものほど移動平均線も短いものを使います)。
先ほど「取引期間に応じた移動平均線を選択するほうが良い」と記載しましたが、移動平均線の期間を短くしするほどダマシが生じる可能性が高くなり、期間を長くするほど(ダマシがは生じにくくなるものの)売買ポイントが出来くいといたメリット・デメリットがある点は覚えておいたほうが良いと思います。
このタイミングが買いシグナルとなります。なお、株価が移動平均線を抜けたときに出来高が増加していれば、より信頼性が高くなります。
買いの4パターン
- 下落した移動平均線の上昇時に株価が下から上にクロス:
相場下落の反転を狙って買う方法です。
移動平均線が下降した後、横ばいになるか徐々に上昇しつつある状態で、株価が移動平均線を下から上に抜けた形がこのパターン。
「この株価なら買っても良い」という投資家が増え、買いが入りだした状態を指します。
下降トレンドを抜けて上昇トレンドに転嫁する兆しと判断できるため、株価の上昇が期待できます。そのため買のサインとなります。
- 上昇中の移動平均線を株価が上から下にクロス:
底まで下がった株価の上昇を期待して買う方法です。
移動平均線がゆるやかに上昇している状態で、最初に株価が移動平均線の上から下にクロスした形には注意が必要です。
ですが、その後に株価が上昇し、下から上に移動平均線をクロスしている場面では「株価が底を打った」と判断する投資家が増えるため、押し目買いのチャンスとなります。
- 移動平均線に株価がクロスせずに再上昇:
株価の再上昇を期待して買う方法です。
上昇する移動平均線より株価が上にある状態で「一度は株価が下落するも、移動平均線とは交わらずに再度上昇したパターン」で、この場合も押し目買いが狙えます。
「上昇トレンドが続いている」と判断している投資家が多いと考えられ、上昇トレンドが継続している形で株価が下がったことで、買い時と判断できます。
- 移動平均線下落時に株価が大きく離れる:
売られすぎの反発狙いで買う方法です。
移動平均線が下降している中、株価が移動平均線から大きく離れていく状態が注目点です。移動平均線からの乖離が大きくなると、「売られすぎ」と捉える投資家が増え、株価が反転する可能性があるため、リバウンド狙いで買いのチャンスになります。
ですが、場合によっては無謀な逆張りになるため、注意が必要です。
売りの4パターン
- 下降しつつある移動平均線に株価が上から下にクロスする:
下降トレンドへ転換するパターンで売る方法です。
上昇していた移動平均線がゆるやかに下降していくときに、株価が移動平均線を上から下にクロスしたパターンは、上昇トレンドが終わり下降トレンドに転換するサインです。
「デッドクロス」の形であると考えられ、強力な売りのサインとなります。
- 移動平均線下降時に株価が下から上にクロス:
下降トレンドでは売りのサインとなります。
移動平均線が下降し続けている状態で、株価が移動平均線に向かって下から上にクロスし、再び上から下に抜けた状態です。
「買いのサイン2」に似た形ですが、移動平均線が下降しており、この場合は下降トレンド継続を意味するサインとなります。戻り売りのチャンスともいえます。
- 株価がクロスせずに下落:
下降トレンド継続が予測されるので売りと考えます。
下降し続けている移動平均線の下方で、株価が一度上昇したものの、移動平均線とはクロスせずに再び下落した形です。
下降トレンドが継続していると考えられるため、売りのサインとなります。
下降トレンド中に上がった株価を見た投資家の「今のうちに売りたい」という心理の表れともいえ、予測しやすいパターンと言えます。
- 株価が大きく離れて上昇:
乖離しすぎた株価が反転する可能性があると考えます。
「買われすぎ」と判断しはじめた投資家が増えたため、株価が反落する可能性があります。
移動平均線が上昇している状態で、これを株価が上まわり乖離が大きくなった状態は要注意です。
「買われすぎ」と判断しはじめ「買いのサイン4」と同様トレンドの転換期になるため、リスクも大きくこの形は様子見のタイミングでもあります。
移動平均乖離率 :オシレーター系テクニカル分析
移動平均乖離率は、株価が移動平均線からどれくらい離れているかを見る指標です。
移動平均線とは異なり、株が上がりすぎか、下がりすぎているかを判断するために使われます。
前述したように、移動平均線は株価の平均値を示すテクニカル指標です。
でもって、株価が移動平均線から大きく離れた場合、どこかのタイミングでトレンドが転換し、移動平均線の値まで戻ろうとします。
そこに目をつけて作られたのが「移動平均乖離(かいり)率」です。
このテクニカル指標は株価がどれだけ移動平均線から離れているかを示すオシレーター系のテクニカル指標です。
移動平均乖離率を使う上で重要なのは、「株価がどれだけ離れたら転換するのか」ということを知ることです。
一般的には移動平均乖離率が110%になったら下降に反転、90%になったら上昇に反転するといわれています
ただし注意点として、実際は銘柄ごとに特徴が異なるので、各々で把握する必要があります。移動平均乖離率が当てはまらない銘柄も当然あります。
前述したように、「90%と110%」というのは一般論なので、これだけを判断基準にしていると上手に勝つことができません。
値動きがあまり大きくない大型株であれば±10%の目安で十分ですが、値動きが激しい銘柄の場合、士20%以上離れることも珍しくはありません。
重複しますが、銘柄ごとに適した売買基準を見つけることが重要になります。
でもって売買基準を見つけるためには、過去のチャートを見ることは大切です。
過去のチャートを見て、移動平均乖離率が「何%のときに反転しているのか」をチェックします。
その結果に合わせて売買すると成功率が高くなります。
※値動きが激しい銘柄の場合90%で反転しない場合も少なくありません。実際に買いをする前に取引する銘柄が決まったら、過去のチャートを見て、どのタイミングで相場が反転しているかを確認することで、ダマシを大幅に回避できます。
※過去にも90%で反転しているのが確認できたら、移動平均乖離率が90%にタッチした後に「反転したことを確認してから」買いをするだけでも、勝率が大幅アップします。
オシレーター系のテクニカル指標全般にいえることですが、サイン通りに売買をしようとすると、「逆張り」になる可能性が高くなります。
※逆張りとは、株価が上昇することを見越して下降している最中に買いをすることを指します。逆に、株価が上昇しているときに買うことを順張りと呼びます。
逆張りによる買いは、成功した場合の利益は高いですが、ダマシによって失敗した場合の損失も大きくなる傾向があります。
でもって、ダマシによる損失を抑える方法は「順張り」で買いをすることです。
つまり、サインが出てもすぐに買いをせず、株価の上昇が始まってから買いをすることで、利益は少なくなるものの、勝率を高めることができます。
※ただし、個人的な投資スタイルとしては、逆張り+ナンピン買い⇒上昇してからナンピン買い分の資金を回収(収益が出ていなくとも)⇒順調に株価が上昇すれば一部利益確定・再び株価が下落した場合は、回収した資金を再びナンピン買いに回し上昇するのを待つ。
移動平均乖離を売却に活用
移動平均乖離率は一般的に110%になったら下降に反転するといわれています。
つまり110%が売りサインになるわけですが、(前述したように)銘柄によっては大きく乖離しても反発しないことも珍しくありません。
そのため、売りサインの場合も過去チャートを見て、移動平均乖離率がどの値になったタイミングで反転しているのかをチエックし、反転しやすいポイントを把握しておく必要があります(銘柄によって特徴があります。中には移動平均乖離と株価の推移に関連性が薄く別の指標を参考にして売買したほうが良いことも)。
特に最大値と最小値は確認しておいたほうが良いです。
※過去のチャートで反転する値を確認し、その値になったら売りをしたほうが、安全で勝率も高くなると思います。
それ以外にも「110%以上の水準から下降を始めたタイミング」も売りサインとして有効です。
乖離率が下がり始めたということは、株価が移動平均線に近づいているということになります。
つまり、上昇の勢いが落ちているか下降を始めたと判断ができます。
少し早目の利食いになる可能性もありますが、いったんここで利食いを行い、再び買いサ
インが出るまで待つというのもひとつの戦略となります。
ボリンジャーバンド :トレンド系テクニカル指標
ボリンジャーバンドは、トレンド系テクニカル指標の代表格で、私も稀に活用することがあります。
ボリンジャーバンドは、ミドルラインと呼ばれる移動平均線を中心に上下にラインが表示されます。
ライン同士が広がっているときは強いトレンド、狭いときは弱いトレンドとトレンドの強さが判断します。
また、買いサインもラインでの反発なのでわかりやすいのもポイントです。
ボリンジャーバンドを具体的に解説
ボリンジャーバンドは、最大7本のラインが表示されます。
中央のラインはミドルラインと呼ばれる移動平均線で、ミドルラインから上へ離れるにしたがって、プラス1δ、プラス2δ、プラス3δと呼ばれ、下へ離れるにしたがって、マイナス1δ、マイナス2δ、マイナス3δと呼ばれます。
ボリンジャーバンドでは、土1δ、土2δ、士3δがそれぞれセットになっています。
統計学上、それぞれのペアのδの内側に株価が存在する確率は次のようになります。
買いを狙う場合は、ローソク足が-2δか-3δで反発したタイミングがベスト。
※-2δ内には95.4%、-3δ内には99.7%の確率で株価は分布するため、一時的に下落したとしてもすぐに戻る可能性が高い(ちなみに±1α内に株価が存在する可能性は68.3%)。
買の法則のフローチャートは以下の通り。
- ステップ1:ミドルラインが上昇かる、ライン同士が広がり始めている
- ステップ2:ローソク足が-2δか-3δで反発している。
ここで重要なのは士2δと士3δになります。
ボリンジャーバンドは基本的に反発狙いで買いをします。
なので、前述した特徴を踏まえて買いのタイミングを考えると、マイナス2δか、マイナス3δで反発したタイミングとなります。
また、マイナス2δやマイナスδをブレイクしたとしても、株価が反転する可能性が高いので、この場合も買いサインとなります。
ボリンジャーバンドはミドルラインを同時に見ることでダマシの可能性を抑えられます。
ボリンジャーバンドで買いサインが出たときにミドルラインが上向きならトレンドに沿った買いサインであるため信頼性が高くなります。
ボリンジャーバンドを使うにあたって、バンドウォークは気をつけたいポイントです。
※バンドウォークとは「強いトレンド下で、ラインに株価が張り付く状態」を指します。
強いトレンドの後は大きな反発があるので、うかつに手を出すと危険なこともあります。
この場合、売買サインが機能しなくなるため、取引は中止したほうがよいでしょう(高値掴みになる可能性があります)。
※自身が購入を検討している銘柄がバウンドウォークの状態になっていたなら、様子見がベスト。
ポリジャーバンドを売却に活用
ボリンジャーバンドの売りのサインは以下の3です。
- ミドルラインでの株価の反発:
ミドルラインは上値抵抗線として機能します。そのため、ミドルラインで反発したら売りとなります。ただし、一度反発してから上にブレイクする場合もあるので、ミドルラインで反発後、少し様子を見てマイナス2δ付近まで下降したら売りをするというのも有効です。
- プラス2δでの反発:
こちらもミドルラインと同様に反発後ミドルライン付近まで下降するまで様子見をしましょう。
- プラス3δへのタッチ:
プラス3δは強力な上値抵抗線となるため、このラインにタッチしたら利食いをしましょう。
これらの売りサインをまとめると「上昇していく株価がミドルラインやプラス2δで反発し、ひとつ下のライン付近まで下降したら売り」、「上昇を続け、プラス3δまで到達したら売り」になります。
また、ライン同士の幅が収縮し始めるとトレンドが弱くなるため、売りサインが出やすくなるので注意してチャートを観察しましょう。
RSI :オシレーター系テクニカル指標
RSIは「売られすぎ買われすぎを判断するオシレーター系の代表格」です。
でもってRSIは、30%以下が売られすぎゾーン、70%以上が買われすぎゾーンとなります。
※ただし、「ダマシ」を回避するためには工夫が必要です(後述します)
RSIを具体的に解説
「RSI」はオシレーター系テクニカル指標の中でも人気のある指標です。
RSIは0〜100で示され、値上がり幅が大きいほど100に近くなり、値下がり幅が大きくなれば0に近づきます。
一般的には70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎとされており、30以下になったら買いのタイミングとなります。
RSIにかぎらず、オシレーター系指標の傾向として、強いトレンド下では、売買サインが機能しなくなるという特徴があります。
※つまり、RSIが30以下になり、買いサインが出ても株価は下降し続ける「ダマシ」が発生することが少なくない
これをある程度回避するためには、「30%以下から反転して、上昇したら買いサインとする」のも一つの考えです。
※つまり、30%以下になったら買うのではなく、30%以下になったあとに、上昇(買われ始めた)したことを確認してから買いを行うこと
強い下降トレンド下では、RSIは30%以下の状態で張り付き続け、株価も上昇せず下降を続けてしまうことがあります。
なのでRSIが30%以下から上昇したのを確認してから買いをすると、「ダマシ」を回避することができます。こちらのほうが安全に取引ができると言えます。
逆に「もみあい相場」や「トレンドの勢いが弱いとき」は、サインが機能しやすいので、取引をするチャンスとなりやすいです。
オシレーター系指標を見るときの指標のひとつに『ダイバージェンス(相場転換のサインで、値動きとRSIの動き方が逆行する現象のこと)』というものがあり、着目してみるのも良いと思います。
※ダイバージェンスは、株価が下落しているにもかかわらずRSIが上昇している状態
RSIが30以下でダイバージェンスが発生した場合は、そのあとに高い確率で株価が上昇へと転換することが多いため、「強い買いサイン」となります。
ただし、ダイバージェンスが発生したらすぐにトレンドが転換するわけではありません。
場合によっては、連続でダイバージェンスが発生することもあるので、実際に買いをするのは相場が転換したことを確認してから行うとよいでしょう。
RSIを売却に活用
RSIは70以上になると買われすぎのサインとされています。
つまり、70以上になれば下降する可能性が高いため、売りサインとなるわけです。
ですが、強力な上昇トレンド時は加以上に張り付いた状態で推移するため、70以上になったからといって必ず売りのタイミングとなるわけではありません(あくまで一般論)。
利益を大きく伸ばしたいのであれば、せっかく上昇トレンドに乗っているのに売ってしまうのはもったいないといえます。
できるだけ利益を伸ばすためのワザとしては、RSIが下降するまで待つというものがあります。
※具体的にはRSIがいったん70以上になったら様子見を行い、70以下まで下降したタイミングで売りを行う。
※RSIの動きは値動きに連動しやすく、70以下になったタイミングは上昇トレンドが終了したか、トレンドの勢いが弱まった可能性が高いといえます。
なお、利益が十分取れている状態であるなら、70以下になる前に下降を始めた時点で売りをするのも有効でしょう。
MACD :オシレーター系テクニカル指標
MACDはトレンド系とオシレーター系のふたつの要素をもつため、非常に使いやすいテクニカル指標だ。
ラインの傾きや位置でトレンドを判断し、シグナルラインとMACDのクロスに合わせて買いをするのが基本的な使い方だ。
MACDは移動平均線をアレンジした「MACD」と「シグナル」と呼ばれる2本のラインで構成されています。
MACDの特徴はオシレーター系指標でありながらトレンド系の要素を含んでいる点です。
オシレーター系指標が苦手とするトレンド下の相場でもダマシが少ないという利点があります。
しかし、本来オシレーター系が得意とするもみあい相場においては、RSIなどと比べると苦手という一面もあります。
基本的な買いタイミングを見る方法としては、MACDとシグナルのゴールデンクロスが有効です。
MACDがシグナルを下から上に抜けたときが「買いサイン」となります。
さらに、サインが出た後にMACDとシグナルのラインが「0」ラインを上回ると強力な上昇トレンドが続くことを示唆するため、買いサインとしての信頼性がアップします。
以下は『ゴールデンクロス』と『0ラインを超える』という2つの条件を満たしているので信頼度が高くなる(むしろ、この2つの条件が満たされなければ買うのを控えたほうが良い)。
MACDはトレンド系テクニカル指標としての要素をもっているため、トレンドの判別もしやすいという特徴があります。
使い方は、MACDとシグナルのラインの傾きと位置です。
上向きになっていれば上昇トレンド、下向きになっていれば下降トレンドになります。
MACDはほかのオシレーター系指標のように上限と下限がないため、上昇トレンドが続けばどこまでも右肩上がりが続いていきます。
また、ふたつのラインの位置も重要です。
ゼロラインをべースとして、ゼロより上にあれば上昇、下にあれば下降の力が強いと判断できます。
さらに、ゼロラインを上に超えたタイミングで上昇トレンドが加速、下に超えたタイミングで下降トレンドが加速しやすい傾向があります。
このように、買いタイミングだけでなく、相場分析にも役立つ便利なテクニカル指標です。
移動平均線(トレンド系)とRSI(オシレーター系)の合わせ技
移動平均線&RSIの組み合わせは、どんな相場でも使いやすく「最強の組み合わせ」とも言われる。
復習として「移動平均線」と「RSI」の意味は以下の通りです。
- 移動平均線:
・トレンド系テクニカル指標の代表格。
・ラインでの反発やブレイクによる買いサインが分かりやすい。
・ゴールデンクロスによる強力な買いサインが魅力
- RSI:
・オシレーター系指標の代表格。
・30%以下からの上昇が非常に有効。
・強いトレンド下では上下に張り付くことも利用できる。
でもって「トレンド系の代表格である移動平均線」と「オシレーター系の代表格であるRSI」の組み合わせをしてみるのも一つの考えです。
「移動平均線とRSIの組み合わせ」を具体的に解説
移動平均線をメインとする場合は、強いトレンド下での買いを狙っていきます。
まず、ローソク足が移動平均線をブレイクするか、ゴールデンクロスが発生しトレンドが発生することを確認します。
このとき、RSIが上昇しているか、70%ラインよりも上に張り付いていれば買いをします。
前述したRSIのカテゴリーでは「30%以下のときが買いサイン」と説明しましたが、強い上昇トレンド時は70%以上で張り付くという特徴があるので、サブとして使う場合はこの特徴を利用するのです。
RSIをメインとする場合は、30%以下から上昇するタイミングを探します。
このとき、移動平均線が横ばいで推移していれば、強いトレンドが発生していないと判断できるので、買いを行います。
このように、それぞれのテク二カル指標の特徴を活かしていくことで、確実に勝率を上げられます。
ボリンジャーバンド(トレンド系)MACD(オシレーター系)の合わせ技
ボリンジャーバンドの弱点をMACDで補強する組み合わせになります。
復習として「ボリンジャーバンド」と「MACD」の意味は以下の通りです。
- ボリンジャーバンド:
・-2δや-3δでの反発を狙った買いサイン
・反発後は上昇に転じやすい
・確実に反発するかどうかの判断が難しいことが欠点
- MACD:
・トレンド系の機能を併せ持つオシレーター系テクニカル指標
・MADCが上昇していれば上昇トレンドと判断できる
・MACDとシグナルによるゴールデンクロスは信頼性が高い
ボリンジャーバンドはマイナス2δやマイナス3δでの反発を狙いますが、本当に株価が反転するかどうかの信頼度をアップさせるために、ここではMACDを組み合わせます。
「ボリンジャーバンドとMADCの組み合わせ」を具体的に解説
MACDは、移動平均線をもとに作られており、トレンド転換を探る機能があるため、相性は良好です。
具体的な買いのタイミングですが、ローソク足がボリンジャーバンドのマイナス2δかマイナス3δまで下降したときにMACDを確認します。
MACDが上昇を始めているのであれば、買いサインとして有効となります。
さらに、MACDとシグナル0がラインより上の状態で推移していたり、MACDとシグナルでゴールデンクロスが発生していれば信頼度は高いと判断できます。
逆にMACDが下降した場合は信頼性は低いため、様子見をしたほうがいいでしょう。
この組合せでの注意点が一点あります。
ボリンジャーバンドの方のサインが早めに出るため、サインの確認はボリンジャーバンド⇒MACDの順に行うということです。
※逆にしてしまうとサインが遅れ気味になってしまうので注意しましょう。
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