この記事では、介護保険による「訪問リハビリ」に関して、制度的側面を解説していく。

 

ちなみに、この記事は以下の人を対象にしている。

 

  • 訪問リハビリに携わったことは無いが、興味がある(転職も考えているなど)

 

  • 自院に訪問リハビリは存在しないが、今後立ち上げを視野に入れて情報収集をしている。

 

また、訪問看護との違いについても言及しているので、この点について知りたい方も観覧してみてほしい。

 

ちなみに、この記事は『社保審-介護給付費分科会第141回(H29年6月21日)』をベースにしており、(訪問看護を除いて)画像も全てこの資料から引用している。

なので、H30年4月の医療・介護同時改定前の情報である点には注意してほしい。

 

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目次

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訪問リハビリと訪問看護の違い

 

訪問リハビリの概要・定義、対象者といった基本的な点について記載していく前に、「訪問リハビリの種類」に関して記載しておく。

 

訪問リハビリには以下の種類がある。

 

  • 医療保険を利用しての訪問リハビリ

 

  • 介護保険を使用しての訪問リハビリ

    ・訪問リハビリ

    ・訪問看護ステーションからの訪問リハビリ(訪問看護リハビリ)

 

 

まず、訪問リハビリを「医療保険・介護保険のどちらで利用するか」で医師の関与、書類、利用できる回数などなど様々な点が異なってくる。

 

なので「医療保険を利用しての訪問リハビリ」にも関与するのであれば、介護保険とは異なる制度上の特徴をしっかり把握しておく必要がある。

 

また、「介護保険を使用しての訪問リハビリ」に関しては、「通常の訪問リハビリ」の他に「訪問看護ステーションからの訪問リハビリ(以降は訪問看護リハビリと略して記載)」がある。

 

※皆さんは訪問リハビリには「訪問リハビリ」と「訪問看護リハビリ」が存在していたことをご存じだろうか。

 

私は新人として入職して3か月も経たない内に訪問リハビリの立ち上げを任されるという不意打ちを食らったが、その際に2パターンの訪問リハビリが存在することを全く知らなかった。

 

 

昔の訪問リハビリ・訪問看護リハビリの格差はひどかった

 

前述したとおり、立ち上げ当初、訪問リハビリと訪問看護リハビリの違いが判らなかったので、制度などを必要最低限調べてみることにしたのだが、これらの格差(間接業務・報酬など)があまりにも違っていることに驚いた。

 

重複するが、報酬も今とは比べ物にならないほど異なっており(そもそも1回の提供時間が20分毎、30分毎と各々で統一されていなかった)、それも不平等に感じる要因の一つであった。

 

また間接業務に関しても、以前の訪問リハビリは「利用者がサービスを受ける場合、主治医に1か月毎に必ず診察を受け、サービス担当者(理学療法士・作業療法士)も1か月毎に主治医から指示書をもらう必要」があった。

 

で、主治医が当院でない場合は、主治医(他院)から当院医師へ診療情報提供書を作成してもらい、当院医師(指示医)も(見ず知らずの)利用者の診察を(訪リハをするためだけに)実施しつつ(主治医からもらった診療情報提供書を参考に)サービス担当者(理学療法士・作業療法士)に指示書を書き、その指示書を基に訪問リハビリを実施する必要があった(この工程を毎月こなす必要があった)。

 

※もちろん、情報提供書を他院から受け取るにあたっては報告書も(必須ではないかもしれないが)提出するため、これも面倒だった(まぁ、ケアマネには報告書を提出する必要があるので、それを専門用語を交えて堅苦しく作り直せば良いのだが、それにしても面倒だった)。

 

一方で、訪問看護リハは主治医に「訪問看護リハを実施するために必要な書類(名前は忘れた)」を3か月(か半年、具体的には忘れた)毎に受け取れば良いという簡単なものだった。

※昔は、独立した訪問看護ステーションは少なく、病院に併設されたものが多かった。でもって、わざわざ病院から「訪問リハビリ」としてセラピストを派遣するよりも「訪問看護リハ」として派遣するほうが間接業務・報酬共に高かったので、訪問リハビリをしている病院は少なかった。

 

他院が主治医な場合、利用者が主治医、当院医師(指示医)の両方の診察を受けなければならない(しかも毎月)という負担は計り知れないだろう。

 

もし私がケアマネであれば、上記の利用者負担を考えただけでも、どちらを利用したいかは明らかだ。

 

で、間接業務も大変なため、セラピストを多く抱えるような大病院などは「わざわざ訪問リハするよりも、院内でリハビリしたほうが儲かる」との考えがあってか、訪問リハビリ自体が(あくまで私の地域・県という狭い範囲の情報ではあるが)普及していなかった。

 

※あるいは、「○○病院で訪問リハビリをしてもらっていたが、部門を廃止することになったので、あなたの所で受け入れてくれないか」といった相談を受けることもあるほどだった。

 

ただし後に、以下などの理由もあってか訪問リハビリは再度普及していくこととなる。

 

  • 間接業務が楽になった(前述した無茶苦茶な制度が毎改正ごとに徐々に緩和されていった)

 

  • 報酬が多少上がった(加算なども付くようになった)

 

  • 在宅リハビリが着目されるようになり「病院でリハビリが完結する」という考えでなく「退院後の支援の重要性」が強調されるようになった(なので、極論としてお飾りであっても訪問リハビリに対応できているかどうかは、入院から退院後まで切れ目ないリハを提供しているとのアピールに繋がる」と考えられるようになった。

 

  • そもそも、昔は院内リハビリの報酬がメチャクチャ高かった(にも関わらず病院から在宅に出向くなどバカらしかった)が、毎改正ごとに減算され始めた。それに伴い、相対的に訪問リハビリの旨味が増してきた。

・・・などなど。

 

 

新人当初は「訪問リハビリと訪問看護リハビリの違い」を多少調ただけで嫌気がさし、「俺も皆と同様に、普通に院内でリハビリがした~い!」と思いながら作業を進めていたのを思い出す(新人当初は訪問リハビリは本当にマイナーで、同期で訪問リハビリに携わっている人間は一人もいなかったし、情報収集をするのにも一苦労であった)。

 

 

ただし、以前と比べると(当然のことではあるが)違いがかなり是正されてきている点は補足しておく。

 

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訪問看護リハビリを深堀り

 

訪問看護リハビリについて過去の恨み節を記載してしまったが、現在(H29年)に話を戻す。

 

この記事は「病院・老健からの訪問リハビリ」にフォーカスした記事なのだが、それらに関して解説する前に「訪問看護ステーションからの訪問リハビリ(訪問看護リハビリ)」について深堀解説をしておく。

 

※ここで引用する画像は全て『社保審-介護給付費分科会第142回(H29年7月5日)』より引用している。

 

まず、訪問看護ステーションにおけるリハビリ職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の位置づけは以下の通り。

 

 

単なる言葉遊びになってしまうが、訪問看護ステーションにおいて提供される内容は『看護』であり、その『看護業務の一環としてのリハビリテーション』をするためにリハビリ職種が派遣される場合がある。

 

でもって彼らリハビリ職種が看護業務(リハビリ)を実施する。

 

ちなみに、理学療法士も作業療法士も「名称独占」であり「業務独占」ではない。

なので(奇妙に感じるかもしれないが)、看護師が理学療法・作業療法をすることもあるし、介護士が理学療法・作業療法をすることも出来る(ただし、彼らが理学療法士・作業療法と名乗った場合に違法となるだけ)。

 

なので、看護学校で(看護の一環として)「リハビリテーション」を学ぶし、介護福祉士養成校でも(介護の一環として)「リハビリテーション」を学ぶ。

 

少し話が脱線してきたが、訪問看護ステーションから理学療法士・作業療法士が「看護業務の一環としてリハビリテーションを行う場合」に派遣されることがある。

 

 

訪問看護ステーションにおけるリハビリ職種の状況

 

訪問看護ステーションにおける理学療法従事者の状況は以下の通り。

 

※訪問看護ステーションに従事者するリハビリ職種の割合は徐々に増えているようである。

 

 

 

また、リハビリ職種が従事する割合が大きくなるにつれ要支援者の割合も大きくなってきているようだ。

 

確かに、『訪問看護』と聞くと医学管理が十分に必要な「重度な要介護者」が対象なイメージがある。

 

でもって訪問看護ステーションにリハビリ職種を在籍させておくことは、看護師と連携して上記の患者(重度な要介護者)にも対応できるし、(本来なら訪問看護サービスを利用しないような)医学管理がほとんど必要ない要支援者などもサービス対象として開拓できるといったメリットがあるのかもれない。

 

 

もしかすると「要支援者なら、わざわざ訪問サービス使わなくても良いのでは?」といった疑問を持つ人もいるかもしれない。

 

ただ、経営上(あるいは、きちんとした理由があって)訪問リハビリが利用されるケースはある。

 

でもって、後述するが「通院が困難」ではない利用者に訪問リハビリをすることは違法ではない(必ずしも往診が必要なレベルの利用者しか訪問リハビリが利用できないわけではない)。

 

 

それにしても、訪問看護ステーションからリハビリ職種が派遣される割合は先ほどの資料からも分かるように年々増加している。

 

でもって「看護業務にはリハビリも含まれる」と前述はしたものの、流石にこれだけリハビリ職種が看護の一環として派遣されるとなると、もはや看護ステーションとは呼べないのではと感じることもある。

 

要は、リハビリは「訪問リハビリ」に任せて、それ以外の看護業務に専念しろよということだ。

 

これは、『社保審-介護給付費分科会第141回(H29年6月21日)』の資料でも「訪問看護師がなかなか増えない中、PT・OTが訪問看護ステーションに勤め、訪問リハビリテーションを増やしているという現状について、在り方を考えたほうがいい」と問題提起されている。

 

 

 

 

もちろん、訪問看護ステーションに看護師とリハビリ職種が在中していると連携がとり易いため、「看護と、専門的なリハビリの両方が必要」と考えた場合は訪問看護ステーションに依頼したほうが良いと思われる。

 

でもって、当初はその様なケースを見込んでリハビリ職種も在籍させていたと思われ、このように『看護とリハビリを連携して実施出来る』という点は「訪問看護リハビリにおける唯一にして最大のメリット」と言えるだろう。

 

しかし現在、わざわざ訪問看護からのリハビリである必要がない人も多く存在しているように思えてならない。

(別にそれ自体は構わないのが)であるならば、せめて訪問看護リハビリと訪問リハビリと制度を統一させるべきだろう。

 

一方は、制度的にややこしく(会議参加・診察の多さなども含む)、もう一方は簡単というのはアンフェアだ。

 

 

訪問リハビリと訪問看護リハビリでアンフェアと思う一例

 

「訪問リハビリと訪問看護リハビリの制度的アンフェアな点」の一例を記載しておく。

 

この記事は「介護保険での訪問リハビリ」にフォーカスしているが、実際には(冒頭でも示したように)「医療保険を利用しての訪問リハビリ」も可能である。

 

ただし、要介護認定を受けているのであれば「医療保険を利用しての訪問リハビリは不可能」となるので覚えておこう。

 

※厳密には急性増悪時には実施出来ることになっているが、毎月医師が訪問をする必要がある(指示書も必要)など、面倒だったりする。

 

※意外と、医師や外来看護師から「訪問リハビリを希望されているが、医療保険で対応は可能か?」と聞かれることは多い。

 

一方で訪問看護リハは、以下の条件を満たす場合は介護認定を受けていようと訪問看護リハが可能である。

※特掲診療料施設基準等別表第七に掲げる疾病等の利用者

 

・末期の悪性腫瘍

多発性硬化症

・重症筋無力症

・スモン

筋萎縮性側索硬化症

脊髄小脳変性症

・ハンチントン病

進行性筋ジストロフィー症

パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。)

・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)

・プリオン病

・亜急性硬化性全脳炎

・ライソゾーム病

・副腎白質ジストロフィー

・脊髄性筋萎縮症

・球脊髄性筋萎縮症

・慢性炎症性脱髄性多発神経炎

・後天性免疫不全症候群

・頸髄損傷

・人工呼吸器を使用している状態

 

普段はお目にかからないようなマニアックな疾患も多いが、一方でパーキンソン病など普段お目にかかり易い疾患も紛れている。

 

でもってケアマネから「パーキンソン病を患ってる方の訪問リハビリを考えている。ただし介護保険の利用限度額いっぱいまで使用しているので、リハビリは医療保険で実施してもらいたいのだが可能か?」と問い合わせがあった場合は、以下の様に答えるしかない。

 

制度上、要介護認定を受けている人は原則介護保険を利用しないといけない(限度額いっぱいまで使用していようが、いまいと)。ただし、訪問看護ステーションからの訪問リハビリであれば制度として対応可能となっているため、そちらに問い合わせをしてみてください。

 

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訪問リハビリについて

 

訪問看護にかなりの容量を割いてしまったが、ここから先は、本題の「訪問リハビリ(訪問看護ステーションからのリハビリではないもの)」について解説していく。

 

訪問リハビリの概要・施設基準

 

訪問リハビリの概要・施設基準は以下の通り。

 

 

上記を観覧してもらえばわかるように、通所サービス(通所介護や通所リハビリ)とは異なり人員基準や施設基準は「あってないようなもの」である。

 

まぁ、院外でリハビリを実施するので、こじんまりした部屋(最低限の間接業務が行える部屋)にリハビリ職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が最低一人いれば成り立つ。

 

また、人員基準の備考として以下が記載されている。

 

訪問リハビリテーション事業所としての医師の配置は規定されていないが、訪問リハビリテーション事業所は病院、診療所または介護老人保健施設であるため、運営上、医師の関与が前提とされている。
 
表現を変えると、医師のいないところでは訪問リハビリ事業所を運営できない。
 
なので、「リハビリ職種が起業して訪問リハビリ事業所を運営しようと思った場合」は、必然的に(医師が不要な)「訪問看護ステーション」を立ち上げて運営する必要がある。

 

 

訪問リハビリの対象者

 

訪問リハビリの対象者は以下の通り。

 

 

上段の「通院が困難なものに対して・・・」という文言がフォーカスされすぎて「訪問リハビリの対象は通院が困難な人でなければならない」というイメージがあるかもしれないが、実際には「要介護認定を受けており、ケアマネが必要と判断し、尚且つ医師の指示もある」のであれれば、通院が困難であろうとなかろうと実施しても良い。

 

ただ、そうは言っても下段の「通院が可能であれば通所系サービスを優先すべき」との文言もあるので、「なぜ敢えて(通所リハビリではなく)訪問リハビリを利用しているのか」は明確にしておいたほうが良いだろう(建前であったとしても)。

 

また、最近はICFにおける『活動と参加』が重要視されるようになっており、通所リハビリと訪問リハビリの併用に関しても肯定的な意見が散見されるようになってきている。

 

※通所リハビリと訪問リハビリの併用は違法ではない。

 

※通所リハビリは自宅訪問をした上で計画書を作成するし、必要に応じて自宅に赴いてリハビリをすることも推奨されている(例えば、生活機能向上リハビリテーション)。とはいえ、それでは割に合わない場合もあり、訪問リハビリも併用することで『活動・参加』につなげやすくするという考えもアリという事。

 

 

訪問リハビリの1回当たりの平均時間は?

 

調査によると、訪問リハビリの1回当たりの平均時間は40分とのこと。

 

※厳密には「1日当たりの利用時間」と表現したほうが正しい(理由は後述する)。

 

 

 

 

訪問リハビリの各種加算について

 

ここからは、訪問リハビリによって生じる報酬について記載ていく。

 

 

訪問リハビリの報酬は1回20分が302単位となる。

なので、訪問して40分のリハビリをすると(302×2回)の604単位が報酬となる。

 

少しややこしいが、訪問リハビリの回数は以下の様に表現される。

 

今月は利用者宅に8回訪問し、毎回40分間のリハビリを実施した。

今月は8日訪問し、計16回の訪問リハビリを実施した

 

でもって上記図のように、(基本報酬に)様々な加算が上乗せされていくことになるのだが、これら加算の中で『リハビリテーションマネジメント加算』にフォーカスして補足していく。

 

 

リハビリテーションマネジメント加算について

 

リハビリ計画書を作成すると、もれなく「リハビリテーションマネジメント加算」が算定できる。

 

でもって、このマネジメント加算はⅠ・Ⅱの2パターンのいずれかを選択する必要がある。

 

マネジメント加算Ⅰ・Ⅱの報酬及び算定要件の違いは以下の通り。

 

リハビリテーションマネジメント加算Ⅰ

⇒60単位/月

 

リハビリテーションマネジメント加算Ⅱ

⇒ 150単位/月

 

※外来リハビリのみに携わっている人には分かりにくいかもしれないが、医療保険でいう所の「○○点」というのが、介護保険では「○○単位」と表現される。

 

上記の報酬が、基本報酬に上乗せ(加算)されるということになる。

 

これだけ見ればリハマネ加算ⅡはⅠに比べて非常に魅力的だ。

しかし、実際にはかなりの事業所がⅡではなくⅠを選んでいる。

 

 

上記資料のポイントは以下の通り。

 

  • リハビリテーションマネジメント加算Iを届け出ていた訪問リハ事業所は79.4%、同加
    算Ⅱを届け出ていた事業所は14.1%であった。

 

  • リハビリテーションマネジメント加算Iの算定率は要介護度によらず約85%、同加算Ⅱ
    の算定率は要介護度によらず約6%であった。

 

  • リハビリテーションマネジメント加算Ⅱの届出をしていない事業所において、加算を算定しない理由は、「医師のリハ会議への参加が困難」が82.2%、「医師からの説明時間が確保できない」が61.1%、届出をしている事業所で算定していない利用者がいる場合その理由は、「医師のリハ会議への参加が困難」が62.1%、「医師からの説明時間が確保できない」が46.0%であった。

 

上記からも分かるようにネックは「医師が協力的かどうか」のようである。

 

この点に関しては、以下の具体的なマネジメント加算の算定要件を観覧してもらうことでも分かると思う。

 

マネジメント加算Ⅰ マネジメント加算Ⅱ

① 訪問リハビリテーション計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直していること。

 

② 指定訪問リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝達していること。

① 『リハビリテーション会議』を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、当該リハビリテーション会議の内容を記録すること。

② 訪問リハビリテーション計画について、医師が利用者又はその家族に対して説明し、同意を得ること。

 

③ 3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、利用者の状態の変化に応じ、訪問リハビリテーション計画を見直していること。

 

④ 指定訪問リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、介護支援専門員に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供を行うこと。

 

⑤ 以下のいずれかに適合すること。

1)指定訪問リハビリテーション事業所のPT、OT又はSTが、居宅サービス計画に位置付けた指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者と指定訪問リハビリテーションの利用者の居宅を訪問し、当該従業者に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。

 

2)指定訪問リハビリテーション事業所のPT、OT及びSTが、指定訪問リハビリテーション事業所の利用者の居宅を訪問し、その家族に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと。

 

⑥ ①から⑤までに適合することを確認し、記録すること。

 

※冒頭で記載した『リハビリテーション会議』とは、利用者及びその家族を基本としつつ、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護支援専門員、居宅サービス計画に位置づけた指定居宅サービス等の担当者その他の関係者が構成員となって実施される必要がある。

 

 

※特に面倒くさい部分を赤色で示した。

 

※「加算」という表現なので「算定するかどうかは任意」なイメージを持つかもしれない。しかし、サービスを開始・継続するうえで必ず必要な「計画書」を立案するためにはリハマネ加算Ⅰ or Ⅱの工程が必要不可欠なので、リハビリをする(基本報酬を算定する)時点でリハマネ加算も必然的に算定することになる

 

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次回の診療報酬・介護報酬ダブル改定での着目点

 

個人的に2018年の診療報酬・介護報酬のダブル改定における、訪問リハビリの着目点は以下になる。

 

・マネジメント加算Ⅱが訪問リハビリ利用の絶対条件となるかどうか

・「訪問リハビリ」と「訪問看護からのリハビリ」の更なる不平等是正

 

 

マネジメント加算Ⅱが訪問リハ利用の絶対条件となるかどうか?

 

現在はマネジメント加算ⅠとⅡの選択が可能だが、Ⅰという選択肢がなくなる可能性がある。

国は、まずは大混乱が起きるような制度を作る前には、選択肢を用意して逃げ道を作り免疫をつけさせる。

でもって、免疫がついてきた頃に、選択肢をなくして制度を完成させるというのはよくあることだ。

ただし、現在のマネジメント加算は少し無理がある(例えば医師が会議に参加して、その後計画書を立案し、さらに後日医師が説明してサインをもらうなど)と感じるので、多少は現場の声も取り入れて微調整がなされるのではとも感じる。

 

 

※既に、「医師による説明・同意」をリハビリ職種が代行しても良いのではという意見が厚生労働省の会議からも出てきている。

 

 

「訪問リハビリ」と「訪問看護ステーションからのリハビリ」の更なる不平等是正

 

訪問リハビリには二重診療という不思議な現象が残っている。

 

 

上記資料のポイントは以下である。

 

利用者に対し、別の医療機関で計画的な医学的管理を行っている医師から情報提供を受けて訪問リハビリテーションを実施する場合でも、事業所の医師及び理学療法士などが訪問リハビリテーション計画を作成するためには、規定上、事業所の医師が患者を診察する必要がある。

 

※冒頭にも記載したが、この資料は「社保審-介護給付費分科会第141回(H29年6月21日)』で使用されたものである。

 

でもって上記を分かり易く要約すると以下になる。

 

主治医が他院である場合は、まず当院医師(指示医)宛に診療情報提供書を送ってもらう。

でもって、当院医師(指示医)はその診療情報提供書を参考にリハビリ職種(理学療法士・作業療法士など)に指示書を作成すれば済む・・・・・・訳ではない。

当院医師は主治医から情報提供を受け取るだけでなく、自らも利用者を診察した上で指示書を作成しなければならない。

 

つまり利用したい訪問リハビリ先の医療機関が主治医ではない場合、利用者は主治医の診察を受けると同時に、わざわざ訪問リハビリ先の医療機関にも出向き(あるいは訪問診療の依頼をし)、見ず知らずの医師の診察を受けなければ訪問リハビリを利用(あるいは継続)出来ないというシステムになっている。

 

でもって、こういう無駄に2つも診察を受けなければならないものを『二重診療』と呼び、現場は問題視しているのだが、いまだに改善される気配はない。

 

ただし、地域によっては上記が無駄な行為だという事を分かっており、問い合わせると「当院医師(指示医)はその診療情報提供書を参考にリハビリ職種(理学療法士・作業療法士など)に指示書を作成すれば良い」という回答が得られる場合もある。

 

なので、是非とも各自治体に(二重診療が必要なのかどうか)問い合わせをしてみてほしい。

 

 

ちなみに訪問看護ステーションは(前述した施設基準の項目でも示したように)医師の傘下でなければいけないということはないから、直接主治医に書類をもらえば良いだけである(二重診療は発生しない)。

なおかつ、指示の有効期間も6ヶ月と長い。

※ちなみに、訪問リハビリは指示の有効期限は3か月(これでも改善した方で、以前は有効期限が1ヶ月だった)。

 

これらは、いずれにしても是正してもらいたい。

 

また、①で示したマネジメント加算の手順が今後の訪問リハビリに必須となるならば、訪問看護からのリハビリでも必須にすべきだろう(何事も平等にね)。

 

※リハビリをしてほしいのであって、不要な会議やカンファレンスにしょっちゅう駆り出されるのは負担だと思っている利用者・家族も多い。

 

※また、利用者・家族が直接訪問リハビリの依頼をしてくることもあるが、ケアマネから依頼されることが圧倒的に多い。でもって、リハマネジメント加算を算定することで事業所には(報酬が加算されるという)メリットがあるが、ケアマネはしょっちゅう会議・カンファレンスを開催しなければならないにもかかわらず報酬は発生せず、負担が大きいという声もある。

私がケアマネであれば、この様な会議・カンファレンスを(必要に応じてではなく)機械的に入れ込まれる訪問リハビリと、必要最小限の会議・カンファレンスで済ませることの出来る「訪問看護リハビリ」のどちらを選びたくなるかは想像に難くない。

 

以下の資料は「訪問リハビリ」よりも「訪問看護のリハビリ」の利用が多いことが示されている。

この様な現象が起こっている理由は様々あるとは思うが、訪問リハビリは二重診療・会議・カンファレンスなどが多く面倒だというケアマネの思いもあるのではと感じる。

 

 

 

終わりに

 

補足を記載して終わりにする。

 

この記事では訪問看護リハビリについても記載してきたが、私は訪問看護ステーションに従事したことは無い。

 

なので、一方的な視点からの見解になるため、訪問看護リハビリをしているセラピストからすると「(訪問リハビリをしている)お前らとは、ここが違うんだよ!分かってないなぁ」という思いを持っている人もいるのではと思う。

 

そういう人はバンバンと記事を書いて論破してほしい。

 

当然、訪問看護リハには訪問看護リハなりの主張があってしかるべきだろう(むしろ無い方がおかしい)。

 

ちなみに、訪問リハと訪看リハの違いが不透明な点は、通所リハビリと通所介護の違いが不透明(リハビリをアピールした通所介護も増えている)な点とも似ている気がする。

 

以下の記事は通所リハビリと外来リハビリの違いにフォーカスしているが「デイサービスとの違いが分かりにくくなっている点」にも言及しているので興味がある方は観覧してみてほしい。

 

メリットは?「短時間通所リハビリ(介護保険)」と「外来リハビリ(医療保険)」の違い(書類・単位・その他諸々)