この記事では、株式投資の魅力の一つである『配当』と『株主優待』について解説していきます。
配当って何だ?
配当とは株主還元の一つで、株主優待と並んで株価を下支えする要素の一つです。
配当金は年1回(あるいは2回)、企業が「うちの会社に投資してくれてありがとう。お礼にプレゼントします」という意味で株主に送られるお金を指します。
配当は株価を下支えする
高配当銘柄は、株価を下支えするため、株価が下がりにくいと一般的には言われています。
また、増配(配当が増える)・復配(無配にしていた企業が再び配当を復活させる)などの発表はポジティブに捉えられ株価が上がる要因になります。
一方で、配当は業績によって左右されるため、減配(配当が減る)・無配(配当が無くなる)が起こることも有り得るの点は注意が必要です。
配当ばかりに目がくらむと、痛い目を見ることになります。
間違っても「どれだけ株価が下がっても、これだけ高配当だから問題ない」などと安易に考えてたら、急に減配・無配になって株価下落に拍車がかかることも有り得ます。
株主優待って何だ?
株主優待とは、企業が配当以外の方法で株主に利益を還元する様々な手段を指します。
株主優待は企業によって様々で、具体的なケースとしては以下などが挙げられます。
- よくある優待⇒クオカード・図書券
- セントラルスポーツ⇒セントラルスポーツ1日使い放題券数枚
- ユーグレナ⇒自社通販指定商品購入クーポン券
- マクドナルド⇒食事優待券(バーガー・サイドメニュー・飲み物×6)
ちなみに海外では「配当」のみで、日本の「株主優待」という利益還元法は理解に苦しむといった話を聞いたことがあります。
※海外の投資家からしたら「株主優待なんてどうでも良いから、その分配当を増やせ」といったことなんだと思います。
株主優待を設けている企業であっても、配当金も合わせて提供してくれる企業が多いので、単純に配当だけでなく、株主優待も含めて価値を見定めてみるのも面白いかもしれません。
配当に比べて、株主優待は廃止されにくい
配当金は景気に左右され易く、容易に増減する一方で、株主優待は廃止されにくい傾向にあります。
※あくまで配当金に比べてのは無し。
例えば、セントラルスポーツの1日利用券などは廃止しなくても収益に大きな支障をきたさないし、マクドナルドの食事券なども自社製品なため配当金としてお金をばらまくよりも収益に支障をきたしにくいといった側面があったりします。
一方で、クオカード・図書券は、配当金と似たような側面を持っており、自社製品などを株主優待にしている企業に比べると廃止されやすいと感じます(あくまで個人的見解)。
長期保有によって株主優待がグレードアップする銘柄が熱い!!
前述したように、日本には様々な株主優待が存在します。
でもって中には「長期保有によって株主優待の内容がグレードアップするもの」も多々存在します。
企業がその様な手法を取る理由としては、ずばり「日本の個人投資家に長期保有してほしいから」です。
個人投資家は、大手証券や海外投機筋のようなマネーゲームばかりせず、長期に保有して株価を安定させてくれる大切な存在です。
なので、その様な個人投資家に長期保有してほしい訳です。
この様な手法を取っている企業としては以下などが挙げられます。
- モノタロー
「3000円相当の自社プライベートブランド商品」が株主優待ですが、3年以上5年未満継続保有の場合5000円相当、5年以上継続保有の場合7000円相当にグレードアップします。
- イーブックイニシアティブジャパン
「自社の電子書籍販売サイトで利用可能な1080円相当のクーポン」が株主優待ですが、1年以上3年未満継続保有の株主には更に1080円相当追加(あるいは3年以上継続保有は2160円相当を追加)にグレードアップします。
- ニプロ
(1000株以上を保有していないともらいないので保有し続けるためのハードルは高いですが)1年以上継続保有した場合に「5000円相当の図書券」が株主優待としてもらえます。でもって3年以上5年未満は「10000円相当の図書券」、5年以上は「15000円相当の図書券」にグレードアップします。
上記の様な銘柄は「せっかくグレードアップした優待券をもらえるのだから」と長期保有に対するインセンティブを与えてくれるという訳です。
高配当・大人気優待銘柄は、権利確定日以降に注意が必要
ここまで配当と株主優待について解説してきました。
でもって、最後に高配当・人気株主優待銘柄を購入する際の注意点および応用売買方法を解説して終わりにしようと思います。
高配当・人気株主優待銘柄は、魅力的であるがゆえに権利確定日に向けて上昇し、権利確定日の翌日に大下落し、そこから適正価格に再び戻っていくという経過をたどることが多々あります。
なので、高配当・人気株主優待銘柄だと思って、権利確定日間近に購入したら高値掴みになってしまう可能性があるので注意が必要です。
逆に言えば、権利確定日にむけて株価が上昇する前に購入し、権利確定日の直前に売り抜けて利益を得るという考えもアリだと思います。
ただ、この手法がうまくいきやすい銘柄、計算通りにいかない銘柄があるので、ある程度観察してその銘柄の法則性などが自分なりに見極めておくに越したことは無いと思います。
※人気株主銘柄としてはマクドナルドやゼンショーホールディングスなどが挙げられます。どういう銘柄が権利確定日直後に下落しやすいのか、あるいはしにくいのかもあらかじめチェックしておくと役に立ちます(もちろん、その時々の経済状況によっても変化するので100%当たる訳ではありませんが、一つの知識として役に立つと思います)。