1回目の長期実習は近所の病院に行きました。この病院は県内で一番PT数が多い回復期の病院です。
実習中は受け持ちの患者さんのリハビリをする以外は先生方のリハビリを見学させてもらいました。何十人もの先生が各々個性的な考えで治療をされており、それらに触れることができました。
「リハビリにはどのアプローチが正しいといったことはない。そのため、自分がリハビリを提供する時は常にもっと最善のアプローチがないかを自問自答する必要がある。」ということを学べたと思います。
また、リハビリ対象患者さんの人数も多く、見学→動作分析の報告→フィードバックの繰り返しで動作分析能力が非常に身についたと思います。
また、この病院は老人保健施設併設や訪問リハビリも手掛けており維持期のリハビリについても触れることができました。特に訪問リハビリに関しては、患者さんとパチンコをしに行くなど型破りなアプローチをされている先生もおられて良い経験をさせてもらいました(当時は自分が訪問リハビリに携わるとは夢にも思っていませんでしたが・・・・)
PTが多く組織的であるが故のデメリットも感じました。色々ありますが、例を挙げれば院外研修会への参加です。
院内研修は毎日のように遅くまで開かれており、実習中はとても勉強になりました。
しかし、院外への研修となると休みが取りにくかったり、研修報告をまとめて皆へ発表しなければならなかったりという煩わしさから金銭的なもの以外の覚悟が必要なようでした。
また、病院にお金を出してもらったり、長期の研修会へ参加するのであれば病院から色々条件を出されるようでした。
例を出すと、私が昨年受講したAKA基礎講習会に参加する場合、以後5年間は病院を辞めれないといったことがあるそうです。
そして、この病院で今の自分にとても大きな影響を与えてくれたバイザーに出会うことができました。先生は臨床経験で言うとベテランの部類に入る方で、ボバース・認知・PNF等の特殊?手技ではなく解剖・運動学をひたすら駆使して治療する方でした。
ほかの先生方の特殊手技に目が向きがちな中、これらの基礎知識が出れだけ重要かということを強く認識させられました。
また、患者さんに関わる際に治療方法・環境・各種制度などに関して多面的に考える先生で、今でもリハビリに行き詰った時は「あの先生ならどのようなアプローチをするのだろう」と考えたりすることがあります。
次回の実習地についても情報収集してくださり「次の実習先はこことは全く片麻痺治療に対する考え方が違うから、ここで教わったことは1回忘れてしまってたほうが良い」などの心配もしてくださいました。
2度目の実習後に先生の所へ挨拶をしに行く約束だったのですが、あるアクシデントから当時精神的に病んで機会を逃してしまい、今だに挨拶に行けていないのが今でも心残りです・・・・