この記事では、世界標準な意識障害の評価スケールである『グラスゴーコーマスケール(GCS:Glasgow Coma Scale)』について記載していく。
グラスゴーコーマスケールとは
意識障害の評価分類スケールはいくつか開発されているが、その中でも一般の臨床では以下の2つが普及している。
・グラスゴーコーマスケール(GCS : Glasgow Coma Scale)
・ジャパンコーマスケール(JCS : Japan Coma Scale)
ジャパンコーマスケールが「日本でのみ普及している」のに対して、
グラスゴーコーマスケールは「国際的に普及している」という点が異なる。
グラスゴーコーマスケールの採点基準
グラスゴーコーマスケールの具体的な評価内容としては、以下の3項目を個別に観察し、それぞれの合計得点(3~15点)で表す。
- 開眼(eye opening)
- 言語反応(verbal response)
- 最良運動反応(best motor response)
※『言語反応』・『最良運動反応』は数回テストし最も反応のよい状態を評価する。
グラスゴーコーマスケールの採点基準:
- 3~8点 ⇒重度な意識障害
- 9~12点⇒中等度な意識障害
- 13~15点⇒軽度な意識障害
グラスゴーコーマスケールで意識障害を評価
以下がグラスゴーコーマスケールの分類表である。
大分類 |
小分類 |
スコア |
開眼 |
自発的に開眼している |
4 |
呼びかけに応じて開眼する |
3 |
|
痛み刺激に対して開眼する |
2 |
|
まったく開眼しない |
1 |
|
最良運動反応
※運動による最良の応答
|
言葉による命令に従う |
6 |
局所的な痛み刺激に反応する |
5 |
|
痛みに反応して四肢を逃避的に屈曲する |
4 |
|
痛みに反応して四肢を異常に屈曲する |
3 |
|
痛みに反応して四肢を伸張する |
2 |
|
まったく反応なし |
1 |
|
最良言語反応
※言葉による応答 |
見当識は正常 |
5 |
会話内容の混乱(錯乱状態) |
4 |
|
短く不適切な言葉 |
3 |
|
理解できないうなり声やうめき声 |
2 |
|
発声がみられない |
1 |
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グラスゴーコーマスケールは慣れないと評価が難しく、ジャパンコーマスケールと併記することも多い。
っというかジャパンコーマスケールの方が分かり易いので、こちらのみが活用されることも多々ある。
そんな「グラスゴーコーマスケールと同様にメジャーで、日本で多用されている意識障害評価スケール」である『ジャパンコーマスケール』に関しては以下を参照して欲しい。