この記事「そろそろ仕事辞めたいですか?」は「理学・作業療法士の新人シリーズ」として、自分の新人時代を思い出しながら思いついた他愛のないことを記載していくという、いわゆる「雑記」である。
従って、このシリーズで観覧者が得られる情報は、何ら臨床に活用されない可能性が高い点はご了承願いたい。
5月病で仕事を辞めたい
5月病なるものが存在する。
5月病とはウィキペディアによると「5月を過ぎたころに仕事にも慣れてきて辞めたくなること」を指すという。
理学・作業療法士の新人の皆さんは、そんな5月病を患って、辞めたくなっていないだろうか?
学校で教わって自分がイメージしてきた理学・作業療法士像と、実際の現実が異なっていて、そのギャップに愕然とすることがあるかもしれない。
あるいは想像していた職場とは異なり、ブラック企業並みなは働き方を要求される職場ということもあり得るかもしれない。
そして、これらの事から前者であれば「理学・作業療法士を辞めたい」、後者であれば「職場を変えたい」などと思うことは出てくるかもしれない。
現在の職場を辞めたい
職場がブラック企業並みな働き方を要求される職場かどうかは、事前に様々な情報を吟味することで多少は失敗を防げる側面はあるかもしれない。
ただし、自分に合った職場かどうかの物差しは「ブラック企業並みな職場かどうか」だけではない。
「自分に合った職場の定義」は人それぞれなので一概には言えないが、例えば人間関係などは「実際に入職してみなければ分からない要素」の筆頭といえ、尚且つ重要視されることが多い。
そして、実際に入職して初めて知った劣悪な環境を前にして「さっさと職場を変える」という選択は、ズルズルとストレスを抱えながら続けるよりも良いケースであったりもする。
あるいは「職場を変えたいと思うに至った原因」が自分以外にあることは当然考えられるのだが、(実はそう思い込んでいるだけであり)実は自分自身に問題がある場合もあったりする。
※実際は両方に原因がある場合がほとんど(割合は異なるが)
そうなると、後者な割合が高い場合は、転職した先でもうまくいかず、ひたすら転職を繰り返すことにもなりかねない点は、頭の片隅に入れておいたほうが良いかもしれない。
そして「自分が職場を変える」という選択をする前に、「職場において自身の手によって変えることのできる要素はないのだろうか?」といったベクトルで思考してみるのも良いのではと感じる。
※ブラック企業に嫌々思いとどまることを肯定したり、崇高な目的(例えばスキルアップなど)による転職を否定している訳ではない。
※単純に、転職する前に一度立ち止まって考えてみるのも良いのではと感じるだけ。
ブラック企業のリスト
いわゆる「ブラック企業」の特徴は、従業員のやる気を失わせる「学習性無力感」が起こり易い職場であることが指摘されている。
※関連記事⇒『学習性無力感。失敗によるネガティブ感情に注意せよ!』
「一般的な企業」と「理学・作業療法士の職場」が必ずしも同じとは限らないが、念のためブラック企業の特徴を示しておく。
①従業員が不快と感じる職務(例えば過剰労働)を任せる
②自分ではこの状況を変えることはできないと認識させる
③将来もこの不快な職務状況は続くだろうと考えさせることで悲観的な思考が生まれる
④将来も自分の置かれた状況をコントロールできないと認識させる
⑤従業員が職場での無力感を学習してしまう
理学・作業療法士を辞めたい
せっかく頑張って理学・作業療法士になれたにも関わらず、一定期間勤めただけで働くことが嫌になり、理学・作業療法士とは全く畑違いな分野で働き出す人が一定数は存在する。
しかし個人的には、短期間で見切りをつけてしまうのは少々もったいないという気がしてしまう。
※もちろん、適正ではない職業をズルズルと続けることの弊害も大きいという側面もあるとは思うのだが・・・
っというのも、理学・作業療法士の職域は非常に拡大しており、新人さんが捉えている「理学・作業療法士像」は(恐らく)理学・作業療法士としての一側面に過ぎない場合が多いのではと感じるからだ。
例えば一概に「個人病院」といっても特徴が多様化していたりする。
あるいは介護保険領域にも目を向けると、「純粋な理学療法とは少し異なった活躍」も期待されることがある。
そして、「純粋な理学療法とは少し異なった活躍」に関する賛否あるとは思うが、「純粋な理学・作業療法」には興味が持てなくとも、こちらには興味が示せる場合もあるのではないだろうか?
これらは「体験してみなければ分からない」ので、実際に転職して体験してみてからでも、今後の進路を切り替えるのに遅くはないのではないだろうか?
(理学・作業療法士自体に興味が持てなくなっている場合は)「石の上にも3年」などと言わずに、いくつか他の職場を頻回に転職して「それでも理学・作業療法士として働きたくない」と思ってからでも辞めるのに遅くないのではと感じる。
あるいは、「全く畑違いな仕事」ではなく、理学・作業療法士としての知識を活かしてケアマネージャーになったり、福祉用具事業を立ち上げたり、技術を活かして整体師として開業するのもアリかもれない。
つまりは、理学・作業療法を提供しなくとも、それらの知識・技術を活かす方向でなら、興味が示せるかもしれない。