この記事では、投資手段の一つである『投資信託』について解説していく。

 

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なぜ今、投資が必要なのか?

 

第二次安倍内閣が発足して以降、日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立法人)が株を買い支えるという構図が出来上がっている。

 

また、政府・日銀共にインフレ目標を達成すべく、様々な手段を講じている最中である。

 

インフレ目標を掲げると以下が起こるとされている。

 

  1. 皆が「モノやサービスが今後高くなる」と焦りだす

  2. 皆が「安いうちに買っておこう」と買い物を始める(大きな買い物で行ったら自宅や車など)。また、インフレを見越して不動産経営や土地ころがしを考える人達まで現れたりする。

  3. その様な行為自体が、インフレの起爆剤の一つになりうる

  4. インフレが起こる(起業が潤う⇒従業員の給料が上がる⇒従業員が物を買って更にインフレに)

 

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インフレになって困る人もいるよ

 

デフレは薄利多売を生み、企業がこぞって価格競争に巻き込まれ、極限までの経費削減・ボーナスや給料カット・リストラ、ブラック企業化などの要因となる。

 

一方で、インフレはその逆になる。

 

ただし、インフレで恩恵を受けることが出来る企業ばかりではない。

 

私たち医療・介護従事者は「社会保障費」が財源なので、インフレの恩恵を受けることが出来るとしても、他の企業に比べてかなりのタイムラグがある。

関連記事⇒『理学・作業療法士の給料が上がるのは好景気・不景気どっち?

 

更に言えば、「定年退職した人達」にとってインフレは有害以外の何物でもない。

 

その理由は以下の通り。

 

  • 年金受給額は年々減り続ける
  • モノやサービスの値段は上がる

年金生活では今までの貯金が目減りしてしまい、老後破産を招くことになる。

 

 

 

なぜ今、投資が必要か?

 

前述したように、政府はインフレにすべく様々な試みをしている。

 

また、もしかすると今後も消費増税によって物の値段が高くなる可能性があったりする。

 

でもって「インフレ時には投資」「デフレ時には貯金」がセオリーなのだ。

 

デフレ時は株価も下がり、物価もどんどん下がるので、リスクを取らずジッとお金を(増やそうと余計な事をせず)貯金しておけば、豊かな生活が送れる。

 

インフレ時は株価が上がり、物価もどんどん上がるので、リスクをってお金を増やさないと、物が買いにくくなる。

 

これが「インフレ目標を掲げている今、投資が必要な理由」となる。

 

 

投資信託とは何か?

 

前置きが長くなってしまったが、ここから先は投資信託について記載していく。

 

投資の方法は株式投資、不動産投資など様々ある。

 

※でもって、このブログでは『株式投資』を中心に様々な記事を作成しているので株式投資に興味がある方はそちらを参照してみてほしい。

 

そんな『投資』の中で素人に向いているとされるのが『投資信託』である。

 

投資信託とは以下を指す。

 

投資家(顧客)が販売会社(銀行や証券会社)を介して資金を運用会社に信託し、投資のプロであるファンドマネージャーが国内外の株式や債券などに投資し、その収益が投資家に分配される仕組み

 

ポイントは「自らが資金を運用するのではなく、運用をプロに任せる」という事だ。

 

これなら素人でも投資が出来そうな気がしないだろうか?

 

投資対象は株などの値動きの激しい商品から、預貯金に近いものまで幅広い。

なので、「株式投資程のリスクを避け、かつ預貯金よりも高いりリターンを求める」といった人にも良い商品と言える。

 

 

投資信託にはリスクもあるよ。 重要なのは商品選び!

 

前述したように投資信託はリスクゼロではない。

 

つまり預貯金のように元本保証が無いわけだが、投資対象を分散させることで、株が下がっても債券でカバーするなどしてリスクを抑えて値動きを安定化させることが可能で、その配分は投資信託の内容によって大きく異なる。

 

 

投資信託には様々な商品があるよ

 

投資信託には様々な商品がある。

 

高リスクの投資先にウェイトを置く商品では年率40~100%(要は2倍)を越えるリターンをたたき出すものもあるが、多くの投資信託(商品)は年利3~4%の安定的な運用実績を残す商品となる。

 

高リスクの商品に比べると年利3~4%というと低い気がしないでもないが、現在の定期預金利が実質0%なのを考えると、魅力的な利率と言っても良いのではないだろうか?

 

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投資信託の落とし穴! 手数料に関して

 

ここまで投資信託についてのメリットにフォーカスした解説をしてきたが、投資信託には落とし穴も存在し、それは『手数料』である。

 

販売会社(銀行や証券会社)や運用会社に支払う手数料(販売手数料と信託報酬)が投資信託にはかかる。

 

※株式投資は「株を購入する際に数百円、そのまま10年放置しても、20年放置しても一切お金はかからず(その間、配当が出ても課税されるだけで手数料などは不要)、売却する際に数百円必要」と非常にシンプルである。

 

それに対して投資信託はかつて、銀行や証券会社が手数料を稼ぐ手段として、売れない株式を組み入れて販売する「出来損ないの福袋」と呼ばれた時代があった。

 

また、年金代わりにリターンを毎月受け取れる「毎月分配型」が人気を集めていた時期もあったが、その元手が運用益ではなく、投資家の資金である元本を取り崩していた実態が明るみに出るなどして「投資信託不信」を生み出していた。

 

でもって、今でも「クソ信託」は(優良な投資信託とともに)多く潜んでいると思われる。

 

なので、個人的にはシンプルな株式投資が好きなのだが、最近は投資信託の状況が変わりつつある。

 

 

投資信託の状況を変えるきっかけとなった「積み立てNISA」

 

2017年に、政府は手数料ビジネスで稼ぐ金融機関の体質を厳しく批判し、それを受けて投資信託の手数料を引き下げる運用会社が増えてきているらしい。

 

でもって、その背景にあるのは政府の旗振りで2018年からスタートの「積み立てNISA(少額投資非課税制度)」の存在が大きい。

 

『積み立てNISA』の詳細は以下で記載しているので是非とも、この記事と合わせて観覧してみてほしい。

 

⇒『株式投資を副業に! 「NISA」「積み立てNISA」を解説!

 

 
でもって、この『積み立てNISA』は投資信託を毎月少ずつ積み立てていく制度(株式投資の積み立ては不可)なのだが、どんな商品(投資信託)も『積み立てNISA』の対象となるわけではない。
 
対称となるのは「顧客本位」という政府の原則に基づいた「毎月部内型などを前提としておらず、販売手数料がゼロで信託報酬が低いもの」という厳しい条件で絞り込まれた投資信託のみとなる(とはいっても数は多いので、選ぶのには迷うと思うが。。)。
 
重複するが『積み立てNISA』の対象となる投資信託は政府(厳密には金融庁)がお墨付きを与えた商品しか対象にならない。
 
この様な経緯が、銀行や証券会社が手数料の引き下げをはじめ、まっとうな投資信託を増やしている背景となっている。
 
 

iDeCoもあるよ

 

「積み立て方式による投資」という意味で、『積み立てNISA』と類似した特徴を持っている制度に『iDeCo(確定拠出年金)』があり、こちらは税制優遇を受けれるというメリットを持っているのが特徴の一つとしてあげられる。

 

そして、この『iDeco(確定拠出年金)』も投資信託を少額ずつ積み立てていく制度となる(ただ、『積み立てNISA』と異なり投資信託以外も投資対象となるが)。

 

何が言いたいかというと、政府はこの様な様々な「投資を喚起させるインセンティブ」を増やすことで、「貯金から投資」へ国民を誘導し、「自分の老後は自分で守れるような意識改革」を試みているのだ。

 

そのためには、国民が不審を抱くような「クソ投資信託」は駆逐する必要が(政府には)ある(国民に対してインセンティブにならなくなってしまうから)。

 

ただし、『積み立てNISA』も『iDeCo』もあくまで投資であり、元本保証される確証はないため、シッカリと勉強して商品を選んだほうが良いし、元本割れのリスクもきちんと折りこんでおく必要はある点は注意してほしい。

 

iDeco(確定拠出年金)に関しては以下の記事で解説しているので、興味がある方は観覧してみてほしい。

 

 
 

おすすめ書籍

 

投資信託、確定拠出年金に関する書籍は数多く出版しいるので、ぜひ何冊か読み比べてみてほしい。

 

でもって、これら投資に手を出すのであれば「否定的な見解」も頭に入れておくと非常に役に立つ。

 

そういった意味で、以下の本はぜひとも一読しておいてほしい。