「理学療法士が不安に感じるベスト1は将来性」と題して記事を作ってみた。
この「不安に感じるベスト1は将来性」というのは、理学療法士協会(県)が主催する職能研修会で行われた即興アンケートの集計結果によって導き出されたものだ。
ではでは、本編にっていく。
理学療法士は将来性に不安を感じている
新人教育プログラムにも振り替え可能なやつで、卒後すぐに参加して以来だったので約3年半ぶりだ。
内容は「介護予防に関する研修会」と「起業に関する研修会」の2つ。
どちらも興味があったが、特に「起業」のほうは当県では初の試みとのことで重い腰が上がった。
「起業セミナー」の内容は、
起業とは何かということの説明と、
今起業されている方々が数名活動を報告するといった内容と、
その起業された方々に司会者及びフロアが質問を投げかけるというものだ。
起業の方法は色々なので、全ての報告に興味をもって聞けたわけではなかったが、まずまず有意義な内容だった。
事前アンケートの内容をパワーポイントにグラフで提示するといった試みがなされ、約120人(平均経験年数4年)の参加者の中で理学療法士の立場についてどう思うかという4択で「非常に良いポジション」と答えた方が0人という結果が出ていた。
何に不安を感じるかという9項目には
一位:理学療法士の将来性
二位:理学療法士のスキル
三位:給料
などという結果になった。
※私としては、給料・スキルが上位に来ることは何となく想像できたのだが、ここまで多くの理学療法士が将来性に不安を持っているというのは、やや意外な結果であった。
※まぁ、「将来性」とは非常に漠然とした言葉であり、それぞれがイメージしている将来性はバラバラなのかもしれない(例えば、3位の給料も、将来性と拡大解釈することも出来るわけだし)。
それでもって、この状況を打破するにはやはり政治力が必要で、その力を得るためには県の理学療法連盟に一人一人が入ることが大切だということが遠まわしに伝わってきた。
う~ん なら連盟に入ろうかなと思いかけたが、最後の最後に一番後ろの役員席にいたお偉いさんっぽい理学療法士(50代前半くらいか??)が挙手をして発言した後のやり取りで、「やっぱお金払って連盟はいるのも面倒くさいな」という気持ちになった。
おっさん理学療法士の発言
その人の発言内容は
「理学療法士が非常に良いポジションだと思っている人が一人もいない。良いポジションでは無いと思っている人はその理由を教えて欲しい」
という内容だった。
長い沈黙の後、結局2名が
①世間に「理学療法とはこれ!」と明確に示せるものが確立していない
②介護報酬の制度的縛りが理不尽
みたいなことをおっしゃっていた。
すると、その理学療法士が「じゃあ給料が理由で良いポジションでは無いと思っている人は一人もいないんだね?」と言い出した。
そして、司会者が「不安に感じることの第3位に挙がっている」と突っ込むと、
「皆さんに覚えておいてもらいた事がある。この不景気にこれだけ安定した給料をもらえるのは恵まれている。もう一か月もしたらボーナスもでるだろうが、一般企業で出ないところも沢山ある」
などと言いだした。
この方は何が言いたかったのだろうか??
「あなた方より報酬が少ない人は数多くいるのだから、給料に関して不満を抱くなど贅沢だ」と言いたかったのだろうか?
今までの流れから司会者一同が「この状況を打破すべく政治力を上げていこう」という方向で締めくくろうとしているのに、興ざめだった。
確かにこの理学療法士の言ってることは一理あるが、
下を見たらきりがないし、
その程度のことは皆分かっていると思う。
そんな内容をこの場で発言することに何の意味があったのだろうか??
同期レベルの経験年数の発言なら納得できるが、
古き良き時代を経験して今も破格の報酬をもらっているであろう(勝手な予想ですが)理学療法士に「お前ら恵まれてるんだ」と言われても何の説得力もない。
皆が不安に感じている将来性など、恐らくこの人にとっては取るに足りない悩みなのだろう。
こういう空気の読めないおっさんが幅を利かせているようでは、
理学療法士の将来性も先が見えている気がしてげんなりした。
この際の司会者は、以前別の実技系コースセミナーで何度かご一緒したことのある方だった。
その際に接した雰囲気や、今回の司会っぷりからも、人間味のある温かさを感じられる方だった。
ふと司会者の顔へ目をやると、若干顔が強張っているように感じたのは私だけだろうか?
この日の準備のために私たちが分からない所で大変な努力をされてきたことだろう。
その努力を最後の最後でちゃぶ台をひっくり返すがごとくのこの発言。
結局最後には、こんなおっさんは早く定年迎えて消えてくれればと胸に引っかかりが残ってしまう研修会になった。