この記事では、脳卒中片マヒ患者の「床からの立ち上がり」と「床への着座」について一例を記載していく。
これらの立ち上がり・着座は畳などでの和式生活を送っている場合に重要となる。
また、立ち上がりに関しては、転倒した際に自力で起き上がれるために重要となる。
脳卒中片マヒ患者の「床からの立ち上がり」動作
脳卒中片麻痺患者(右片麻痺)の「床からの立ち上がり動作」は以下の通り(あくまで一例)。
外側に左手をつく。また、左下肢を屈曲(胡坐をかくようなイメージ)させる。
右臀部を挙上して、左手・左膝・右足部の3点支持で上記の肢位を保持する。
前述した肢位(左膝を立てた状態)から、左足関節を背屈させることで左足部を床へ荷重させ、左手と左前足部へ荷重させたまま左ひざを浮かせていく(左膝を伸ばしていく)。
ある程度、左足部(+右足部)へ荷重できたら、左手を離すとともに股関節を伸展することで体幹を挙上する。
※マヒの程度にもよるが、一般的には「常に左下肢優位な荷重を保つ」
十分に体幹が挙上したら、次に(左下肢へ荷重したまま)外転した右股関節を左下肢に近づけるように内転していく。
「床からの立ち上がり動作」完成。
脳卒中片マヒ患者の「床への着座」動作
脳卒中片麻痺患者(右片麻痺)の「床への着座動作」は以下の通り(あくまで一例)。
左下肢に荷重した状態で、右下肢を外へ開いておく。
左下肢に荷重した状態で体幹を前屈させ、左手を床につく。
※ゆっくりと左手を床につくために、左下肢で踏ん張れるだけの下肢筋力が必要。
ゆっくりと左膝を屈曲させ床につける。
そこから、左側へゆっくりと臀部を落としていくことで以下のイラストになる。
「床への着座動作」完成。
是非一度、自身でも実践してから指導してみてほしい。