この記事では『依存症』という用語について解説していく。

 

依存症とは

 

依存症というのはWHOが提唱した用語で、以前は一般社会で「~中毒」などと呼ばれていた。

 

つまり、「それほど重要ではないもの」または「重要ではあるがそれほどの量・時間をかけなくても良いこと」に対して「~がないと生きていけない」ように感じて、繰り返し接してしまう状態を指す。

 

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国際的な依存症の診断基準

 

依存症に関する国際的な診断基準は下記の通りである。

 

①対象への強烈な欲求・強迫感がある。

②禁断症状がある

③依存対象に接する量や時間などのコントロールが出来ない

④依存対象に接する頻度や量が増えていく

⑤依存のために仕事や通常の娯楽などを無視または制限する

⑥心や体に悪いことを知っていても続けている

 

この6症状のうち、過去1年以内に3つ以上を繰り返し経験したか、1か月以上にわたって3つ以上の症状が同時に続いた場合、依存症と診断される。

 

 

依存対象の種類

 

依存症には、大きく分けて次の3種類の依存対象があるとされる。

 

①物質への依存:

⇒ニコチン・アルコール・薬物・食べ物など

 

②プロセスへの依存:

⇒ギャンブル・インターネット・セックス・買い物・仕事など

 

③人間関係への依存:

⇒恋愛・カルト宗教・DV・虐待など

 

 

依存症の仕組み

 

前述したように、依存症の依存対象には様々な種類があり、共通性がほとんど無い。

 

一方で、これらの依存対象に接している時、人の脳の中にはドーパミンが分泌されているという点だけは共通している。

 

初めて依存対象に接した際に、前頭前野はそれが好きかどうかを判断する。

 

そして、それが好きなものだとA10神経から側坐核へドーパミンが放出され、脳は快感を覚える。

 

さらに、この結果は情報として海馬に記憶される。

 

このようなことが起こる物質や行為は、すべて依存症の対象になる可能性がある。

 

そして、最初の体験が快感とともに記憶されると、「再びあの体験をしたい」と考えるようになる。

 

日常生活でドーパミンが分泌される状況は、なんら特別ではなく、それらの分泌はGABAやセロトニンなどの抑制性な神経伝達物質により過剰にならないよう抑えられている。

 

つまり、依存症の人の脳ではこうした神経伝達物質のバランスが崩れてしまっていると考えられる。

 

依存症が更に進行すると、もう一つの問題が起こってしまう。

 

それは依存対象による刺激を何度も繰り返すことにより、今まで少しの刺激で得られた快感が、あまり感じられなくなってしまうことである。

 

これはドーパミンの受容体が減少することで起こると考えられているが、その結果、快感を得ようとして依存対象の量や頻度が増えてしまう。

 

こうして体は刺激に何度もさらされるようになるが、更にこれが続くとドーパミンの放出側や、受け取る側の神経細胞自体も変化してしまう。

 

そのようなプロセスの結果、依存対象への執着心は、脳の中に永遠に記録されてしまうことになり、強制的に依存対象が絶たれて症状が改善されたとしても、再び依存対象に触れてしまう機会があった際に依存症が再発してしまう可能性が高い。