この記事「新人理学・作業療法士の初任給」は「理学・作業療法士の新人シリーズ」として、自分の新人時代を思い出しながら思いついた他愛のないことを記載していくという、いわゆる「雑記」である。
従って、このシリーズで観覧者が得られる情報は、何ら臨床に活用されない可能性が高い点はご了承願いたい。
新人理学・作業療法士の初任給
五月になっているということは、きっと理学・作業療法士の皆さんも初任給が手に入っていることと思う。
皆さんは、そんな初任給を何に使っただろうか?
将来の見通せない時代だからこそ堅実に貯金だろうか?
それとも約一か月頑張ってきた自分へのご褒美にパーッと散財したのだろうか?
あるいは、奨学金などの支払いに充てた人もいることだろう。
私は初任給の給料明細を貰えたときは胸が高鳴った。
なぜなら、20万円以上もの大金が一度に懐へ入ってくることなど初めての経験だからだ。
アルバイトでもらえる数万円とはわけが違う。
基本的には堅実な性格なので貯金しようとも思ったが、一人暮らしをするために必要な経費を除いて全て使いきることに決めた。
ただし使いきると言っても「親に渡す」という使い切り方をした。
私の両親
私の親は、両方とも学校の教師をしていた(今は2人とも定年退職している)。
学校の教師というと皆さんはどんなイメージを持たれているだろうか?
私の子供の頃のイメージは「家にも仕事を持ちこまなくちゃいけないし、とにかく大変そう」であった。
特に母親は、仕事に+αとして家事もこなしていたため、朝早くから夜遅くまで何らかの作業をしており、プライベートな時間がほとんどないといって良いほどだった。
母は完璧主義者だったので、朝は出勤前に洗濯や朝食の準備を済ませ、仕事から帰ると夕食の準備や他の家事を済ませ、夜遅くまで学校の生徒のテスト採点や成績表をつけたり、催し物の段取りやプリント作りなど様々な間接業務に追われており、机に突っ伏したまま寝て朝を迎えることも多かった。
そんな母親を手助けしてあげれば良いものの、学生時代の私は自分のことしか考えておらず、あまり両親の偉大さに気づいておらず、仕事や家事のことも含めて「親として当たり前」くらいにしか思っていなかった。
しかし、学校を卒業して初めて分かる家事の大変さ、そして仕事の大変さ。
当然のことではあるが、それらを身をもって体験することでしか見えないものに、一人暮らしをして気づかされることになった。
少し余談が長くなったが、そんな事も感じつつベタな使い道ではあるものの、私は初任給の使い道を「両親への孝行」へ使うことに決めた。
両親へのプレゼント
で、両親に対してどんな使い道をしたかというと「現金手渡し」であった。
もちろん最初は何か思い出になるプレゼントはないかと考えたのだが、結局思い当らなかった。
両親は教師をしていたと前述したが、要は「公務員」でありお金に苦労はしていなかった。
それに加えて物欲が少なく堅実な性格であったため、尚更お金に執着がなかった。
※むしろ一人暮らしをしていた私の方が貧乏であった。
そして、どこか合理的に考えるところがあり、妙なプレゼントをしてしまうと(実の息子からのプレゼントにも関わらず)煙たがれる可能性があった。
※この時私は、小学生時代の父の日にプレゼントした「機動戦士ガンダムに出てくるザクの切り絵」が押入れの奥でくクシャクシャになっているのを発見した時の気持ちを思い出していた。
※あるいは、小学生時代の母の日にプレゼントした「鉢に入ったサボテン」を渡した際の微妙そうな顔を思いだいしていた。
現金が良いだろう・・・
自分達の好きな事に使ってもらえるのが一番良い・・・
様々な思いを巡らしたうえでの現金手渡しだったのだ。
もちろん、「現金手渡し」を味気ないと考える人も大勢いるだろうし、この方法が一概に良いとは言えないが、結果として両親は喜んでくれた。
(そもそもお金に困っていなこともあってか)お金の額そのものではなく「一人前にお金を稼いでこれて、更には自分のために使わず私達にプレゼントしてくれたという行為そのもの」に喜んでくれていたように思う。
結局そのお金は「海外旅行」という思い出へ変わることとなる。
後日、「素敵な思い出を作ることが出来た。ありがとう。」と感謝された。
「これからは少しずつでも親孝行をしていこう」
そう思えた瞬間であったことが、今でも懐かしく思い出される。